登録有形文化財について・・・
平成11年8月に文化財としての登録を受けた建物は、もともとは昭和5年に「県が力を入れる」という意味で名付けられた岩手県是製糸株式会社の高田工場として建てられた製糸工場でした。
当時の従業員のほとんどは、地元の若い女性達でしたが、その女工のための寄宿舎や食堂、浴室、洗濯室、作法見習いや裁縫のための休養室、売店、そして病院までが完備されておりました。また、所長をはじめ上級職員のための一戸建ての社宅も数棟用意され、職住一体の生産体制が布かれていたようです。
総面積7200坪の敷地に立ち並ぶ建物群のうち68%が現存し、特に門衛、事務室、食堂、蚕倉、休養室、診療所、所長宿舎などが比較的原型のまま残っております。
日本の産業の礎でもあった製糸産業の様子や、岩手県における近代産業の発展の歴史を次の世代に伝える建物でもあります。また、女工達のための施設の状況等から、女性の労働史を知る上においても重要な遺産となっております。(※入り口看板から転記)
最後の画像は、期間限定の量り売りコーナーの様子と、咲き誇る桜と椿の画像で締めくくります。ご存知のように、酔仙酒造工場は昨年の大津波で完全に破壊されてしまいました。5月11日に現場の道路を通過していますが、仕込み用の巨大なタンクが数個転がっていたのを覚えています。 |