宮古市・黒森神社に戻る


         宮古市黒森神社・古代杉



ウチノメ屋敷 レンズの目 自然の表情 暮らしの表情 ウチノメアーカイブス
岩手の鍾乳洞 ほっづぎある記 心のオアシス  

location:uchinome.jpトップ>心のオアシス神社仏閣アラカルト宮古市・黒森神社>宮古市黒森神社・古代杉

 サイトマップ


古い神社を訪れると、必ずと言うほど厳粛さと歴史を感じさせる巨木の姿を目にすることが出来ます。ここ黒森神社の後ろには巨大な杉の木がありました。境内から10分ほど山登りをすると、うっそとした杉の木立の中にそびえ立つ巨木の姿が目に入ります。題して御祖父杉と御祖母杉です。

最初の画像は、黒森山頂上への登山道にある御祖母杉です。境内にある解説板の説明によると、枯死の部分を入れると直系が5mを越える巨木になるようです。かろうじて中心部分が生きているようですが、推定年齢が三千年と言いますからすごいことになります。現場はすごく暗くて、撮影するのが大変なのでストロボを使いました。

黒森山・・・
黒森山は神奈備(かんなび)系神体山(低山・優美・分水嶺)、二千年前から閉伊全域の信仰の対象とされてきた山である。元文四年(1739)迄は文字通り黒森で、直径1m〜4mの巨杉巨松等が百数十本あった。義経・弁慶主従が黒森の滝で三年三月の行をした伝承もこのあたりから生まれたものであろう。

御祖母杉 1・・・周囲が暗くてよく分からないのです。 御祖母杉 2・・・周囲をぐるりと回ってみました。枯れた部分がありますが、その中からがっちりと伸びている部分があります。
御祖母杉 3・・・根回りがどの位あるのか不明ですが、かなり太いようでした。 御祖母杉 4・・・中央奥にある枯れ木が御祖父杉です。


御祖母杉を通り抜けると、上の方に更に巨大な枯れた杉の木が見えてきます。一月に来たときの画像ですが、比較のために同行した友人Nさんに立ってもらいました。Nさんの身体の大きさからその巨大さが想像できると思います。

御祖父杉・・・
御祖母杉よりも見た感じが巨大ですが、大正二年二月の山火事で焼けたとあり、内部が空洞になり焼けこげた部分が認められます。説明板によると、年齢確認の基準が1mm一年となっていました。枯れ木の空洞に入り内部を撮影しましたが、枯れた木の表面に焼けこげの跡が確認できます。根元の部分が半分ほど切り取られていますが、年齢等の調査のために切り取られたものです。内部の木質部は腐食して無くなり、表面の堅いキチン質の部分だが残っています。

太さと根回りの様子から、生きていればかなりの太さと高さになりそうです。もし現在迄生きていたとすると、有名な屋久島の杉にも匹敵しそうで残念でした。ここから更に登山すると黒森山の頂上(311m)まで行けましたが、体力と時間の関係で断念しました。
御祖父杉 1・・・根元から見上げた様子。 御祖父杉 2・・・比較のために側に立っていただいた友人Nさん、枯れ木と比べるとその巨大さが分かります。
御祖父杉 3・・・切り取られた部分を正面か見た様子。 調査のためにきれいに切り取られた根元の部分です。周囲には腐った根元の部分や、落ちてきた巨大な枝がありました。

火災で焼けてからも、一部分は最近まで生きていたのかなと思ったくらいでした。厳密には周囲にワイヤーが張られていて、内部には立ち入り禁止だったのかも知れません。しかし、ワイヤーを張る杙や御祖父杉の標識が朽ち果てていて、見に来た者にとって淋しい感じもします。
御祖父杉 4・・・のぞき込む友人Nさん 一月の舞立ちの時に撮影したものです。さすがに少し雪がありました。切り取られた部分は年齢調査のためとありました。ここだけ見ると、今にもここから折れそうにも思えます。
御祖父杉 5・・・残っている堅い部分は15センチ位はあったでしょうか。叩くとこんこんと堅い音がしました。 御祖父杉 6・・・上の方に残る焼けこげの跡。
今まで訪れた歴史のある神社には、必ずと言うほど杉の巨木があります。人々の信仰の対象として崇められてきていることを思うと、ここまで年月を刻み成長してきた巨木のエネルギーを感じます。

また、永遠の生命を希求する人々の願いの現れでもあります。長い時代を生きてきた巨木から、逞しく生きるエネルギーをもらいたいものです。
                  宮古市・黒森神社へ戻る →