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分岐点から左のコースに入り、泥火山を最初に見ることにしました。途中に噴気孔と書かれた看板があり、激しくはないのですが小さな音を立ていました。普通の水溜まりのように目えますが、説明を読んで熱湯とはびっくりです。間違って手を入れたら大火傷になります。

噴気孔・・・
もとイオウの採掘が行われたところで、流出口のない小さなマッドポットが沢山あり、泥湯をわかせています。天然蒸気の成分が地下水に溶け、紺屋地獄と同じように沈殿して、天然蒸気がこれを沸とうさせるのです。温度は93.8℃くらい、湯はPH1.6〜2.2の強い酸性となっています。

噴気孔 1・・・目には見えませんが噴気ガスが出ていると言います。 噴気孔 2・・・水溜まりのように見えるところは熱湯です。 噴気孔 3・・・噴気孔と溜まった熱湯。


見覚えのある泥火山が見えてきました。最高の高さで1m位はあるようです。以前と違うのは、散策路から中に入られなくなっていたことでした。昔の記憶ですと、ごく近くまで接近しローアングルで撮影した記憶がありますが、今は無理なことで仕方ありません。ここは散策路から望遠レンズを使いアップで撮影しましたし、泥を噴き出す瞬間を撮影するために連射機能を駆使しました。でも見た瞬間にピューット泥が出ますので大変でした。下段の左右の画像は連射で止めた泥の様子です。

見ていて面白いなと思ったのが、泥を噴き出した後にはプスーッと白い湯気が出ることです。この湯気の圧力で地下から泥を噴き出すのですから、泥火山とは言えなるほどなと納得できます。これの超大型が実際の火山活動ですし、もちろんの事ですが泥ではなく溶岩です。

大泥火山・・・
ここは、もと湯沼でしたが天然蒸気からの沈殿物で浅くなり、これを圧縮された天然蒸気が間欠的に噴きとばし、それが堆積してこのような高まりができました。この泥火山は湯沼式泥火山と呼ばれています。大正6〜7年頃から成長しはじめ、規模の大きいことでは日本一です。泥の厚さは約8m、噴出物の温度は94.5℃です。
湯沼の中にある大泥火山の全景です。 一番高い所を拡大してみました。正面には噴火口を思わせる大きな穴がありますし、左側からは溶岩流を思わせる泥流が流れています。
泥噴出の瞬間 1・・・細い泥がぴゅっつぴゅっつと出てきました。 泥噴出の瞬間 2・・・細い泥が更に飛び上がります。
泥噴出の瞬間 3・・・豆もやしのような泥の塊が出てきました。 泥噴出の瞬間 4・・・もっと大きいと思いましたが、意外や意外で小さいのです。そして湯気もぷっと出ます。

上空から見た火山模型とでも言えそうな泥火山です。

上空から見た火山模型とでも言えそうです。正面奥には巨大な外輪山を持つ活動中の噴火口があり、右側手前に盛り上がった噴火口が二カ所確認できます。山の頂上付近からは、溶岩流や破砕流の流れが麓まで流れている様子が想像できます。以前に話題にもなりましたし人災等の大被害があった雲仙岳です。この時の流れが時速100km近くあ
り、世界的に著名な火山学者や報道関係の方が火砕流に巻き込まれ犠牲になっています。

火山国日本ですが、昭和45年に発刊された毎日グラフ「日本の火山」から一部を紹介してみます。

日本ほど火山の多い国はないという。阿蘇であり浅間であり桜島であり昭和新山から明神礁につらなる山々である。その数はざっと数えて50〜60にもなるという。かつてわれわれの祖先は、その火を噴く山々を神の住まう山としてあがめた。噴火を神火とした。そこから自らの国を『火の国』と名付け、『肥の国』とうつり『肥前・肥後』とした九州の例もあった。そこには火の山の上に住む日本人の生活と恐れ戦く歴史があったことを知る。火と噴煙を吐く山は生きているのだ。

この中に後生掛温泉の記載がありますので紹介いたします。

十和田八幡平国立公園の御生掛温泉に「地獄」と呼ばれる所がある。数個の池が散在するその区域は、白い湯気が立ち硫黄のにおいが満ちている。それらの池はほとんどが青灰色の湯をたたえている。この色は硫黄・硫化鉄及びそれらによって侵された岩石の変質物の混じり合ったもの。

池の中にある泥火山、池のすぐわきにあるマッドポット(泥のつぼ)吹上温泉などが高い温度で活動しているさまは、まさに小型火山の生々としたさまを見るようである・・・。(※昭和45年に発刊された毎日グラフ「日本の火山」から)



大泥火山を見てからしばらく歩くと、巨大なマッドポット(泥湯の池とでも言えますが)が散策路脇に見えてきます。ここは見ていて飽きない空間でもあります。不規則ですがボコボコと泥の泡が噴き出て、それが同心円状に模様がついて拡がっていきます。複雑な火山活動のアートとでも言えそうです。

この泥の泡の出る瞬間を撮影したくてかなり粘りました。カメラの連写機能をここでも使いました。何しろ泡を見てからでは絶対に間に合いません。そんな中から選んでみたのが次の4コマです。

中坊主地獄(ふとう泉群)・・・
道ばたの透明の温泉をごらん下さい。これは溶存物質が少ないため、このように透明なのです。水温は86℃、PH1.8と非常に強い酸性です。また、北側奥には95.5℃の温泉が噴き出し沢山のマッドポット(泥つぼ)ができています。この付近を流れているのは水のように見えますが、ほとんど熱湯です。やけどの危険がありますから、お気をつけ下さい。
中坊主地獄の散策路 1・・・通路から外れると熱湯地獄と言いますので怖い場所でもあります。 中坊主地獄の散策路 2・・・大きなマッドポットがあり湯気が出ています。
泥湯池の泥による波紋 1・・・ほぼ全景ですが、熱湯泥とは信じられません。 泥湯池の泥による波紋 2・・・窪みの中で泡を吹き出しています。ここに竹などを入れたら深さがどの位あるのでしょうか、そんなことを知りたくなります。
泥湯池の泥による波紋 3・・・泥の波紋がきれいです。 泥湯池の泥による波紋 4・・・泡が盛り上がった瞬間です。必ず半円ですが・・。
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