遠野遺産を訪ねてに戻る


            乳神様・金精様


ウチノメ屋敷 レンズの目 自然の表情 暮らしの表情 ウチノメアーカイブス
岩手の鍾乳洞 ほっづぎある記 心のオアシス  

location:uchinome.jpトップ>自然の表情>風景の表情遠野遺産を訪ねて>乳神様・金精様

  サイトマップ


崖の斜面金網に吊されたおっぱいボール、かなりの数がありそうです。
乳神様・金精様・・・

乳神様(金勢様)は、大きな岩の上に立つウッコの大木に抱かれるようにしてある。子供が授からなかったり、お乳が出なかったりする女性が、子宝やお乳がたくさん出るよう祈願した。 45番 乳神様(金精様)

9月19日(土)のことでしたが、テレビで放映していた遠野市綾織地区にある乳神様の様子に刺激され現地まで走りました。家から一時間かかりませんので、あらかじめ地図で場所の見当をつけゆっくり走り見つけました。現地の道路下はちょっとした公園地になっており、川の流れには滝とはいかないまでも二つの落差があり音が聞こえています。

遠野側から来ると、左側の斜面に登り口階段があります。附馬牛までの道路なので、結構スピードが出るカーブなので見失うかも知れません。かく言う私も、この場所は何回も走っているのですが、今回初めて気がついたほどです。

道路脇(崖の上)に生えている大きなイチイの木(おんこ)、その枝振りがもの凄く張りだしたイチイの巨木です。木の根元に男根の形をした岩(石碑)があり、金精様になっています。その下の崖の場所に目の荒い金網が張られ、ソフトボール大のおっぱいもどきの布袋が吊されています。紅白の色が付いているのがおもしろいのです。

昔の子育ては、乳が出なければ可哀相だが死ぬ定めであり、もらい乳、山羊の乳等々が飲める子どもは幸せであったと思われます。この乳神様・金精様は、遠野遺産の45番目にあたります。

トップの画像は、イチイの巨木の下に張られた金網と吊されているおっぱい状の布ボールです。入り口には朽ち果てる寸前の木の立て札があります。

                                                       2015.10.13 作成



道路側からの様子 1 道路側からの様子・・・

カーブにあたる道路下には、川の流れに沿って空き地があり花壇が設けられていました。そこから上を見ると、大きなイチイの木が目に入り紅白の布ボール(おっぱいもどき)が見えてきます。

斜面に登る鉄製の階段と通路がありますので、登ってみました。崖一面に金網が張られ、入り口斜面には遠野遺産第45号乳神様(金精様)と書かれた標識が立てられています。
道路側からの様子 2 道路側からの様子 3
道路側からの様子 4 遠野遺産標識とイチイの巨木、崖一面に張られた金網におっぱいボールが吊されています。

※おっぱいボールと表現したのは、形状が同じである事
  からの私の思い入れであり、他意が無いことをお断り
  します。
道路側からの様子 5

斜面に設置された鉄製の通路があり、安心して側まで行くことが出来ます。

崖の下はカーブ状の道路があり、附馬牛までの最短コースになります。落下防止の金網手すりにも、紅白のおっぱいボールが吊されています。


鉄製の通路から 1 鉄製の通路から・・・

鉄製の階段を上ると、傾き掛けた乳神様の道標が目に入ります。文字は乳までは分かりますが、他の文字は消えかかっていました。

金網の下には大きな石があり、これは加工された石であり墓碑等なのかなあと思われます。側まで行けばその様子が分かりますが、金網に登るのは出来ませんので不明でした。

崖の斜面には、上から崩れ落ちたと思われる墓碑と思われる石がありますが、表面には文字らしきものが見えていません。
鉄製の通路から 2 鉄製の通路から 3
鉄製の通路から 4 このおっぱい布袋は、斜面周囲の金網や通路の手すり、木の枝にも吊されてあります。テレビ番組を見ていたら、かなりの年配女性が金網に登り、おっぱい布袋を吊していました。

並び方にもルールがありそうで、適当に吊しているのでは無いことが分かります。
鉄製の通路から 5 金網越しに斜面を見ると、自然石とは違う墓碑と思われる石組みがあります。これが何を意味しているのか、現地には説明等がありませんので詳細は不明です。

崖の端には上まで行けそうな階段があります。登ってみたい気持ちに駆られますが、上には何もそれらしきものがありませんので断念しました。
鉄製の通路から 6 鉄製の通路から 7
鉄製の通路から 8 斜面に鉄製の段(通路)が造られています。今回は登らなかったのですが、上は足場が良くないので立ち入りは遠慮しました。落ちたら下までごろごろですから・・。

木に吊されたおっぱいボール 1 木に吊されたおっぱいボール・・・

全面ではありませんが、手の届く木の枝には何個かのおっぱいボールが吊されています。よく見ると、木の枝に吊したと思われる紐だけが残っています。

もしかして縁起を担いで持ち帰ったのか、風にあおられて落ちたのかは定かではありません。
木に吊されたおっぱいボール 2 木に吊されたおっぱいボール 3

イチイの巨木と金精様 1 イチイの巨木と金精様・・・

イチイ(おんこ)の木の根元にかなり大きな男根(金精様)が建てられてあり、その隣にも石碑があった。その由来が何であるのか不明ですが、男根とおっぱい、おおらかな昔の性風俗の出来事が伺える気がしてきます。

それにしても、大きすぎるイチイの木です。いつ頃の昔からこの場所にあったのか、伝承等に基づいた記録が知りたいものです。
イチイの巨木と金精様 2 イチイの巨木と金精様 3
イチイの巨木と金精様 4 イチイの木にめり込むような形で置かれてある金精様、昔の人々の願いが分かるような気もしてきます。

金精様・・・

性崇拝の一種で、男根に似た自然木や自然石を神体として信仰する金精神(こんせいじん)の通称。金勢、金生とも記される。東北地方で顕著に聞かれる名称だが、金・石・木製の陽物を神体として祀(まつ)る形態は、関東地方をはじめ各地にみられる。男女の縁結び、出産、婦人病などに効験があるとされている。豊穣祈願の対象としてとらえられがちだが、本来は災厄除(よ)けという役割を果たしていたと考えられる。

                    ページの最初に戻る →