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location:uchinome.jpトップ>岩手の鍾乳洞久慈市・2007内間木洞その2>その3

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最後の到達点は「大広間」になりますし、一般の観光客が自由に入れるのはここまでになります。この場所には教育委員会関係の若い方がおり、案内と監視をしていました。

ここではフローストーンの様子と、調査隊が入ったときの印象で名付けられた場所を紹介いたします。フローストーンとは、あたかも滝が流れたように見える鍾乳石の名称です。ほとんどの鍾乳洞で見ることが出来る洞穴内生成物で、。ここ内間木洞でもあちこちで見ることが出来ます。

フローストーンの表面は滑らかでつるつるしたり、しわ状になっているのがほとんどです。流れ落ちる水に含まれる炭酸カルシウムが主な成分になります。純粋な炭酸カルシウムだけですと純白になりますが、ほとんどの場合はその場所の地層に含まれる鉄分等の色が付き茶色っぽくなるようです。

様々なフローストーン 1 様々なフローストーン 2
様々なフローストーン 3・・以前はつらら石が並んでいたのでしょう。 様々なフローストーン 4・・はち切れそうに膨らんでいますが、この中はどうなっているのでしょうか。
様々なフローストーン 5・・ここでは珍しい白色のフローストーンです。 様々なフローストーン 6・・イブの間、アダムの間の名札がありました。
様々なフローストーン 7・・玉のれんの滝以前に出来たつらら石が、府ルーストーンに埋もれのれんのように様になっているのか、それとも上にある巣多々石の集まりなのか不明です。 様々なフローストーン 8・・北の部屋の名札が付いていました。


神秘の門 1・・通路から見た神秘の門の付近。

「北の広間」の最奥部が神秘の門になります。この場所は鉄骨通路があり、ぐるりと廻りながら周囲を眺めることが出来ます。

神秘の門の場所には手すりが無く、奥に進める様になっていますが、一般は立ち入りが出来ません。本当の鍾乳洞の魅力はこの先にあるのですが、観光洞ではないのでガイド無しではとうてい無理な話です。
神秘の門 2・・やっと一人がすり抜けられるぐらいの隙間しかないのです。 昨年の氷筍観察会の時は、一般参観者とは違った団体がここからどんどん奥に入っていました。何せ家族と思われるちびっ子まで、きゃあきゃあ言いながら自由に出入りしていました。私は悔しい思いで見ていましたから・・。

今回も奥の方を覗いてみましたが、太めの方やお腹の出た人は入られません。それくらい狭い所なのです。
神秘の門 3・・・入口から身体を乗りだし、内部の様子を撮影したのですが・・。 今回はカメラを中に入れて撮影してみたのですが、内部は狭く曲がりくねっていて、奥に広がる部分は伺うことが出来ません。やっと一人がすり抜けられる、本当に狭い幅しかありません。機会があったら何とか中に入りたいものです。今後の課題にしておきます。

神秘の門の奥に入るには、特定の時期に調査のために入ることがあります。その時に申し出ておけば可能かも知れません・・とのことでした。


この場所で案内と監視をされていた方から色々なお話をお聞きし、今後の私の洞穴探検への参考と警鐘にもなりました。以下二点についてまとめてみました。

@コウモリとストロボ写真撮影の関わりの貴重な話題。八戸市に有名なコウモリの研究者がおられ、この方が実際に
  試して見つけた事実は以下のことです。

  この内間木洞には8種類ぐらいのコウモリが住んでいる。撮影するとき、コウモリに向けるストロボの光が影響して
  いるのではない。問題なのは、ストロボが発光すると、次の発光のためにコンデンサーに充電する時の「キーン・・」
  と言う音が、コウモリにとってストレスになる音だと言います。

  あのキーンという音で興奮しストレス気味になり、特にも6月から7月にかけての出産・子育ての時が心配です。オス
  のコウモリは何も関係ないとのことでした。
お聞きしてなるほどと思いました。コウモリの撮影は、出産と子育て時期
  以外ならば特に支障がないと言うことの発見でした。洞穴等でコウモリを撮影する時は、積層電池のみによるストロ
  ボ発光が理想的だが、今はそのようなストロボは見あたりません。

  コウモリは目の機能が退化し光を感じないはずですが、耳は他の動物以上に発達し、目と同じくらいの機能を有し
  ています。例え冬眠中であっても、耳はちゃんと機能していることになるのでしょうか・・。


Aもう一つ気になったことがありました。この内間木洞は一般公開はせずに、小中学生の体験学習の一環として広く
  利用されています。このことは特に問題がなく、利用拡大を進めているのです。この頃多いのが、大学クラブの人達
  の荒らしだと言います。許可申請の目的は調査と言うことだが、かなり内部を荒らされていると言います。

  この話は、私が「ヘリクタイトを探していますが・・」と言うことから始まったことです。以前はここにあったのですが、
  今は跡形もないのです。そしてかなり汚くなって来ています。本当はここ(大広間)はもっときれいだったのですが、
  と話されながらフローストーンの変色を嘆いておられました。

  調査研究や保存に努力されている方がおられる反面、単なる洞穴レジャーを楽しむ若者の存在に、一人のフアンと
  しても嘆かわしい話題です。入洞許可のあり方と、責任者への対応を考えなくては・・と話していました。私も知って
  いる大学のケービングクラブなのですが、鍾乳洞入洞に関わるモラル低下が危惧される貴重な話題でした。



ここからは内間木洞の個人的な宣伝になります。限られた範囲に限っての撮影になりますが、内部の様子に関心と興味があり、撮影を希望する方には7月のまつり当日が最適だと思います。ガイド無しで自由に大広間まで行けますし、何よりも人出が多くないと言うことです。

氷筍観察会の2月も良いのですが、あまりにも人出が多い事と、氷筍を破損しないように出入りの場所が制限されます。願わくばのことですが、年二回と言わず一般開放の日を設定していただけると、鍾乳洞フアンの一人として最高に嬉しいのです。それと、ガイド付き(有料)でも良いので、さらに奥に入るコース等があれば良いのですが・・。

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