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        鬼の館芸能公演・鬼柳鬼剣舞


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鬼柳剣舞少年団の皆さん。

北上市立鬼の館で、平成二十年度は四月から十回の芸能公演がありました。私は九月と十月に公演を見て撮影してきました。近場でもあり以前から知っては居たのですが、なかなか訪れる機会がありませんでした。

鬼の館・・・
鬼の館は、「鬼」をめぐる様々なことがらを集め、調べ学びあう場として開設されたテーマ博物館です。怖い鬼から愛すべき鬼までたくさんの鬼達に出会えます。北上を代表する民俗芸能「鬼剣舞」は、その発祥の地和賀町岩崎にある鬼の館の芸能公演でお楽しみいただけます。(※北上市HPより)


鬼剣舞・・・
鬼剣舞は、北上地方に伝承されている民俗芸能です。広くは念仏を唱えながら舞う念仏踊りの一つですが、恐ろしげな鬼の面をつけて踊るところから「鬼剣舞」と呼ばれています。

由来・・・
岩崎鬼剣舞の享保17年(1732)の「剣舞由来録」によると、大宝年間(701〜704)修験山伏の祖・役の行者(おづぬ)が大和国吉野川上流で水垢離をとり、大峰山で苦行し、その満願の夕暮れに踊った念仏踊りに始まった・・とあります。その後出羽国羽黒山で舞った修験山伏によって広められ、康平年間(1058〜65)には安部貞任・正任がこの踊りを領内に勧めた。延文5年(1360)には、岩崎城主岩崎弥十郎が主君の和賀政義を招き城内で踊らせたところ、政義は大いに喜び家紋の一つ「笹リンドウ」の使用を許可したと言う。

鬼剣舞は、中世の「念仏踊り」をもととしながら、近世初頭から中期までには現在見るような芸態が出来上がったものと思われます。岩手県内には120を越える剣舞の踊り組がありますが、北上市には岩崎系と滑田系の二系統十三団体が伝承されています。 

剣舞は、「剣の舞」の語が当てられていますが、発音の「ケンバイ」「ケンベー」に当て字したものと考えられています。
                                         (※会場で頂いた鬼の館展示解説シートより)


九月二十八日のことでしたが、鬼柳鬼剣舞の芸能公演を撮影するために鬼の館を訪れました。家から三十分ほどで行ける夏油温泉の入り口にあります。雨降りが気になる空模様でしたが、開演時には何とか晴れ上がり常設野外ステージで鑑賞することが出来ました。

郷土芸能後継者育成はどこの団体でも大変のようです。北上市の夏の芸能祭りでも見ましたが、チビッコ達(保育園幼稚園)の郷土芸能の取り組みから始まり、小学生・中学生へと拡がっています。私が知る範囲でも、ほとんどの教育現場で、郷土理解学習の一環として地域の伝統芸能に取り組んでいます。

ここでは、鬼の館の職員と庭元の方からの解説をお聞きしながら七演目を鑑賞しました。その中から五演目を紹介します。演目の良く理解しないままに撮影した画像から編集したことをお断りします。



代表の庭元の方より・・・
こんにちは・・。岩崎に来ると緊張するんですよね。今思い出しました。50年前の十歳の頃、ここ岩崎に来て教えられました。先輩、親父の代から始めた鬼柳剣舞なんですが、子どもの頃からやっております。だいぶ昔のことですので、その頃は家も茅葺きでした。あまり家のないところで練習したったなあと思います。ここに来ると先輩方が見に来られたりするので、緊張するところです。

今日は鬼柳鬼剣舞七演目を用意しました。但し、私どもでは少年団(小学校の子ども)、昭和56年から女の人達が鬼剣舞女組と名を付けてやってきました。そう言う人達も来ていますから、少年団は少年団、女組は女組で演目を分けて合計して七演目を行います。

それでは一番最初に少年団「一番庭」、二番目は大人達に「刀剣舞」を二つ、同じような踊りですが「一番庭」は扇だけ、「刀剣舞」は刀をだけを使い若干扇を使いますが、その違いなどを比較しながらご覧下さい。

最近は何人かですが、自分たちで自分の踊る面を作ってやっています。見せたいと言うよりも、自分の気持ちがそこに入っていくことを念じて鬼剣舞と言う踊りを表現出来ると言うことは素晴らしいな、今の若い連中はすごいなと思います。

鬼の館職員より・・・
本日は鬼の館芸能公演にお集まり頂きまして有り難うございます。毎月第四日曜日に行っています芸能公演が、本日は全7演目を約一時間にわたってご覧頂きます。毎回市内の剣舞保存会の皆様のご協力を頂いて開催しております。本日は鬼柳鬼剣舞保存会の皆様に踊って頂きます。では鬼柳鬼剣舞保存会の皆様に「通り」で入って頂きます。

演目を解説する職員の方。
笛、太鼓、手平鉦をならしながら入場する


鬼柳鬼剣舞・・・
昭和16年、岩崎鬼剣舞の流れをくむ長沼鬼剣舞の経験者で、六軒に婿入りした菅原悌氏さんを中心に「六軒鬼剣舞」として発足。昭和26年岩崎鬼剣舞の指導を受け、平成4年に秘伝書を伝授され、昭和29年に改称。六軒には明治時代の作と見られる面が伝授されており、岩崎に隣接しているため早くから踊組ないし踊手がいたのではないかと推測される。いち早く少年組の育成につとめ、地域に密着した鬼剣舞を目指している。
演目をクリックするか、サムネール画像をクリックしてお入り下さい。


1.一番庭


2.刀剣舞

3.一人加護

4.膳舞

5.八人加護
少年団による「一番庭」
八人によって舞われる「刀剣舞」 白い面をつけた踊り手一人が舞う「一人加護」
余興的踊りになる「膳舞」 八人の踊り手による「八人加護」