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         2013八幡平市・平笠裸参り


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雄大な岩手山を背景(裾野がうっすらとしか見えませんが)にたんぼ道を進む平笠裸参りの皆さん。

厳冬期の風物詩とも言える裸参り、岩手の各地から話題が聞かれるこの頃です。ここ八幡平市でも、三百年以上も続けられている平笠地区裸参りが開催され訪れてきました。平笠裸参りは知ってはいましたが、訪れるのは今回が初めてのことです。東北道を利用すると一時間半ほどの距離にあり、大好きな八幡平の入り口、そして、この頃欠かさず訪れている「上坊牧野一本サクラ」の入り口でもあります。

しかし、初めて訪れる場所でもあり現地の様子が分かりません。八幡平市HPガイドを利用し出発地になる宮田神社まで一走りです。家を出たのは六時半、雪道で気温がマイナス八度ありがっちりと冷え込んでいました。西根インターから下りてしばらく走り、岩手山焼け走り入り口に宮田神社がありました。肝心の岩手山は雲の中にあり、裾野がやっと分かる程度です。積雪は江刺より少ないのですが、道路は圧雪凍結路のつるつるなので細心の注意が必要でした。


平笠裸参り・・・

毎年1月8日に行われ、無病息災、交通安全、五穀豊穣、商売繁盛を祈願して、宮田神社から八坂神社までおよそ8kmの道のりを、神官を先頭に、ほら貝、のぼり旗、お賽銭、燭台、お供え、お神酒、三本立、ワラジ、俵、験竿、鈴の順番にそれぞれを携えて練り歩く八幡平市平笠地区にて毎年開催されている伝統行事です。女性が主体的に参加するこの裸参りは全国でも珍しいと言われています。

江戸時代中期(1700年代)岩手山噴火の沈静化を祈願するため、男性だけで行われたのが始まりと伝えられており、その後、戦争に出兵した夫や息子の武運長久を祈願して、留守を守る女性により、裸参りが行われたそうです。この流れを受けて、現在も女性が参加していることが、平笠裸参りの大きな特徴です。

●出発式  8:30〜9:00(宮田神社)
●練り歩き 9:00〜13:30
  『宮田神社→平笠小学校→東慈寺→田頭公民館→森医院→フーガの広場→八坂神社』

                                                         (※八幡平市HPから)


裸参り行列は、宮田神社で出発儀式を行った後、神社から出て周辺集落を回り一旦神社に戻ります。その後、改めて宮田神社から出発し大更地区八坂神社まで歩きます。私が撮影したのは宮田神社での様子と、雄大な岩手山を背景にたんぼ道を歩く場面だけです。雪道の長丁場でもあることから、追いかけ撮影はしませんし終点の八坂神社での様子も撮影していません。

トップの画像は、雄大な岩手山を背景に進む平笠裸参りの皆さんです。この場面は小中学生の皆さんの行列場面になります。あいにくの空模様で、岩手山が麓しか見えていないのが残念でした。


宮田神社 1 8:08 宮田神社・・・

焼け走り方面への交差点、今まで何度も走っていますがこの場所に神社があることに気がつきません。見つけられないので、通行中の老人にお聞きしたら「そこだよ。私も今行くところなの・・」とのことでした。

神社は見つけたのですが駐車場所がありません。交差点付近にゴミ集積所があり、テレビ報道の方の車が置かれてありました。隣に止めて諸々の準備をしていたら、次々に車が入って来られました。
宮田神社 2 交差点の片隅に鎮座する宮田神社、北と南に入り口の赤い鳥居があります。正式な入り口は南鳥居の方で、赤鳥居の前に石造りの鳥居があり扁額が掲げられています。

境内には暖をとるための薪に火が入り、勢いよく燃えていました。しばらくしてから、境内周辺を歩いてみました。宮田神社と刻まれた大きな石碑が目に入ります。

神社正面には相撲場と思われる土俵があり、雪の下に埋まっていました。
宮田神社 3 宮田神社 4
宮田神社 5 境内を北の方に進むと赤鳥居があり、狛犬の姿も見られます。南口に見られた石造りの鳥居はなく、もちろん扁額等もありません。
宮田神社 6 出発式まで時間があり、地元の方々が焚き火の回りに集まってこられました。お互い顔見知りの方々であり、色んな会話が飛び出します。

面白かったのは、八幡平市長さんです。「・・裸参りさ新入職員を参加させるか・・」、それを聞いていた交通指導員の方が「・・そんなことしたら誰も職員にならないよ・・」アハハとなって大笑い。

テレビ局等では新入職員を参加させていますから、考えられないことではないなと思ったらおかしくなりました。

行列入場 1 8:48 行列が入ってくる・・・

行列の先頭が神社隣の方から境内に入ってきました。取材のテレビ局の方々も続きます。かなり暗い木漏れ日の境内なので、ストロボ使用になりました。

保存会会長が先頭で、平笠裸参り保存会の旗、ホラ貝、宮司、上半身裸の男性の持つ幟旗、供物、御幣束、小学生の持つわらじと小さな俵、験竿を持つ裸参り参加者が続きます。

行列入場 2 行列入場 3
行列入場 4 行列入場 5
行列入場 6

口紙(咥え紙)を咥え額の中央で結ぶ鉢巻き、腰には太い注連縄が巻かれ、厳寒の中でピーンと張りつめた雰囲気が伝わってきます。

大きなわらじに続き小さなわらじ、ミニ俵の後から験竿を手にした皆さんが続きます。

験竿(細長い板に三角の白紙を挟んでいる)の正面に、幟旗に書かれている「南無東方薬師瑠璃光如来」の文字が読み取れます。

行列入場 7

行列入場 8


8:50 出発式・・・

境内に入った皆さんは神社前を向いて一列に並び、拝礼の後出発の儀式が始まります。宮司のお祓いの後、儀式としての神事はありませんので、神社東にある家(保存会会長宅)で行ったものと思われます。

八幡平市市長、教育長挨拶、県議会議員の皆さんから激励の挨拶がありました。


八幡平市長挨拶・・・

皆さん新年明けましてお目出とうございます。素晴らしい新春を迎え、また、今日の裸参りは素晴らしい天気を迎えることが出来ました。今年、巳年は豊かさを与えてくれる年と言われております。今日の裸参りに参加して頂いている皆さん、例年より多い皆さんに参加して頂いているようです。この裸参り、長い道中になりますけれども、八幡平市、そしてまた、被災地の復興を祈願して頂いて最後まで事故のない裸参りにして頂きたいと思います。今日は本当にこの寒い中ご苦労さまであります。重ねて皆さんの参加に心から感謝して激励の言葉にさせて頂きます。

八幡平市教育長挨拶・・・

私は去年までは皆さんをテレビでしか見たことがございません。今日は身の引き締まる思いをしております。遙かにそびえる岩手山、その噴火によって三百年、そして男衆のいない間に家族を守り??女性の皆さん、その思いがひしひしと伝わってきているところでございます。

今日はこの後、八坂神社の方まで参るわけですが小学生もおり、元気な姿を見せております。長丁場でございますが地域の発展、そして五穀豊穣を祈りながら参加して頂ければ大変ありがたいと思います。また、このような素晴らしい伝統を守り育てて下さっている関係の皆さんに感謝を申し上げ激励の挨拶といたします。

                                                       (※会場での記録から)

出発式 1 神社前に整然と並ぶ行列先頭の皆さん、気温はマイナス八度でがっちりと冷え込んでいます。足元を見ると白足袋とわらじです。

小中学生の参加者、緊張した面持ちがうかがわれます。
出発式 2 出発式 3
出発式 4 神社に向かい宮司が大麻を振り礼拝します。その時手にしている験竿も前に倒されています。

テレビの取材が何局かありましたし、私を含めてカメラの放列もかなりありました。
出発式 5

八幡平市長から挨拶がありました。横からの撮影ですので表情が分かりません。

出発式 6 教育長挨拶、後ろに回り子どもの間から撮影しました。

挨拶を撮影しながら焚き火を何気なく見たら、可愛い女の子の参拝者がおりました。思わずカメラが向きました。
出発式 7 出発式 8
出発式 9 参加者全員が肩から提げていた「ポシェット?」・・、西根町無形?平笠裸参りの文字と験竿を持つ女性の絵が描かれた布製でした。

祈願 1 8:56 祈願・・・

出発に先立ち、来賓の方々への祈願と一般参加者への祈願が宮司のお祓いで行われました。

最初に来賓の方々への祈願が行われます。係の方の合図で、・・来賓の皆様の無病息災、五穀豊穣、家内安全、交通安全、商売繁盛を祈願して拝礼します・・。

「拝礼」のかけ声でホラ貝が吹かれ、験竿を持つ方の鈴の音が響きます。

祈願 2




緊張した面持ちの小中学生の皆さん。



祈願 3 回れ右お願いしますの指示があり、全員が参拝者(私達の居る側)の方向を向きます。
祈願 4

うしろで見ていた私達に対し、・・お出で頂いている皆様の無病息災、五穀豊穣、家内安全、交通安全、商売繁盛を祈願して拝礼・・の指示が出ます。

「拝礼」のかけ声でホラ貝が鳴り鈴の音が響きます。

それでは出発します。足下が悪いので気をつけて下さい。

いよいよ裸参り行列が出発します。北鳥居から出ますので、慌てて移動し道路脇で待機です。

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