2010陸中山田大杉神社・神輿海上渡御に戻る

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中継船に乗せられた神輿 9:41・・・

ロープの張ってあるところに二隻の船外機付きのボートが結ばれ、船の上には杉の丸太を並べて台になっています。神輿を担いできた男達は中継線に神輿を乗せ、沖合に停泊している御座船(昭栄丸)まで運びます。
陸に戻る神輿を担いできた男達 神輿をここまでかついできた多くの男達も陸上に戻り、海上渡御が終わりになります。
男達がロープを引いて接近していきます。 9:43・・・

今回船から見て分かったのですが、御座船と三本のロープでつながれ中継船を、四人の男達がロープを引いて接近していきます。

説明している観光協会の方も、この場面は船からでないと絶対に見ることが出来ないので、船に乗った人だけですよ。これで1000円は安いですよ・・と強調していました。私も含めて周囲の皆さんは「あはは・・」となりました。
御座船と中継船 御座船に着いた中継船

神輿を御座船に乗せる 1 9:44・・・

男達が綱を引き中継線は御座船に近づき、神輿は船体中央部に安置されます。船首の部分では太神楽でおなじみの手平鉦が鳴り響き盛り上がっています。
神輿を御座船に乗せる 2 神輿を御座船に乗せる 3・・・積み終わった中継船に男達が居ます。
中継船から陸に向かって泳ぐ男達。 うーんと思ったのは中継線に残った男達でした。男達は揃って海に入り70m程を泳いで陸に向かっています。さすがは海の男達だなあと感心してしまいました。

9:47・・・

湾口の明神崎神社までの曳舟が始まった。かなり以前は実際に船をロープでつなぎ、神輿の乗った御座船をかなりの船が曳いていました。

今は参加する船も少なく、湾内には養殖施設等が無数に浮いているのでそれぞれが自力で走ることになります。今回も5隻ぐらいと思いました。
曳舟出航準備完了の御座船
曳舟「定一丸」が動き出しました。 続いて第八昭栄丸も梶を左に切り沖合に向かいます。


10:22頃・・・

濃霧と降雨でしたが、クルージングで湾口の明神崎にある「大明神」と書かれた神社を全員で拝み、陸中丸はさらに外洋に出てみました。しかし外洋になるので波の影響で船のローリングが大きくなりました。デッキ上では何かに掴まらないと立っては居られなくなりました。

側にいた女性は掴まって気分が悪そうです。「薬を飲んできたけどね・・」と笑っていますが、表情がさえませんでした。この揺れですから仕方の無いことです。せっかく来た外洋ですが悪天候で展望はほとんど無く、かすかにトドが崎が見えたくらいで戻りました。

湾内に戻ると、先程とは違い滑るように船が進みます。雨が降っては居ましたが、小島の側を通りオランダ島をぐるりと廻って岸壁に戻りました。8時前に乗船し3時間ほどのクルージングでしたが、濃霧と降雨がなければ快適だったと思われます。

私としては、船に乗って海上からの神輿渡御の撮影は良かったなあと思いました。3mの高さから俯瞰した、海に生きる逞しい表情の男達・・、漁業に生きる男達に幸あれと祈念します。


明神崎・・・

明神崎は山田湾口に位置し、岬の先端には、赤い明神鳥居が建てられている。その後方には、白い灯台がある。この辺りは、天ヶ森(てんがもり)を中心に沖松島、明神崎と南部赤松の群生が見られる。さまざまな形をした赤松は、船で釣りを楽しむ人の目を楽しませてくれる。

かつて岬周辺では、夏場になると「幻の絵画」蜃気楼が現れたことがあり、当時漁師の間では有名だった。 「水平線を通る船がかげろうのように浮いて、しかも十倍から二十倍に拡大されて見える。沖で操業するサッパ船もはっきり見えるという。山田では、これを『浜がまわる』と呼んだ。」 とその当時の様子を熱く語る古老も今は少なくなった。

明神崎は沖へ出漁する船を最後に見送り、帰航する船を最初に迎え続けてきた。漁から帰った人々は、この岬、灯台の灯を見てほっとすると言う。まして大漁ならば、それは大きな喜びに変わることだろう。

(※山田観光協会HPより)

明神崎「大明神」の幟が見えます。 明神崎・・・

山田湾口に位置し、岬の先には赤い鳥居が建てられ、岩にはしめ縄が飾られています。沖へ出漁する船はここで安全祈願し、出漁するそうです。

外洋に出て戻るとき見たら、大明神の幟が外されて何もありませんでした。
少し沖合にある灯台 神社の少し沖側にある灯台です。

デッキ上の乗船客の皆さん、悪天候で展望がききませんので椅子に座っていました。その他のお客さんは、一階や二階の椅子席に座って休んでいたようです。

画像としては紹介いたしませんが、曳舟と同行して海上保安庁の監視船が動いていました。ガイドさんの説明をお聞きしてなるほどなとなりました。

海上で動く漁船やレジャーボートに乗船する場合は、救命ジャケットの着用が義務づけられています。私達は観光船ですから着用は義務づけられない・・とのことでした。
外を眺めるデッキのお客さん 1 外を眺めるデッキのお客さん 2

五年前にもお会いした山田中学校当時の生徒であったT・Sさん、今回もまた元気な姿にお会いしました。「定年まであと少し・・」と笑っておられましたが、役場の中を巡り巡ってまたこの係になりましたとのこと。大沢地区出身で生粋の山田っ子の彼は、山田町観光課に属し元気な姿で乗船客に山田湾やオランダ島について紹介してくれました。


山田湾・・・

山田湾は、周囲20kmのほぼ円形で、その穏やかな円鏡を思わせる海面により海の十和田湖と称されている。その中に浮かぶ白い岩肌に松の緑が鮮やかなオランダ島(山田大島)と小島。その間に干潮となると現れる中州は、まるで箱庭を思わせる。

最近では、リアス式海岸を代表する波穏やかな山田湾は、シーカヤックの隠れたメッカとして愛好者注目の場所であり、たびたび波間にに浮かぶシーカヤックを見かける。上級者は船越半島の荒々しい変化に富んだ海岸美を堪能し、初心者は箱庭風景の山田湾を楽しんでいる。

この素晴らしい青い湾は、私達に多くの恩恵を与え続けている。カキ・ホタテに代表される養殖事業やウニ、アワビ漁は本町の活力源であり観光資源でもある。カキ・ホタテの養殖いかだは約4,500台(延縄式も含む)あり、山田湾から揚がる生産額は、ピーク時には年間86億円もあったが、現在は半分以下の35億円前後となっている。

また、癒しの景観として私達を優しく包んでくれる「母なる海」であり、この豊かな自然の恵みを大切にし、後生につないでいかなければならない。 (※海上渡御見物と山田湾クルーズ2010より)


天気が良かったらなあと悔やまれましたが、船からの神輿見学と撮影は感動的だったなあと思いました。今まで見てきた水しぶきを上げて走る男達の表情も迫力がありましたが、今回は海上に出てからの生き生きとした表情等を見て撮影できたことに満足しています。また機会があれば訪れて見たいものです。

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