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                >米寿の皆さんとの稲刈り作業>その2

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刈り取りの様子から・・・

刈り取りの注意を具体的に教えられ、子ども達はどのような感じを持ったのでしょうか・・。「絶対に手を刈らないこと」 「マイクを持つように小指を立てないこと」等々をがっちりと頭に入れて、いよいよ田んぼに出て刈り取り作業が始まりました。

ここからは刈り取り作業の様子、稲束の丸き方(結束)の様子、杭に掛けて「穂にお」をつくる様子を紹介いたします。

実行委員の皆さん・・・

子ども達に先駆けて、実行委員の皆さんが田んぼに入り手際よく刈り取りが始まりました。左手に持っているものは藁束で、刈り取った稲の束を丸く(結束)ために使います。

さすがは手慣れた現役の方々です。畦道を歩き、子ども達が刈りやすいように田んぼへの進入路を造ります。稲が右から左の方へと倒伏していますので、右側から刈っていきます。
実行委員の刈り取り作業 1
実行委員の刈り取り作業 2 実行委員の刈り取り作業 3

子ども達の刈り取り 1・・・一列になって倒伏の比較的少ない方へ移動します。 子ども達の刈り取り・・・

実行委員の皆さんが田んぼの右側を歩きやすいようにかって下さいました。子ども達も完全武装で稲刈りスタイルが身に付いています。長靴と軍手、一人ひとりが鎌を持っています。

稲刈り鎌は普通の草刈り鎌とは違い、刃の部分にのこぎり状の切り込みがついています。ですから間違って手を切ると、ナイフで切ったのと違い傷口が複雑に切れてしまいます。

稲株の根元をがっちりと握り、注意して切り取っていました。
子ども達の刈り取り 2・・・さあて頑張るぞーの声が聞こえそうです。 子ども達の刈り取り 3
子ども達の刈り取り 4・・・刈ったぞー、どこに置けばいいの。 子ども達の刈り取り 5・・・手慣れた手つきに見えますが。
子ども達の刈り取り 6・・・がっちり掴んで刈り取りました。 子ども達の刈り取り 7・・・うーん、なかなか切れないなあ。
子ども達の刈り取り 8・・・やっと終わりそうだ、みんなはまだだなあ。 切り取った稲株は、五株を一束にするので同じ場所に揃えて重ねていきます。何株か刈り取る内になれてきて、上手に手際よくやっていました。しかし、刈り取りの技量に差があるようで、早く刈り取った子どもの位置が違ってきます。

手前の子どもは一番早く刈り上げたようです。

米寿の皆さんの刈り取り・・・

四人の方々の刈り取りをまとめてみました。男性の方お二人はすぐ分かりましたが、女性の方が同じスタイルであることと、下を向いたいるので区別がつかずに少々大変でした。画像を見ながら選んだポイントは手袋の色でした。

八十八才の高齢の方ですから、刈り取るときの姿勢が気の毒なくらい腰が曲がります。しかし、子ども達はしゃがみ込んで刈り取るのですが、さすがは若い頃現役の方ばかりです。どなたもしゃがみ込んでの刈り取りはありません、

下の画像は男性お二人の刈り取りです。最初の方は、まだまだ若い者には負けないよと言う意気込みが感じられますし、もう一人の方は小学生の子ども達(お孫さんか、曾孫にあたる)と会話しながらの様子に、良い雰囲気だなあと感じながら撮影しました。最後の画像はローアングルで撮影しましたが、「ミレーの落ち穂拾い」を思わせる様な雰囲気でした。
米寿の男性 1・・・慣れた手つきで刈り取ります。 米寿の男性 2・・・対照的な二人です。
米寿の男性 3・・・どんなお話をしているのでしょうか。 米寿の男性 4・・・絵になりそうな光景です。
ここからの画像は女性の方々の様子です。見ていて気の毒になるほど腰を曲げていますが、手際よく刈り取っていきます。本当に「昔とった杵柄」の例えがぴったしの場面です。 米寿の女性 1
米寿の女性 2 米寿の女性 3
見ていて心が温まる場面です。「ほら、こうやってやるの」そんな会話が聞こえてきます。本当に元気印のおばあちゃん達でした。 米寿の女性 4・・・ほらこうやって持つの、楽しそうな語らいが聞こえそうです。
米寿の女性 5 米寿の女性 6・・・ひょいと刈り取った稲を持ち上がる仕草に見とれました。


稲束の丸め方(結束)・・・

最初の注意にもありましたが、丸き方(結束)なれないと大変ですとありました。私も側まで行き子ども達に教えている様子を撮影してみました。手の持ち方や構え方、結束方法の細かな注意がありました。

このまま真っ直ぐ下に降ろします。丸きます。上げたらば左さ倒し、目の前でぐるりと回すように。
絶対に手を替えないの、手を替えては出来ません。

落ち穂はもったいないから、終わったら必ず拾うの。

文章で書けば簡単ですが、実際に重い稲束を手にしての丸き方は大変なようでした。かく言う私も、この作業はやったことがありません。子ども達にも貴重な体験だったと思われますね・・。

子ども達の丸く場所は、かなり中央に近いところですし、根元が揃っていません。「丸ったら根元を叩いて揃えて」とぱんぱんと叩いて見せています。

指導されている子どもの表情が気に入りました。
稲束を丸く 1
稲束を丸く 2・・・ここはこのように持って。 稲束を丸く 3・・・ぱんぱんと叩いて揃えます。ふーんといった表情ですね。
子ども達に負けてはいられません。副校長先生も必死になって教えられて、丸き方をやっていました。 頑張る副校長先生 1
頑張る副校長先生 2 頑張る副校長先生 3
ここからは細かい手順の指示を聞きながら撮影したものです。

最初は束ねる藁の持ち方です。
稲束を丸く 4・・・わらをこう持ってね。
稲束を丸く 5・・・真っ直ぐ下に降ろし丸きます。 真っ直ぐ下に降ろし丸きます。
稲束を丸く 5・・・丸ったら上にあげます。 上にあげます。
稲束を丸く 6・・・左さ倒して。

上げたらば左さ倒し、目の前でぐるりと回すように。

絶対に手を替えないの、手を替えては出来ません。


稲束を丸く 7・・・目の前でぐるりと回すようにして束ねます。 稲束を丸く 8・・・絶対に手を替えないの、手を替えては出来ません。


杭にかける・・・

田んぼには杭が立てられ、刈り取って束ねられた稲は杭にかけて乾燥させます。乾燥の方法はいろいろあるようですが、ここでは一本の杭に交互に稲束を乗せて「穂にお(当地ではほんにょと言います)」を作ります。知人からお聞きした話では、一本の杭にはおおむね50束の稲をかけると言います。

「穂にお」に掛けて乾燥させるほかに、杭を長い棚状に組んで乾燥させる場面も見られます。この方法をここら辺では「はせかけ」とも言うようです。しかし「穂にお」も「はせかけ」もこの頃ではあまり見られなくなってきました。

現代の農作業では、刈り取り作業はほとんどコンバインで行われています。家の後ろでは六条刈りの巨大なマシンでやっていますが、見る間に刈り取られていく様子にみとれてしまいます。コンバインの後ろから小さく刻まれた稲藁が落ちていきます。家の後ろには「ヒトメボレ」の種子センターがあり、刈り取られた籾は貯蔵庫に入れられます。

田んぼに立てられた杭には、適当な高さの所に横木が二本くくり付けられています。ここに稲束が順序よく乗せられていきます。この乗せ方が悪いと、積み重なった稲束の重みで簡単に崩れてしまいます。

現役の大人の方に指導され、子ども達は稲束を運び乗せていきます。やがてどんどん高くなっていきますね。

 

杭に掛ける 1・・・子ども達は運び方です。
杭に掛ける 2・・・ひょいと見たら腰に鎌が挟まれています。ちょっと怖いなあと思いました。 杭に掛ける 3・・・こうやって乗せて、そんな会話が聞こえそうです。
杭に掛ける 4 杭に掛ける 5・・・だいぶ高くなってきました。
高くなると、子ども達ではそれ以上積まれなくなります。最後の仕上げは大人の人にやってもらいます。その際、崩れ落ちないように、上にのせる稲束は半分に割って杭を挟むようにして乗せます。 杭に掛ける 6・・・子ども達の背丈を超えました。
杭に掛ける 7・・・よいしょっと、そんなかけ声が聞こえてきそうです。 杭に掛ける 8・・・掛ける稲束は半分に分けられ掛けられます。
ずらりと並んだ穂におです 刈り取りが始まって二時間ちょっと、広かった田んぼの稲はきれいに刈り取られ、杭に掛かられて天日乾燥になります。

収穫祭に併せてこの場で脱穀が行われ、籾になった米は精米されて皆さんの口にはいることになります。
たった三本の苗が生長しこんなに太く大きくなる事に驚きます。 のどかな刈り取り後の田んぼの様子です。右側に見えているのは「金札米のヒトメボレ」です。整然と見える刈り取り後の稲株が見事でした。

田植えの時に、「苗は三本ですよ、多くても少なくてもだめですよ」と指導されていました。三本の苗が生長するに従いどんどん分けつし茎の数が増えていきます。
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