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           小田代神楽・三番叟


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小田代神楽(田原)・・・

伝承の由来は定かではないが、口伝によると胆沢下幅よりと羽田鶯沢よりとの二説あり、今後考証すべき課題である。創始は明治28年頃とされ、以来地元五十瀬神社の奉納神楽として台を重ね、現在六代目である。


・・・三番叟について

式舞の中の三番目に舞う小人黒色翁の舞である。強い日照りにも絶えることなく、とうとうと流れ落ちる滝の水の如く炎天と息災を祈って幕出しとなり、切あごの黒色の仮面と、上方三角五色の烏帽子に千早衣、袴の装束、右手に鈴木(鳴る鈴)、左手に扇子を採って、華やかな足踏み、千鳥足の四方鎮めの舞は、天下太平祝いの沖で飛び交う鴨の如く、また渚に戯れる千鳥のように歓奔し踊躍し、みんなこいこいで幕となる。

三番叟の演目は小田代神楽と和田神楽がありましたが、ここでは小田代神楽の様子をまとめてみました。司会者から演目説明もありましたが、うまく記録できなかったので省略します。

三番叟は神楽演目の中でも大好きな演目の一つです。今まで見てきたのは早池峰神楽だけですから、どのような違いがあるのか関心がありました。10分ほどの舞になりました。



小田代神楽・三番叟 1

解説文には、小人黒色翁は右手に鈴木(鳴る鈴)、左手に扇子を採って舞うとあります。しかし、この場面では右手に扇を持ち左手には鈴木を持っていました。

三番叟の舞で注目する場面の一つに、足を折り曲げて高く飛び上がる場面が何回かあります。ここでは、足を曲げて飛び上がる様子と、足を伸ばして降りる様子を組み合わせてみました。

いかに鮮やかにジャンプするかが見せ所でもあり、会場からは拍手と歓声が上がる場面になります。それにしても見事なジャンプでした。

小田代神楽・三番叟 2 小田代神楽・三番叟 3
小田代神楽・三番叟 4 小田代神楽・三番叟 5
小田代神楽・三番叟 6 飛び上がってからの舞は、右手に鈴木を持ち左手には扇を持つように変わっていました。

舞い始めて5分ほど経った頃、幕の右手(正面から見て)から今まで見たことのない道化役の方が現れます。そしてじーっと小人黒色翁舞を見ていましたが、その内に同じ所作で真似て踊り出します。

小人黒色翁は、側にいる道化役には目もくれずに舞いますが、道化役は前や後ろに移動して真似ます。つけている面はひょっとこ面の様にも思えますが、詳しいことは分かりません。
小田代神楽・三番叟 7 小田代神楽・三番叟 8
小田代神楽・三番叟 9 小田代神楽・三番叟 10

小田代神楽・三番叟 11 5分ほど舞うと小人黒色翁は居なくなり、道化役一人になりました。今まで見てきた早池峰神楽ですと、後半は小人黒色翁が襷を足に結び片足でぴょんぴょん跳ねる舞をします。ここではその所作がありません。

やがて道化役は舞台の床に寝ころびます。その後座ったままの姿勢で、腰帯に挟んである物を取り出します。
小田代神楽・三番叟 12 小田代神楽・三番叟 13
小田代神楽・三番叟 14 どうやら一人では外せないようで、神楽衆に頼んで引き出そうとするのですが外れません。やっと引きだした物はなんと、巨大な男根で、肩に掛けてある青い色の襷にがっちりと結ばれてありました。

神楽の道化場面では良く出てくる男根(金勢様)です。これが出てくると、どこの会場でもわーっとなります。今回は神楽場から降りませんが、場合によっては会場の観客席まで移動することもあります。

ここからの所作が三番叟独特の舞になります。同じ演目の和田神楽では襷に足の指を挟んで高く足を上げ、飛び跳ねるような仕草で神楽場を動きます。この方は襷に吊さないで右足を上げて飛び跳ねていました。
小田代神楽・三番叟 15 小田代神楽・三番叟 16
小田代神楽・三番叟 17 小田代神楽・三番叟 18