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        大船渡市・気仙丸展帆帆走


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気仙丸展帆帆走・・・

11月16日の朝刊を見て驚いた記事がありました。東日本大震災の被害を免れた復元船気仙丸が、23日に展帆作業を行い風の吹き具合で湾内を帆走をするという内容です。復元船気仙丸は、2008年に開催された「海フェスタ・大船渡会場」で湾内の岸壁に係留され一般公開されました。たまたまですが、大船渡港を訪れていた私は行列に並び乗船し気仙丸を間近に見て撮影しました。

そんなこともあり、大津波で流されたものの大きな被害を受けなかった気仙丸で、その後の様子が気になっていた矢先のことでした。大船渡まで走り、復元船気仙丸の帆走をなんとしても見たいと思ったのですが詳細な日程等が一切不明です。新聞社の支局に電話をしおたずねしましたが、応対された女性の方も良く分からないとのことです。風向きでどの方向に移動するか、時間は九時頃かなあと言うことでした。

23日は朝七時に家を出て一路大船渡市蛸ノ浦港まで向かいました。ここでは、係留された船上で帆柱に帆を張る作業(展帆・・一枚だけですが)の様子、帆をたたみ曳航されて湾内に出て行く様子、北風を受けて湾口に向けて帆走する様子、そして2008年に見学した気仙丸の様子を紹介いたします。

なお、展帆操作等についての説明は知識のない私の見た感じで書いています。勘違いや間違った表現等があると思われますが、その点はご容赦ください。トップの画像は、船体と並行に置かれた帆桁に巨大な帆をロープで結わえている作業の様子です。


気仙丸・・・

江戸期の海運の主役を担った木造和船「千石船」の復元船。気仙船匠会が1991年、翌年の「三陸・海の博覧会」に向けて建造。高度な技術が評価され、エキスポ大賞(通産大臣賞)を受賞した。長さ18メートル、幅5.75メートル、高さ5メートル、帆柱の長さ17メートル。一枚帆は畳85畳分の大きさとされる。
                                                          (※ネット資料から)

千石船・・・

日本の木造の巨大帆船。米 1000石を積める能力から、江戸時代に普遍化した大型荷船の俗称。本来はその船の積石数を表わしたもの。室町時代の千石船はそれにあたるが、江戸時代に入って国内海運が発展し、1000石積前後の弁才船 (弁財船とも書く) が普及すると、積石数の大小にかかわらず大型廻船と弁才船の両方の意味をもたせた千石船の呼称が定着した。
                                               ( ※ブリタニカ国際大百科事典より)


                                                      (2014.11.30 作成)



展帆作業 1 8:40頃蛸ノ浜漁港到着

気仙丸は蛸ノ浦漁港の岸から離れた場所に係留され、船首を東に向けていました。船の上には帆桁になる細長い棒が見えています。

ライフジャケットを着用し、ヘルメット姿の方々が乗船してます。
展帆作業 2 展帆作業・・・

すでに作業が始まっていました。帆桁になる長い棒が船の上に吊され、帆柱(マスト)の下にたたまれた帆が置かれてあります。

長い帆桁にロープを結びつけ、広げられた帆が括り付けられていきます。
展帆作業 3 展帆作業 4
展帆作業 5 帆桁に帆が括り付けられると、少しずつ帆桁が持ち上げられ帆が広がっていきます。この段階では、帆は船体に対して並行しています。

帆が上に移動するにつれ、僅かな風ですが帆を膨らましていくのが分かります。
展帆作業 6 展帆作業 7
展帆作業 8 展帆作業 9
展帆作業 10 帆の広げられた帆桁(展帆された)が、船体に直角になるように移動させながら持ち上げられ、メインマストの最上部で固定されます。帆の中央に以前見たことのある椿のマークが見られませんでした。

帆の後ろで作業する方の姿が帆に映り込み、シルエット状態になっています。このシルエット姿が何とも言われません。
展帆作業 11 展帆作業 12
展帆作業 13 マスト最上部で固定された帆桁は、船体に対して直角に固定された後、静かに帆が下ろされ帆をたたみます。

その後、帆桁の左右、帆の両端・裾部分を船尾左右に結びつけ固定し作業が終了します。

そのまま帆を上げていれば、風を受けて帆走することが可能になります。

下まで降ろされた帆桁は、風が吹いて移動しないようにがっちりと支えられています。
展帆作業 14 展帆作業 15
展帆作業 16 展帆作業 17
展帆作業 18 9:34頃、曳航されて湾内に移動します。

気仙丸には自力航行出来る動力源がありません。ここでは漁船でしょうか、二本のロープが張られ曳航されます。
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