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羽化直後のヒオドシチョウ
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location:uchinome.jpトップ>自然の表情>昆虫の表情>羽化直後のヒオドシチョウ |
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六月末の朝でしたが、何気なく裏のブドウ棚を見たときの事です。ブドウの葉に一頭のチョウがとまっていました。チョウの季節だなあと思いつつ足元の地面を見たらびっくりです。何と地面には数頭のチョウがとまっており、羽を広げているもの、閉じているものとが見られました。 |
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地面にとまるヒオドシチョウ・・・ 羽を閉じたり開いたりの状態で、かなりの数が見られました。普通ですと、人が近寄っただけでパーッと飛び立ち側までカメラで近寄ることは無理になります。 使用したマクロレンズは望遠タイプあり、最初は遠くから引き寄せて撮影です。飛び立たないのを幸いに、どんどん接近し10センチぐらいまで寄れました。 |
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終わりに・・・ ヒオドシチョウを最初に発見したのは朝の八時過ぎでした。大量のチョウが地面にいるのが不思議になりましたが、図鑑で調べたら理由は簡単なことでした。 ヒオドシチョウ幼虫の食草(植樹)はエノキの葉です。オオムラサキやゴマダラチョウの飼育を願って、かなり以前から家の周りにエノキを植えていました。ゴマダラチョウは卵を産み付け、幼虫は越冬し翌春サナギになり羽化しますが、まさかヒオドシチョウまでとは思っても見ませんでした。 エノキから10メートルほど離れた母家の軒下に、大量のサナギの剥け殻がぶら下がっているのを見て納得です。このページのタイトルを「羽化直後のヒオドシチョウ」としたのは、上の二枚の画像から決めたことです。 羽化直後のチョウは形こそ成虫ですが、身体の組織が固まらず素早く動くまでにはかなりの時間がかかります。私が撮影したのは丁度身体の組織固めの最中であり、逃げたくても瞬間的行動が取れない場面でした。太陽の光と熱で身体を成虫の状態にする一番弱くて無防備の瞬間でした。 九時半頃でしたが、その後のチョウの様子を見に出たときのことです。近づいただけでパーッと逃げられましたが、地面の上で動いているヒオドシチョウを発見しました。少し動いていたので、もしかしてアリに喰われたのかと思いよく見たら、あれれ、これは羽化未完成のチョウでした。羽はきれいにありますが、頭に白いものが着いています、 取り上げて見てびっくりです。白いものはサナギの時の頭の部分の殻であり、羽化の時にその部分だけが取れないままになっていました。これでは成虫にはなれないので、静かに殻を取り払ってみました。頭は出たものの、触角の部分にまだ白い殻が着いたままですし、肝心の口吻が二本に分かれてkます。これでは吸密活動は出来ませんので、やがては死ぬしかありません。 チョウの成長を見ていると、卵から孵化し幼虫になり、食草を食べて大きくなり何度か脱皮をします。その後、幼虫がサナギになり、サナギから羽化してやっといつも見ているきれいなチョウになります。その段階の一つでも不十分であれば、当然ですが死んでしまいます。 我が子の誕生に際して、赤ちゃんが五体満足に生まれることを祈る親の気持ち、昆虫を含めて生きている生物も同じです。生命の神秘とは名言であり、生まれ出る新しい個体が親と同じになるとは分からないものです。ちょっと難しい話しになりましたが、ヒオドシチョウの姿を見てそんなことを感じてしまいました。 |