恵比寿舞・・・
恵比寿面を着けた一人舞。釣り竿を上手に操って鯛釣りをする。漁村では欠かすことの出来ない舞。
面をつけ、烏帽子をかぶり、釣り竿をもった恵比寿舞である。津の国神崎が浦の出身と名乗り、鯛釣りをする。漁村ではえびす信仰と結びつけられている。釣り竿を用意し、釣糸をたぐり、真っ赤な鯛を釣るが、見物している人々がプロの漁師さんばかりだから、演じている神様も緊張するらしい。釣り上げた鯛にとどめの一撃を加えるにも、さまざまな技巧がもちいられている。
衣装・・・
恵比寿面、烏帽子をかぶり、白襦袢、紋付きで片袖を脱ぐ(本来は千早を来て袖を後ろで縛る)。襷を掛け、袴、足袋をはき、腰帯を締める。扇と釣り竿を持つ。
最初に恵比寿舞を見たのは、黒森神楽・舞納め公演の時でした。その後何回となく黒森神楽公演で見ていますが、恵比寿面は見ているだけでこちらも笑顔になるにこやかな表情のお面です。この舞が舞われるのは一番最後の場面になるだけに、会場内は独特の満足しきった表情の観客で一杯になっています。山の神舞での振る舞い酒で、かなり上気した方から威勢の良いかけ声が上がるくらいです。今回の鵜鳥神楽では神楽殿での高い場所での舞ですし、鵜鳥神社への奉納神楽と言うこともあり、あまり盛り上がってはいませんでした。
海岸地方で欠かされない大事な舞であるというのも、現場にいるとひしひしと伝わってきます。内陸部での神楽で演目としてはあっても、実際には見たことがありません。
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