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      岩泉町・第26回龍泉洞みずまつり


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搬送隊の皆さんによる水祓い。
1月13日のことでしたが、大雪の北上山脈を越え岩泉町・龍泉洞まで走りました。目的の第一は龍泉洞で行われるみずまつりを撮影することであり、第二はせっかく龍泉洞まで行きますのでリニューアルした龍泉洞の様子を撮影することにありました。かなり欲張った内容ですが、龍泉洞みずまつりが午後一時から開始されますので、午前中の朝一番で龍泉洞を見学することが可能だからです。

岩泉町・龍泉洞までは真夏であっても三時間ほどかかりますが、あいにくの雪道になりかなりの覚悟での運転です。途中で見た岩洞湖、広い湖面(もちろん氷)には一面にワカサギ釣りのテントが見えていますし、駐車場はびっしりと車で埋まっていました。以前は冬の早坂峠は怖い場所でしたが、今は早坂トンネルが開通し楽に山越えが出来ます。


第二十六回「龍泉洞みずまつり」

古より、この地では小正月に水神様を祭って五穀豊穣、無病息災、家内安全を祈り崇められて来ました。今でも龍泉洞地底湖の水を始めとして町内各所の名水をこの水神様に奉納しています。また、龍泉洞園内では、地底湖から湧き出ずる水を被り禊を行い、岩泉大神宮の神職により御祓いを受け新たな年を最良の年を祈願する祭りとなっております。

プログラム・・・龍泉洞広場にて

13:00〜 開会式  
13:10〜 みず祓い体験ツアー
14:10〜 若水汲み
14:20〜 巫女舞
14:25〜 立志の盃
14:30〜 水祓い
14:45〜 龍舞行列
16:00〜 搬送隊出発                                      (※岩泉町観光協会HPより)


私が撮影できたのは、龍泉堂前広場、清水川で行われたみずまつりの様子になります。その他の行事も見たかったのですが、帰りが遅くなることと夜間の北上山地越えを避けたかったからです。もちろんですが、午前中の龍泉洞内には二時間近く入り、三年ぶりに観る鍾乳洞の様子を撮影することが出来ました。龍泉洞内の様子は後日になりますが岩手の鍾乳洞のコーナーで紹介いたします。

トップの画像は、みずまつり儀式である搬送隊の皆さんによる水祓いの様子です。レストハウス前広場に龍泉の池がありますが、この池の周囲で下帯一つの男性が水神を崇める言葉を唱えた後、一斉に手桶の水を頭から被る水垢離の場面です。

日中ですが山陰になり、暗い場面になりがちです。水垢離の表情や水滴を記録したいため、ストロボ使用で撮影感度を上げシャッター優先での撮影です。絞り込みが少々不足し、奥行きのない場面になっていることをご容赦下さい。



広場周辺 1

10:00 龍泉洞入り口・・・

龍泉洞内部に入ったのは丁度10:00のことでした。その時の入り口の様子ですが、氷の彫刻と注連縄で結界が張られてありました。

内部照明がLEDになり、大規模なリニューアルがなされていました。

洞口から流れ出る水と、上流から流れてくる水の合流点 清水川(しずがわ)・・・

体験みず祓いツアーの行われる清水川です。洞口から流れ出る水と、上流から流れてくる水の合流点になります。

本来ですと、この場所は洞口から流れ出る水が滝のようになっているのですが、厳冬期でもあり完全に凍結して岩場の間を流れてくるようです。
広場周辺 2 広場にある龍泉の池に新しい手桶が置かれ、注連縄が巻かれてあります。数名の男性達が出てきてしゃがみ込んで何かをしていました。

側に行って見ていたら水祓いの予行であり、水神なんとか  エイッ、エイッとかけ声が聞こえてきます。世話役の方から水祓いの所作を指導されています。「・・??水神に願いあげ奉る えいっ、えいっ」、二回目のかけ声で頭から水をかぶる・・。

・・頭からかぶった方がかっこいいいです。肩にかけると結構心臓に来るんで、頭からだと分かれます・・・。終わったならば一礼をして・・そんな会話が聞こえてきました。
広場周辺 3 広場周辺 4
広場周辺 5 龍泉の池の水は冷たそうです。凍結している場所はありませんので、龍泉洞からの水がひかれているのでしょう。岩の下から30センチはありそうなイワナが姿を見せていました。
広場周辺 6 岩泉中学校の生徒達がバスから降りて来ました。次第を見ると、これから立志式が行われるようです。資料によると中学二年生の皆さんです。

巫女舞を披露する巫女さんの登場です。

龍泉洞入り口に設けられた祭壇には、御神酒、供物、水を運ぶ桶が並べられています。
広場周辺 7 広場周辺 8


みず祓い体験ツアー・・・

13:00から開会式があるので、車から出てカメラの用意をしていました。隣にある車を何気なく見ていたら、ナンバーが見たら松本ナンバーとなっています。思わず、「長野からお出でですか」と尋ねたら、「・・実家が花巻なので体験ツアーに参加して帰ります・・」とのこと。「・・これは必要なくなったので・・」、と言って次第等の書かれた資料を頂きました。

12:45頃会場になる広場に移動しました。広場には何となく人が集まり始めていますが、午後一時になっても始まる様子が見られません。レストハウスから出てきた神官や係の方が、龍泉洞口から中に入って行きました。

その後何も動きが無く、どうなっているのかなあと思いました。たまたでしたが、側に居られた地元の方がつぶやいていました。「・・毎年こうなんだよ、予定があるけどそのように動かないんだから。こんなではみんなあきらめて帰るよ、十六年前から同じだよなあ・・」。聞いていて、何のためのプログラムだろう、予定通り進めればいいのになあと思ってしまった。


今回で26回目を迎える同まつりは龍泉洞地底湖の水を始めとして町内各所にある名水を水神様に奉納するために行われているものだ。中でも見ものは龍泉洞園内「龍泉の池」で行われる「水祓い」で、下帯姿の搬送隊が唱え文句を口にしながら地底湖の水を手桶で汲み、頭から勢い良くかぶる。

この水祓いは観光客も体験することができるが、参加希望者は参加費5,000円を払う必要がある(祈念・水祓い・神札・下帯・草履・写真代などを含む)。

                                                         (※岩泉ブログ参照)

みず祓い体験ツアー 1

13:50 体験ツアーの皆さん入場・・・

レストハウスから手桶を持ち、水垢離スタイルの皆さんが一列になり出てきました。天気は良いのですが、日陰の広場で暗いのでストロボを使用して撮影です。

今回は水をかぶりますので、その時の表情と流れ落ちる水滴を記録するため、撮影感度を上げシャッター優先の設定にしました。したがって深度が浅くなり、ピントの合う空間が少々不足になったのは仕方のないことです。

みず祓い体験ツアー 2 みず祓い体験ツアー 3
みず祓い体験ツアー 4 みず祓い体験ツアー 5
みず祓い体験ツアー 6 開会式もないことと一切の案内もありません。開会式前におかしいなと思っていたら、そのまま龍泉洞入り口前の祭神に拝礼し清水川に降りていきます。

みず祓い体験ツアー 7 13:54 清水川に下りる・・・

慌てて一緒に下まで降りて場所を探しますが、事前に分かっている皆さんは既に場所を決めており立ち入る場所がありません。

何とか崖を降りて、足場の悪い水垢離場所の横に入り待ち構えることができました。
みず祓い体験ツアー 8 いつもは何もない清水川(しずがわ)、広場から一列で降りたきた皆さんは手桶を持って流れに入り、それぞれの場所に散らばります。
みず祓い体験ツアー 9 目の前の深いよどみに男性が入ってきました。この場所の深いところは首までの深さがありました。

みず祓い体験ツアーの参加者は18名(内女性4名)、皆さんが流れの中に入ると狭い感じがしました。

先導した神官さん、最初は見失いましたが大麻を持っているので見つけました。私の位置からは横になりはっきりとはしません。
みず祓い体験ツアー 10 みず祓い体験ツアー 11
みず祓い体験ツアー 12 みず祓い体験ツアー 13
みず祓い体験ツアー 14 下帯姿の男性、白下着姿の女性(四名)が水に入り手を組み祈りの姿で上を見ています。

目線を移動して確認してはっとなりました。そこには神官が居られ、大麻を振って水の中の人達を祓っています。

みず祓い体験ツアー 15 13:56 清水川での水垢離・・・

その後、練習の時に聞いていた??水神の唱え文句が繰り返され、えいっ、えいっの気合いが入り二回目で手桶の水を頭からざんぶりとかぶります。

同じ所作が二回繰り返されそれぞれが水垢離をします。その後は、各人各様のスタイルで水垢離になりました。腰までつかりかぶる方、河原で立ったまま水をかぶる方様々です。
みず祓い体験ツアー 16 みず祓い体験ツアー 17
みず祓い体験ツアー 18

私の居た場所からは移動できませんので、上から見下ろす角度と後ろ向きの姿のみでした。

水垢離場面を見ていたら、間もなく行われる黒石寺蘇民祭の水垢離場面を想い出しました。この場所の気温は3.3度ほどであり水温が6度くらいはありそうです。

みず祓い体験ツアー 19 みず祓い体験ツアー 20
みず祓い体験ツアー 21 みず祓い体験ツアー 2

みず祓い体験ツアー 2 静かなる祈り・・・

私の居た場所は、龍泉洞口から流れてくる水との合流点ですが、流れは凍結し雪で埋まっています。しかし、氷の下の岩場からこんこんと湧きだしている場所になっていました。

その場所に、最初に入った男性が手を組み合掌し胸まで水につかり、目を閉じて一心に祈っていました。側には若い男性三人と女性が一人、四名の方が一心に祈っています。

ストロボの光で撮影するのも、祈りの妨げになりそうで気を遣うほどでした。
みず祓い体験ツアー 2

撮影するときは無心であった私ですが、ページのレイアウトをしながらジーと見ていると心に迫るものがあり感動してしまいました。
みず祓い体験ツアー 2 頭からかぶる水垢離は動的な祈りとするならば、水の中で無心に手を組んで合掌する姿は静かな祈りとも言えます。無心になって祈る姿、たとえようのない清々しさと敬虔な思いがするのは私だけではないと思われます。

みず祓い体験ツアー 2 14:03 体験ツアーを終えて・・・

橋の上からは岩泉中学校二年生の皆さんが見下ろしています。

水垢離を終えた皆さんは、手桶を持ちゆっくりと雪の階段を登りレストハウスまで戻ります。見ている回りの皆さんからは、ご苦労様でしたと言う思いを込めて拍手が飛び交います。

Vサインを送る女性、笑顔がさわやかで素敵でした。
みず祓い体験ツアー 2 みず祓い体験ツアー 2
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