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       2007石鳥谷町・たろし滝(?)



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花巻市石鳥谷町にある「たろし滝」は、冬場の風物詩として人気のある場所になっています。「たろし」とは、当地方でつららのことを意味します。「たろし滝」とは、山間の谷川から流れ出た沢水が凍結し、巨大な「たろし(つらら)」の氷柱になり、あたかも滝のように見えることから付けられた愛称です。

当地方では、例年の行事として「たろし滝」の太さ(胴回り)を測定し、その年の米の出来高を予測してきました。太ければ太いほど農作物の出来高が良くなると言う事です。2月11日はたろし滝氷柱の測定の日です。2006年の測定では、根元付近の胴回りで5.52m(直径1.67m)ありました。

さて、今年の冬は近年にない暖冬であり、平地では雪のほとんど無い冬を迎えています。2月11日に例年通りの測定をしましたが、肝心の巨大な「たろし滝」の氷柱が作られず測定不能の結果に終わりました。過去にも測定不能と言うことが何回もありましたが、測定日前に氷柱が崩落して出来なかった事であり、今回のように氷柱が作られなくて測定不能という事にはなっていませんでした。

昨年現地に行ってみたことから、私も今年は無理だなあと思って訪れてはいませんでした。しかし、新聞報道を見ていたら、現地の様子が知りたくなり翌日の13日に現地を訪れてみました。その時の様子を画像にしてみました。昨年の様子はこちらからご覧になれます。


花巻市石鳥谷町の奥羽山脈側から流れ出る葛丸川は、深い谷間を作り葛丸渓流として愛されています。この渓流の山腹側に、厳寒期になるとたろし(つらら)滝と呼ばれる巨大な氷柱が出現します。県道13号線からおよそ5km程入ります。

途中の道路脇には、「たろし滝」と大きく書かれたのぼりがはためいています。滝の入り口付近にちょっとした駐車スペースがあり、ここに3台位は止められます。

滝へ行くにはこの標識の所から下におり、渓流に架けられた仮設の橋を渡ります。
たろし滝入り口の道路にて たろし滝入り口にある標識と、フェンスの切れ目から下に降りていきます。


葛丸渓流に架けられた仮橋ですここから更に奥に入ります。

 

「たろし滝」観察用に架けられている仮橋ですが、足場鋼管建設資材を使用した本格的な橋です。これを渡り対岸に出ます。

昨年とは違い、雪が極端に少ないのがお分かりだと思います。

上り坂ですが、雪が極端に少なく、つるつるに凍結しています。 昨年は雪が多く、ロープに掴まりやっとの思いで坂を登りました。コースを外すと、すぼーっと長靴がめり込みました。掴まるロープが雪に埋もれていたくらいです。

今年は歩きやすいのは良かったのですが、斜面が凍結しつるつるになっているのには参りました。
やっとたろし滝が見えてきました。本来ならば、ここから巨大な氷柱が見えてくるのですが、ありません。 坂道を上りきった辺りから、通路が山側の斜面に入ります。カメラを持っていたので、両手が使えなくて凍結道路が怖くなり、右端に見える谷の中を登りました。足場が良くないのですが、一歩一歩岩場を確実に歩けるからです。

やっぱりたろし滝の巨大な氷柱はありません。


たろし滝(?)の正面から見上げた様子です。氷柱はありません。 滝(?)の正面から見た全景です。左側についたたろし(つらら)が5m位、中央の黒くなった部分は水が流れ落ちています。

例年ですと、ここに巨大なたろし(つらら)が生じ、凍結しながら下へ下へと伸びてきて地面に届きます。地面に届いたたろし(つらら)は、周りを流れ落ちる沢水により更に太く凍結していきます。

こうやって巨大な「たろし滝」になるのですが、今年はその痕跡すらありません。


左側のたろし(つらら)の様子です。上部から流れ落ちる沢水が、その場で凍結した様子がお分かりだと思います。目測ですが、長さ5〜6m、幅が2m位はあります。
例年巨大な氷柱のつく岩盤の場所ですが、今年は小さなたろしと沢水の流れでした。

本来ならば巨大な氷柱が出来る場所ですが、黒く見えているのは沢水がしみこみ流れ落ちているからです。無数の小さなたろしが下がっていますが、これから下まで成長するとは思われません。

中央部と右側の小さなたろです。 中央部と、右側のたろしの部分です。昨年の様子と比較すると、右側と中央部に生じたたろしが一体化し更に巨大になっていくのが分かります。

参考までにですが、この場所の気温は零度位でした。車の気温計での外部気温から・・。
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