若女(若い女)禰宜(神官の禰宜)舞は、別名「板東舞」とも言います。板東(関東地方)から巫女がこの東北に下ってきて、魔多羅神の神前において舞を舞ったさまをうつしたと言われております。鈴と水干(すいかん)を持って、しゃりんしゃりんと鳴らしながら舞う舞で御座います。最後の方になって神官の禰宜が御幣を持って加わり、問答が御座いましてこの舞が終了します。
この場面は7月のあやめまつりで撮影しました。可能な限り全身像、とくにも足さばきを撮影したくてカメラを高い位置にしました。同じ思いの方が対面に居て、かなり気になりましたが仕方ありません。相手からも私の存在が同じように見えていたはずです。舞の雰囲気を壊さないように背景場面を選んで編集してあります。
僧が若女の装束で、扇と水干(すいかん)を持って舞いますが、伴奏は一切ありません。しーんとした中で聞こえるのは、水干の鈴の音(しゃりん・しゃりん)と足踏みの「ドン」だけです。春の藤原まつりの時は、たまたま雷雨になり静かな雰囲気を壊しましたが、それはそれですごい趣がありました。見ている皆さんも、私語やしわぶき等も一切なく、本当に静寂な時間でした。
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