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        陸前高田市・根岬梯子虎舞


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地上20mでの虎舞い、扇と花を両手に景気をつける囃子手、澄み切った青空にさえ渡っていました

広田町黒崎神社式年大祭や、同町根崎地区にある鶴樹神社の祭典で奉納される勇壮な虎舞です。正式名称は「風流唐獅子曲乗之体」といい、お囃子にあわせ、唐獅子の衣装に身を包んだ勇士が地上20 mのはしごの上で身軽に曲芸を披露します。(※ネット資料から)

祭典会場までは車で行けません。一番バスに乗るために7時40分駐車場に入りました。係にお聞きしたら「バスの方が良いよ中まで入れるから」とのこと。早速一番バスに乗りましたが、地元の方がぎっしり乗っています。小若の衣装をつけた可愛い子、「何して半纏きてこねの」「今度から役無くなったので」「車で来てもあっちに行って大変だし・・」そんな会話がぼんぼん聞こえてきます。

ほどなくして境内に入りましたが、もの凄い人出に圧倒される。広田全地区から人が来たかと思われるほど、びっしりと埋まっています。各集落の出し物の屋台や山車が数多くありました。

境内の丘に長さおよそ20m、傾斜角45度に建てられた巨大な梯子が建てられてあります。先端部の高さは下の広場から20mほどあり、この上で二人が組んで虎舞いを演技します。見ている私を含め、息を呑みながらじっと見つめていました。

梯子の先端で二人が組んで演技しますが、衣の中はどうなっているのか分かりません。虎舞いの頭を持つ方は足を梯子にかけ、台になる方の手が身体を支えているように見えます。



境内の丘に立てられた20mの梯子です。

例大祭のオープニングといたしまして、おごそかな笛の音と大太鼓小太鼓の虎舞囃子のもとに、根岬はしご虎舞が奉納されます。

この黒崎神社の例大祭には、伝統的に奉納されてきた根岬梯子虎舞の由来をご紹介申し上げ、ご高覧を頂きたいと思います。

このはしご虎舞は、私たち郷土の祀る弁財天を祭神とする根岬の鶴樹神社の大祭に奉納舞として行われ、五穀豊穣、大漁満足を祈願し悪魔払いの神事を行うものであります。

才坊が獅子を高い岩場に祭り上げたのが現在の梯子虎舞の起こりとも言われており、代々根崎部落の家々の長男に引き継がれてまいりました。

梯子の長さは19.84m、地上からの高さは約20m、傾斜角度45度、梯子の段数は49段となっております。この素晴らしい究極の美に、皆様からの盛大な拍手を送って頂きたいと思います。

(※案内放送解説からの抜粋)


梯子の大きさに圧倒されます。一本の杉の木から造ったと言います。梯子の根元は、がっちりと地面に埋められています。



一回目の奉納舞は9時からでしたが、その前に若者達がするすると梯子に登りました。何するのかなと思って見ていたら、清酒と塩でお清めし、手を合わせて祈願しています。その真剣な表情に、これは真剣勝負だよなと見とれてしまいました。命綱もネットもない20m上空での演舞です。細心の注意を払っての演舞ですから・・。
梯子のお清め 1・・お酒を振りかけて清めています。 梯子のお清め 2・・塩をまいています。
梯子のお清め 3・・真剣な表情で安全祈願する舞手、多分獅子頭を持つ方でしょうか・・。 梯子のお清め 4・・じっと前方を見る姿に決意を感じ感動しました。


虎舞の安全祈願があり、神官が祓い清めています。舞手の方は若い皆さんで、囃子手が3名、虎舞の舞手は二人一組で虎(獅子頭)が二組ありました。笛、大太鼓、小太鼓の皆さんもお祓いを受けていました。 神事 1・・・神官さんのお払いです。
神事 2 神事 3・・・二組の獅子頭が梯子の前に置かれてあります。
神事 4・・・舞手、囃子手の皆さん、大きい方は台になり、小さい方が上になるのでしょうか 神事 5・・・太鼓の皆さんです。


虎舞いのリーダーの方です。この方から色々とお話をお聞きしました。

虎舞の責任者の50代の方です。私も側にいて色々お話を聞いてみました。梯子は一本柱の20mのもの、広田には二組あるという。地上からの高さは21mとのこと。今日は例年になく天気に恵まれているという。30年やっているが、こんなに良い日はないよと嬉しそうに話しておられた。「いつもは雨が降ったり荒れたりして大変でした。少し風がある方が衣がまとわりつかないので良いのです・・」と話しておられました。

安全祈願の神事が終わると、実際に演舞する皆さんが梯子の上まで行って確認と祈願をしています。演舞が始まると、すっぽりと衣の中に入るので、頼りになるのは足場の感触と、梯子を掴む手の感触が頼りになるので大変です。
神事の後、5人の方が梯子に登り祈願していました。 遠くから見た祈願の様子。


威勢の良い笛、太鼓のお囃子が境内一杯に鳴り響くと、日の丸の書かれた扇と花(?)を両手にした囃子手(才坊と言うそうです)が、梯子の段をするすると上まで駆け上がります。梯子の一番上・中・下位置した3人が、お囃子に合わせて扇をひらひらさせて虎を上に誘いあげます。
囃子手が登ります。 最上段に位置した囃子手、両手に持った扇と花を振り回して景気をつけます。 上の方にいる囃子手二人です。


いよいよ虎が梯子を登り始めます。登る途中に3人の囃子手がいますが、虎が通るときは梯子の柱に身を乗せて虎を上に導きます。下の方はともかく、最上段の方は梯子の柱にがっちりとしがみついています。虎が最上段に位置すると、いよいよここでの演舞が始まります。
そろりそろりと虎が登り始めました。 囃子手が景気をつけて虎が登ります。
最上段での入れ替え、見ていてスリルがあります。 最上段に位置した虎です。いよいよこれから演舞が始まります
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