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最上段での演技・・・

最初にも説明しましたが、一回の奉納舞では虎舞が二頭の入れ違いで舞われます。ここでは区別をつけずに気に入った画像を組み合わせてあります。ここで紹介する最上段での奉納舞は、二番手の皆さんによるものです。


画像からお分かりのように、虎頭の方は尾役の方に首乗りしている姿勢になります。最初に両足首段に引っかけて体を大きく後ろに反らします。
最上段での演技 1・・・威厳のある表情の虎です。
最上段での演技 2・・・虎頭の姿勢が低くなってきました。 最上段での演技 3・・・足で体を支えているのは完全に首乗り状態です。
最上段での演技 4・・・前に倒れるためには体の向きを変えなくてはなりません。 ここからは私の予想になりますが、衣の中で虎頭の方が体の向きを入れ違えて後ろ向きになると思われます。最上段に膝の内側を掛けて、両足は支えになる尾役の方の脇の下でがっちりと固定されると思われます。

最初は首に両足を組んで支えるのかなと思いましたが、後ろ向きに大きく上体を反らす動作には無理があるなと思ったからでした。

後ろ向きの姿勢で何度も梯子に反り返るためには、熟練技でえあると同時に、二人の呼吸がぴたりと合わないと出来ない演技になります。毎回見ながら、衣の中でどのような動きをしているのかが最大関心事でした。

画像数が多いですし、勝手な思いこみで書いて居ることをお許し下さい。
最上段での演技 5・・・赤い腹の部分は背中の部分で、後ろ向きに体を反らしています。 最上段での演技 6・・・完全に下向きになり梯子にぶつかります。
最上段での演技 7・・・腹筋運動の要領で元に大きく戻ります。 最上段での演技 8・・・上体が反り上がりました。
最上段での演技 9・・・また後ろに体を反らし虎頭を左右に振ります。 最上段での演技 10
最上段での演技 11・・・何回か同じ動作をくり返しもとの姿勢に戻ります。 最上段での演技 12・・・ここで登ってきた上体の姿勢に戻します。

梯子から降りる・・・

五分間ほどの頂上での演技が終了すると下に降りますが、そのままの位置関係で降りてくるのではなく、虎頭と尾役の方が体の位置を入れ替えます。

虎頭は登るときと同様に、梯子に立つのも足だけで体を支えています。前回のページでも書きましたが、登るときより降りるのが大変であり細心の注意が必要です。

画像から判断すると、尾役の方は梯子の左側により虎頭の通路を確保しています。長い衣をかぶった状態での動作ですから、大変だなあと改めて思わされました。
梯子から降りる 1・・・虎頭の足が二段目に見えています。これから降りるために上下の位置を入れ替えます。
梯子から降りる 2・・・虎頭が降りてきました。 梯子から降りる 3・・・更に降ります。
梯子から降りる 4・・・同じ場所でのすれ違いで位置を交換。 梯子から降りる 5・・・これで入れ違えが完了です。
すれ違い 1・・・最下段にいる才坊の場所ですれ違いが行われます。 一番手と二番手のすれ違い・・・

一番手の頂上演技が終了すると降りてきますが、途中で登ってきた二番手とすれ違うことになります。狭い梯子の上ですれ違いますので、細心の注意が必要になります。


すれ違い 2・・・どんどん迫ってきました。 すれ違い 3・・・二頭の虎が同じ位置にありますが、左側は段の間から見えています。
すれ違い 4・・・すれ違いが終わった二頭の虎、二頭とも同じ方向を見ていました。 すれ違い 5・・・上に行ってくるからなとでも話している雰囲気です。
梯子から地上へ・・・

ここからは、梯子から降りた一番手の様子を追ってみました。梯子から降りた一番手の二人は、下で待っている組頭に虎頭を手渡しします。

演技の最中は体が衣の中にありますので、最高に緊張し汗をかくと思われます。画像からは分かりませんが、汗びっしよりの素顔でした。

虎頭を受け取った組頭のにこやかな表情が、「ご苦労様でした・よく頑張ったなあ・・」と言う言外の気持ちを表していると思われます。

今まで何回か梯子虎舞を見て来た私も、この場面の撮影は初めてのことですから、記事を書きながら改めて思いました。最後に最初の場所に虎頭を安置し終了です。


頭咬み祈祷・・・

神楽の最後の演目で、必ず舞われるのが権現舞です。そして、会場内の人々の間を歩き、権現様で頭を咬む動作をします。頭咬みの場面は、自分の側に廻ってこない限り無理ですからそんなに機会がありません。私も偶然でしたが、黒森神楽の権現様に咬んでもらったことがあります。

一回目の奉納演技が終了し、次のアトラクションの手踊りが始まる前のことです。漁港広場の奥の方で、地元のお年寄りの皆さんが椅子に座って見ておられました。才坊姿の方と虎舞の方が二人、お年寄りの方へ寄っていきました。
頭咬み祈祷 1・・・才坊と虎舞の男性がやって来ました。
頭咬み祈祷 2・・・手を合わせて拝む男性に虎頭に近づけます。 かなり距離が離れていましたので、早速望遠レンズでのぞいて撮影してみました。

虎頭が頭咬みをするとは知りませんから、見ていて嬉しくなりました。頭咬み(実際は頭の上に近づける)を受ける方々は、手を合わせて虎頭を拝み礼をします。若い男性から見たら、祖父母に当たる年代と見ました。
頭咬み祈祷 3 頭咬み祈祷 4・・・ご夫婦の頭に近づけます。
頭咬み祈祷 5 地元の長老の方ですと、若い頃にこの梯子虎舞を舞ったのかも知れません。そんな想いを長老の方々の昔の姿に重ねると、地域に脈々と引き継がれている虎舞の歴史、鶴樹神社との関わりが浮かんできます。

郷土芸能の歴史を重んじ、伝統技を子々孫々に伝えていくのは地域の重要課題でもあります。ここ、根岬地区に伝えられている梯子虎舞を見ていて嬉しくなりました。
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