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        稲瀬・我が家の正月飾り


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比較的新しいと思われる恵比寿様と大国様を並べてものから切り出しました。顔がかなり煤けていますが、表情等がはっきりと確認出来ます。
稲瀬・我が家の正月飾り・・・

しばらく身内に不幸が続き、我が家伝来の神棚は封印されていました。今年は喪が明けたことにより、三年ぶりに神棚飾りを大掃除しました。築120年程経過している母屋には、先祖が大切に保存し祀ってこられた神棚があります。間口一間ほどある神棚は天井下の高さにありますので、脚立を立てて慎重に作業をしなければなりません。

歴史を遡ると、享保年間に先祖(八郎兵エ衛)が創設していますので、およそ270年程経過してきた事になります。創家当時は現在地よりかなり北側に建てられていた様で、痕跡として家の周囲に設置された古い先祖の墓等30個ほどありました。農地の構造改善等で墓地も移動し現在の家の後ろに移動してまとめてあります。

我が家の神棚には、何時頃から祀られて来たか不明ですが、土人形の大黒様が二体、恵比寿様が一体飾られています。すっかり煤だらけになっており、今回初めて慎重に下におろし煤払いをしてみました。

今まで撮影する気にはならなかったのですが、今年はがっちりとマクロ撮影をしました。かなり煤がつき塗料も一緒に落ちていますので、あばたに見える部分もあります。別の一体は煤光りとでも言えますか、ストロボの光を受けてあたかも金属状に見えています。いつの時代に神棚に人形を祀ったのか、記録等が一切ありませんので知るよしもありません。家の中のいろりで火をたき、煙が天井に充満し神棚まで届いていたと思われます。

ここでは煤を取り払った三体の恵比寿様と大国様の様子を紹介してみます。トップの画像は、比較的新しいと思われる恵比寿様と大国様を並べたものから切り出しています。顔がかなり煤けていますが、表情等がはっきりと確認出来ます。


恵比寿・・・

恵比寿神七福神中、唯―純国産の神で、烏帽子に狩衣、釣り竿と魚籠を持ち、立派な鯛を抱えた姿で描かれる。古くは漁民の守護神だったが、後に商いの神に。大黒天と対で福の神として、庶民の信仰を集めた。ご利益は、主に大漁豊作、商売繁盛。


大黒天・・・

もともとは、マハーカーラと呼ばれるヒンドゥー教の神で、後に日本神話の大国主命と結びつき、福の神として信仰された。打ち出の小槌と大きな袋を持ち、米俵と白鼠を従えた姿で描かれる。ご利益は五穀豊穣、家産増進、子孫繁栄。

                                                           ※ネット資料から

                                                       2018.01.03 作成



全体構成として、恵比寿様の様子、大国様の様子(二体あります)、恵比寿大国の二体、いつの時代に見つけて置かれたものか、御神体と称している石の様子を紹介してみます。

恵比寿様 1 恵比寿様・・・

左脇に大きな鯛を抱えている定番中の姿です。海岸地区で見かける時は、漁業の神様・大量の神様として崇められ、催し等では必ずと言うほど舞われるものです。

内陸部では、商売繁盛の神様ですから言うこと無しの表現になります。

下の二コマの画像は、横顔と正面からの顔の切り出しです。かなり煤けていますが、笑顔が何とも言えない程愛嬌があります。
恵比寿様 2 恵比寿様 3
恵比寿様 4 全身像の撮影です。左脇に抱えているのが魚の鯛になります。


大国様 1 大国様・・・

上半身の切り出しですが、笑顔が何とも言えない表情になります。

右手に打ち出の小槌を持ち、左肩には大きな袋(この場合は福袋)をかついでいます。大きな袋を肩にかけ、そんな童謡が聞こえてくるようです。

下の画像の左側は、煤にまみれた大国様、右側は年季が入っていると思える黒光りする姿の大国様です。
大国様 2 大国様 3
大国様 4 大国様 5


仲良く並んだ恵比寿大国様 仲良く並んだ恵比寿大国様・・・

かなり煤がはがれ落ちていますが、顔の部分は真っ黒で表情にアクセントが付けられています。


我が家の神棚にある御神体
おわりに・・・

これって何ですかと言われそうですが、我が家の神棚にあったただの石ころ、見方を変えれば大国様に見えてくる石英の塊です。題して我が家の神棚にある不思議な御神体です。

私も幼い頃ですが、父親からそう言われて育ってきた一人です。 信じる者にはそう見えるから不思議なもので、毎年正月の神棚掃除と礼拝の時に拝んできました。かなり前までは外の御明神様の祠に置いていましたが、紛失するともったいないので家の神棚に置く様になりました。我が家(私)の宝物です。


年の初めにあたり、さりげない炉端の隅や神棚に置かれ、その屋の守り神として崇められてきた恵比寿大国の守り神を取り上げてみました。今でこそ家の改築等が進み、炉端のある家はほとんどないと言えます。私たちが幼い頃の農家にはどこ家にも炉端があり、側にはかまどがあり煮炊きしているのが普通でした。そんなことから、以前はどこの家でも見られたふるさと探訪と言うことでページを起こしてみました。

若い人達には疎遠になるかも知れませんが、どこの農家にもかまどがあり、大きな神棚があり、そこには煤けた守り神が私達を見守っていたことを分かって欲しいのです。
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