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     大船渡湾口防波堤工事・ケーソン移動


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ケーソンを吊り上げるために移動してくる巨大クレーン船。
大船渡湾口防波堤工事・ケーソン移動・・・

千厩町のひな祭りを見た帰り、しばらく訪れていなかった陸前高田・大船渡市の様子を撮影するため、一路海岸まで走りました。目的は二つあり、一つは陸前高田市の埋め立て土砂運搬の吊り橋、もう一つは湾口防波堤工事で使用される巨大ケーソンの撮影がありました。

陸前高田市の土砂運搬吊り橋を車窓から眺め、R45号を北上し大船渡市野々田埠頭まで走りました。大型のクレーン船は、対岸の赤崎地区に近い方に停泊しています。停泊しているはずなのに、どこからとなく力強いエンジン音が聞こえてきます。

何だろうと思いよく見たら、クレーン船の両側にダグボートがつき、牛歩のごとしですがじわじわこちら側に来るではありませんか。思わずラッキーの歓声が上がりました。かなりの時間(一時間以上)が経過しましたが、野々田埠頭に置いてあるケーソン真上まで来るのを待ちました。


トップの画像は、初めて見るケーソン運搬のクレー船です。微々たる動きでしたが、確実に埠頭を目指して接岸体制に入っていました。この記録は時間をかけてのクレー船船の動きと、クレーンが吊す金具の動きの紹介です。



移動するクレーン船 1 14:02 湾内で見たクレーン船・・・

クレーン船(浮きクレーン、フローティング・クレーン)、または起重機船は重い物をつり上げて移動させるために特化した船。移動式クレーンおよび海上起重機の一種。

船にクレーンを搭載した物が一般的。また、クレーンが旋回型のものと、旋回できないものがある。

                     (※ウイキペディアより)


対岸の赤崎町方向に停泊していたと思いましたが、よく見ていたらじわりじわりと動いて埠頭側に移動してきます。

移動するクレーン船 2

2013年10月20日、釜石港に津波で打ち上がられたアジアシンフォニーを吊り上げ、海に戻したクレーン船は洋翔寄神建設4,000トンでした。

今回のケーソン吊り上げは、海翔寄神建設4,000トンであり、日本で最大級のクレーン船のようです。釜石港で見たクレーン船洋翔は支柱がパイプであり、船体が新しかったと思います。

移動するクレーン船 3/・・クレーン船を押すタグボート。 タグボート・・・

タグボートは、船舶や水上構造物を押したり引いたりするための船。引船、曳船、あるいは押船と言う。青函連絡船では補助汽船と呼ばれた。

サイズはさまざまあり、港湾で船舶が岸壁・桟橋に着岸・離岸するのを補助したり、河川や運河で艀(はしけ)などを動かしたりするために使われる数十トン級の小型のものから、外洋で海難救助などの作業に従事したり、大型プラントを海上輸送するために使われる数千トン級の大型のものまで幅広い。      (※ウイキペディアより)

移動するクレーン船 4・・・岸壁で待機するタグボート。 移動するクレーン船 5・・・両側にタグボートが着き押しています。
移動するクレーン船 6

ケーソン吊り金具とでも言うのでしょうか、設置されているケーソンの真上にすっぽりと入る様に設計されています。

吊り金具の一面には十本のフックのついた太いロープが組み込まれ、それが四面にあるので全体で四十本のロープで吊り上げられることになります。



野々田埠頭のケーソン 1 野々田埠頭のケーソン・・・

ケーソンとは、防波堤などの水中構造物として使用され、あるいは地下構造物を構築する際に用いられるコンクリート製又は鋼製の大型の箱のことである。

新聞資料によると、今回の大船渡湾口に使用されるケーソンは、高さ17m、長さ20m、幅21.6mあり、本体となる重量は3500トンあるという。

埠頭には
三基のケーソンが置かれていますが、どうやらこの場所で組み立てられていたようです。これから組み立てられるのでしょうか、土台になる部分がきれいに整地されていました。
野々田埠頭のケーソン 2 野々田埠頭のケーソン 3
海岸に置かれてあるケーソン三基。 湾口へのケーソン設置は、2013年5月に始まりすでに6函設置していると言います。3月末までには4函のケーソンが設置される予定とのこと。

野々田埠頭で造られたケーソンは、対岸赤崎等の海岸に置かれ、本格的にはクレーン船で吊り上げたまま湾口まで移動し、この場所に固定されると言います。


移動するクレーン船 7 14:20 ゆっくりと接岸するクレー船・・・

タグボートに押され埠頭岸壁に接岸しますが、吊り金具が真上に位置するまでゆっくりと移動します。クレーン船の動きを見ていると、間近まではタグボーに押されていますが、最後の位置微調整の時は船体からワイヤーを岸壁堤防に渡しウインチで牽いています。
移動するクレーン船 8 移動するクレーン船 9
移動するクレーン船 10 真上に来た所で船体が固定され次の段階に進みます。それにしても、巨大なケーソン上に吊り金具をぴたりと移動させるのですから凄いものです。

ケーソンに作業員が移動する 1 14:43 ケーソンに登る作業員・・・

ケーソン左側に高所作業車が止まり、作業台には四名の作業員が乗っています。そのまま16mの高さまで台車が持ち上げられ固定されます。
ケーソンに作業員が移動する 2 ケーソンに作業員が移動する 3
ケーソンに作業員が移動する 4 台車は地上16mまでリフトアップされ、この位置からケーソン上に移動します。見ているとさほど怖くない様に思えますが、四人の作業員も台車上に偏らない様に位置し細心の注意を払っていることが分かります。
ケーソンに作業員が移動する 5 ケーソンに作業員が移動する 6
ケーソンに作業員が移動する 7 14:54 二回目の作業員が登る

高所作業クレーンで二回目の作業員六名が移動します。地上17mですから持ち上げられる作業員も大変です。六名の作業員がケーソン上に置かれた金具に移動し、40個のフックを固定します。

吊り上げロープをケーソンに固定 1 15:08吊上げロープをケーソンに固定

17m上での作業であり、詳しい様子は分かりません。あくまでも画像を見て書いていることをお断りします。

吊り上げワイヤーの先端にぶら下がっていた大型フック、沖合にある時は上の方にありました。しかし、埠頭との距離が縮まる頃にはどんどん下がり、下段金具に隠れて見えなくなります。

大きなフックを作業員が抱える様にし、ケーソンに埋め込まれている金具にはめ込みピンで固定していきます。
吊り上げロープをケーソンに固定 2 吊り上げロープをケーソンに固定 3
吊り上げロープをケーソンに固定 4
新しく造られたケーソンが三基並んでいます。右側からH24NO6、7、8港内側の文字が見えています。

驚いたことは、吊り金具とケーソンの固定場所がぴったりときまっていることでした。ケーソンを吊り上げるワイヤーの太さ、フックの大きさ等々、3500トンを吊り上げるのですから凄いなあの一語です。

吊り金具で固定されたケーソンは、その後クレーンで吊り上げられ対岸の架設置き場まで移動するのでしょうか。かなりの時間がかかりそうなので、今回はこの時点で撮影は中断です。

15:15に現場を離れました。


吊り上げロープをケーソンに固定 5 吊り上げロープをケーソンに固定 6
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