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         2012金星の太陽面通過


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金星の太陽面通過、一番きれいな状態の画像です。

金星の太陽面通過・・・

5月21日は、25年ぶりに日本列島で金環食が見られ、息子と二人で観察装置を工夫しおてそれなりの画像を撮影できています。それなり・・・とあえて書いたのは、本格的な太陽面観察用のNDフィルターではなく、アストロアーツから購入したマガジン付録の簡易減光フィルターの板だからです。

6月6日の「金星の太陽面を通過」の日を心待ちにしていました。使用器具は前回使用した装置そのままで、基本的には300mmレンズに2倍コンバーターを装着したD200での撮影です。しかし、残念なことには天候条件が最悪で、朝見たときは太陽の位置すら目視できません。台風3号の厚い雲が北上していますので仕方ありません。

諦めきれない私は庭先に段ボールを敷き、三脚にがっちりと固定したカメラ一式を置いて雲の動きの中から太陽の姿を待ちました。アストロアーツの簡易遮光板は、雲の中にある太陽を確認できずかなりの光量がないと見えません。上空を見ると西からの雲の動きと、東からの台風の雲の動きが交叉し最悪でした。

そんな中でやっとの思いで撮影でした太陽表面です。日食の時とは違い、雲の中で減光されているとは言えまぶしいことには変わりありません。首は痛くなる、目が疲れる南中高度での太陽観察はかなり厳しいものなりました。遮光板が厚いことで、のぞいたときの太陽面はかなり赤い状態です。私の肉眼では、赤い太陽面にある金星の姿は確認できませんでした。

今回撮影できた太陽画像は、ほとんどの場面で薄い雲に覆われていますので鮮明度に欠けます。日食の時は比較的はっきりと輪郭表現が出来ましたが、今回はほとんどの場面で不鮮明になっていることをお断りいたします。赤い太陽表面の中で、金星の黒い点が時間と共に左から右に移動し、最後は右下の方へ移動していることが確認できています。私にとっての「世紀の天体ショウ」は終わりました。それにしても、終日雨降りでなくて良かったなあ・・でした。


観測史上わずか7回目 「金星の太陽面通過」・・・

6月6日に起こる「金星の太陽面通過」に備え、世界中の天文学者や天文ファンが準備を始めている。

金星の太陽面通過は、太陽と地球の間を金星が通るときに起こる。しかし、金星の公転面が地球の公転面に対して少し傾いているために地球と一直線に並ぶ機会は非常に珍しく、約100年に8年間隔をおいて2回起こる程度でしかない。前回の金星の太陽面通過は8年前の2004年、今回の次は105年後の2117年だ。つまり今回を見逃すと次は100年以上待たなければならない。

今回の現象は西太平洋と東アジア、東部オーストラリア、そして高緯度地域で目撃される。日本では、6月6日の朝7時10分ごろから13時47分まで全過程を見ることができる。平均的な視力なら、5月21日の日食で使った観察グラス(太陽の輪郭がぼやけないもの)を使って見ることができる。

日食の観察と同様、太陽観察用以外の一般的なサングラスなどは絶対に使わないこと。また金星の影はとても小さいので、木漏れ日などピンホール法での観察は難しいだろう。金星を探そうとするあまり日食以上に凝視しがちになるので、適度に目を休めることにもじゅうぶん注意したい。

現象が起こるしくみ・・・

金星は地球よりも太陽に近いところを回る惑星なので、地球と太陽の間に入り込むことがあります。地球、金星、太陽がこの順番で一直線になる状態を金星の「内合」と呼びます。ただし、金星の公転軌道は地球の公転軌道に対して3度以上傾いているので、内合のたびに地球から見て太陽面通過を起こすわけではありません。

金星の太陽面通過が起こるのは、金星が地球の軌道面を横切る位置にあって、なおかつ内合が起こるタイミングです。これはおよそ243年に4回しかありません。前回の太陽面通過は8年前の2004年6月でしたが、その前はさらに121年半さかのぼった1882年12月のことです。また、2012年6月の次は105年半後の2117年12月になってしまいます。

太陽面通過は、月が太陽の前を通ることで起こる日食とある意味似た天文現象です。ただし、金星の見かけの大きさは月に比べてはるかに小さい(およそ30分の1)ため、注意深く観察しなければまず気づくことはありません。


タイムテーブル・・・

近くの仙台市で見られる現象の時刻は以下のとおりです(国立天文台暦計算室のデータより)。
第1接触    7時10分36秒
第2接触    7時28分11秒
最小角距離 10時29分31秒
第3接触    3時30分06秒
第4接触    13時47分32秒    

(※アストロアーツHPより)



トップの画像は午前十一時二十分の様子で、雲が薄くなり一番良い条件の画像になりました。左端から見え始めた金星のシルエットが、中央よりも右側に移動しています。正確には日食なのですが、あまりにも小さな金星ですのですから太陽には変化がありません。


金星の太陽面通過 1 8:42・・・

雲の切れ目からやっと見ることが出来た状態です。

第二接触から一時間ほど経過しているので、左端に黒い点で金星が見えています。

厳密には、太陽の表面を金星が覆いますので日食と言えます。
金星の太陽面通過 2 10:16・・・

かなり中央に移動して来ました。うすくて不鮮明ですが金星が分かります。
金星の太陽面通過 3 10:21・・・

上の画像とほとんど変わりませんが、比較的はっきりと分かります。
金星の太陽面通過 4 11:20・・・

中央から右に移動しています。金星の位置がはっきりと分かります。

この後雲の移動が激しくなり、西からの雲の動きと、東からの台風の雲の動きが交叉し最悪でした。
金星の太陽面通過 5 11:31・・・

撮影後、雨降りになりました。仕方なく、庭先からカメラ等を撤去して撮影は断念です。
金星の太陽面通過 6 13:13・・・

お昼を過ぎ空を見ていたら、雲の切れ目があり日射しが戻りました。

三脚を使用せず、建物の壁にカメラを押しつけての撮影です。

二時間近く経過しているので、金星は右下の方まで移動していました。
金星の太陽面通過 7 13:26・・・

雲の移動があり、切れ目から何とか太陽が見えています。

かなり右下まで移動しています。不鮮明ながら、金星の存在が確認できました。
金星の太陽面通過 8

13:30・・・

雲が厚くなりなりましたが、間もなく太陽面から出ていく様子が分かります。

この後の撮影は、簡易遮光板利用の装置では
困難になり撮影終了です。


世紀のショウ、金星の太陽面通過・・・

過日の部分日食後に見られる天体ショウとして、六月六日の金星の太陽面通過を楽しみにしていました。しかし、朝起きてがっかりしたのは、厚い雲に覆われた東の空でした。雨こそ降ってはいませんが、台風による雲の移動が関東以北にがっちりとかかっています。これでは今日の観測は無理であり、外を見ながらの朝食でした。

今日の太陽は、完全に雲から出た状態にはなりませんでした。簡易遮光板で確認できる太陽でなければ撮影は出来ません。次回に見られるのは105年後になり、先頃の金環食よりも学術的に貴重な現象だと言います。嬉しかったのは雲の切れ目からの太陽が見られたことと、500円の簡易遮光板での撮影でも金星の位置移動が確認できたことです。少々首が痛いことなど気にしないで撮影していました。

金環食や部分食とは違い観察装置の工夫が必要ですが、皆さんは世紀の天体ショウをご覧になりましたか・・。