根崎梯子虎舞・アトラクション公演に戻る


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先頭と後頭がこれから梯子の中央ですれ違います。 今回の梯子虎舞の撮影は、アトラクションと言うことで奉納舞に比べて場所の移動が自由でした。最初はほぼ正面から撮影していましたが、先頭が頂上から降り始める頃に梯子の後ろ正面に移動しました。うまい具合に先頭が降り始めると、下から後頭が登り始める所でした。

私は梯子を後ろ側から見上げる場所に移動し、梯子の途中で交差する様子を撮影することが出来ました。正面からの撮影と違い、虎の頭役と尾役の方の動きがはっきりと分かります。祭典時の奉納舞では、こんな身勝手な移動は出来ません。

才坊はそのままで交代が無く、手にした扇などで盛んに虎を誘導(煽り)します。そのやりとりも面白いし、途中ですれ違う仕草もユーモラスです。しかし、狭い梯子上でのすれ違いですから、演じている方々は細心の気配りと緊張が求められます。
梯子中央付近での二頭の虎 1・・・無言の語らいが聞こえてきそうです。 梯子中央付近での二頭の虎 2・・・才坊の誘いに乗っています。
梯子中央付近での二頭の虎 3・・・降りる先頭役の方が右足を大きく出して横柱に乗ります。 ここからの3コマはすれ違う様子です。下から登っていく後頭の虎は三段目の才坊の方を向いています。上から降りてくる先頭の虎は、右足を大きく梯子を乗せている横柱上にあります。

さりげない所作のように見えますが、登り虎に進路を譲る細心の技と言えそうです。ここでも登り優先であり、坂道走行での車と走行と同じだなあと・・文章を書きながら思いました。
梯子中央付近での二頭の虎 4 梯子中央付近での二頭の虎 5・・・才坊役の方の表情が気に入りました。
梯子中央付近での二頭の虎 6・・・先頭は体を横にして通りやすくしていているのでしょうか。 なんとか後頭がすれ違えた様です。その後は先頭が梯子の中央に戻り、梯子に尻を置きながら確実に一段一段と降りていきます。

虎頭を上に持ち上げての下降ですから、重心の置き所が重要だと思われます。降りてくるときの頭役の足使いが見事だと思います。衣の中にいますので足下は見えないはずです。
下に降りる先頭 1・・・すれ違いが終わり後頭が上に登っていきます。 下に降りる先頭 2・・・一歩一歩足取りを確認し降りてきます。
下に降りる先頭 3・・・虎としては前傾姿勢ですが、梯子段に尻をかけ安定した姿勢で降りてきます。 虎の姿勢のままで見ると、かなり前傾姿勢のように思えます。高いところに登るとき、登りよりも下りが怖いし細心の注意が求められます。以前のことですが、20mの鉄塔登りをよくやっていましたので分かりますが、あと少しで降りられる時まで気を抜くことが出来ません。

梯子の段にがっちりと足が乗っています。

無事に下段まで降り地上二段目で虎頭を脱ぐ様子と、尾役の方が衣から出る場面です。虎頭を下で受け取る虎舞の仲間が、ご苦労でしたと笑顔をで労っている様子が伺われほっとした私でした。それにしても、虎頭役の方は登り始めてから降りるまで、重い頭を両手で持ち上げて移動し演技するのですから驚いてしまいます。

演技が終わってから下で休んでいる方にお聞きしたのですが、虎頭の重さは4〜5kgあるとのことでした。2リットル入りのペットボトルを二本、ずーっと上に持ち上げていることになります。そして、20m上空で縦横無尽に動き回り演技をします。訓練による熟練技であると簡単に言えるものではないと思います。そして、頭役が自由に動けるように支えている目立たない尾役の方の支え、演じる二人に絶対の信頼感があっての技だと思います。

解説者の案内にありましたが、それぞれの虎舞は二人一組で行われ柱伝いの究極の演技の要を勤め、二者一体となって格調高い躍動美を表現いたします・・・、まさに言葉通りだと思いました。
演技を終わって 1・・・地上二段目まで降りました。 演技を終わって 2・・・ここで頭を脱ぎ下で待つ係の方が頭を支えます。
演技を終わって 3・・・衣から頭が出来ました。 演技を終わって 4・・・最後に尾役の方がズボンを脱ぐ王に衣から足を抜きます。虎の衣は大きな衣装のようになっていますね。


今日の主役である四頭の虎頭、じーっと見ていると迫力があります。
梯子虎舞の演技は午前と午後の二回行われ、先頭が登り始めて降りるまでおよそ25分位経過したしたようです。期せずして根崎の梯子虎舞をアトラクションとして見ることが出来ましたが、次は根崎地区鶴樹神社例大祭での奉納舞を機会があったら見たいものです。

演技が終わった梯子の根元には、虎舞の頭が四頭並べられてありました。一つの虎に頭と尾の方が入りますので二人の演技になります。午前の部と午後の部の舞手は別なのでしょうか、そうなると八名の方が待機していることになります。梯子虎舞は、陸前高田市広田町根崎地区に伝わる伝承芸能です。実際に演じられている方々の年代が分かりませんが、ここでも後継者育成がしっかりと行われ次世代へと引き継がれていくと思います。
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