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          2007氷渡探検洞


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「氷渡洞」は岩泉町安家字松林地内の安家川北岸に、「坪沢の穴」はそこから東側にあたる坪沢の斜面の途中に開口しています。坪沢の穴の洞口の標高は、氷渡洞の洞口に比べておよそ80m高い位置にあります。両者は、内部の二カ所(連絡口、氷渡の氷壁)で連結しており、両者を合わせて「氷渡洞−坪沢の穴」と呼んでいて、氷渡洞−坪沢の穴の上層部分を坪沢の穴が、下層部分を氷渡洞が構成しています。

氷渡洞−坪沢の穴の総延長は4180mで、そのうち氷渡洞洞口からおよそ500mの部分が、1993年から探検洞として公開されています。この公開に際しては、照明施設は設けずに通路などの整備も最小限にとどめて、入洞者は照明付きヘルメットを着用し、洞穴内簿の自然状態を出来るだけ保つように配慮が成されています。
(※頂いた資料から)

私にとって氷渡探検洞は、2005年7月以来のことですから2年ぶりの入洞になります。前回は予約して入った一般探検コースでの入洞でした。初めて見た洞内の鍾乳石に、驚きと感動の入り交じった事が先頃のように思い出されます。今回は、前回での撮り残しを撮影したいと言うことと、撮影レンズ・ストロボを強化しての欲張った目的での参加でした。
本日の参加者は、小学生の子ども達を入れて16名でした。以下、氷渡探検洞、龍の背本洞と順を追いながら紹介いたします。

冒頭に触れた坪沢穴ですが、残念なことですが私は入ったことがありません。今回、日本洞穴探検協会東日本支部会長Oさんのご厚意で、坪沢穴の貴重な画像をお借りすることが出来ました。別のページで紹介いたしますので、クリックしてご覧下さい。岩泉町安家・坪沢穴はこちらから・・。



午後の研修です。外の気温は34度ぐらいあり、しかも洞内に入るための完全重装備です。入り口までが暑くて大変でした。厳重なゲートくぐり、そこで次のような説明がありました。

今、洞穴内部から風が吹き出しています。洞穴の内部に二つの洞口があるために、夏と冬とでは風向きが違います。今は中から吹いてきますが、冬には入り口から中に吹き込みます。更に奥にはいると、空気の動きが無くなり気温が9度ぐらいになり、湿度は100%になります。
研修棟から洞口まで歩くのですが、暑いのなんのでした。 やっと見えてきた洞口です。進むにつれて、冷気が押し寄せてきました。 入って直ぐの所で、風向きの説明がありました。


いよいよ洞穴内に入ります。入ると直ぐ狭い入り口があります。やっと一人が通られる位の隙間でした。私は撮影が目的でしたので、最後の方にいました。私の後ろは係のTさんです。

少し進んだ所で、今まで元気に歩いていた女性が歩けなくなりました。「軽い気持ちで来たのですが、恐くなり進めません。外に出たいのですが・・」、と言うことでTさんが付き添って入口まで戻りまってもらうことになりました。

やがて、「立ち入り禁止」(分岐点)と書かれた場所に着きました。増水するとここからは奥には進めません。私達はここから左側の道を更に奥へと進みます。
ここからは一気に天井が低くなります。 一人がやっと通られる入り口です。 立ち入り禁止の札がある分岐点。この奥は迷路になり大変なコースで観光洞ではありません。


分岐点から更に奥へと進みます。2年前に来たときは通路のあちこちに水溜まり(プール)があったのですが、今回はあまりなく歩くのが比較的楽でした。

途中に背丈ほどある石筍があり、確か形がオームに似ているのでオーム石と名付けられていました。

岩場のアップダウンはかなりきついのですが、アルミ梯子があったり掴まる鉄棒があったりして、細心の注意を払って上り下りが出来ます。
通路の様子 1・・深くはないのですが、飛び石的歩き方で進みます。
通路の様子 2・・背丈ほどある石筍{オーム石}です 通路の様子 3・・狭くなり前がつかえてきます。一人ずつしか進めないので仕方ないのです。
通路の様子 4・・登りの後は下りです。下りが意外と恐いのですね。 通路の様子 5・・前方が深い谷状になっています。岩場にしがみついて下りますが、画像で見て一番スリルのある場面でした。歩くときは足下しか見えませんので・・。


奥に進むにつれて、空気の流れのない湿度100%の場所になります。自分の吐いた息や、身体からでる汗がたちまち水蒸気になり煙のように漂います。

見た目にはさほど気にならないのですが、ストロボを使って撮影すると前が白くなりピントが合いません。レントゲン撮影ではないのですが、「息を止めて、パシャリ」とシャッター切らないと失敗します。

巨大な石筍やフローストーン、前回も見たカーテンがありました。前回と違い結露でカメラとレンズが水滴だらけになり、ぬぐいながらの撮影です。何故か横位置だけで撮影していた私です。思いっきり後悔していますが、後の何とかでした・・。

煙のように白いのが、私の吐いた息にストロボの光があたり、煙のように写るのです。
カーテンとフローストーン 前回の課題にしていたきれいなカーテンです。下の部分がはっきり写っていますが、上の方が切れていました。縦位置にしなかったのが悔やまれます。
つらら石の上に生じたフローストーン。

自由の塔と同じようなフローストーンに覆われた石筍とつらら石。ここら辺から色が白くなります。



氷渡洞のシンボル的存在の石柱「自由の塔」です。 入り口から500m程進んだ所で、探検コース観光洞の終点にある「きらめく星座」の手前になります。

ここには、氷渡洞のシンボル的存在の巨大な石柱、「自由の塔」が天井までそびえ立っています。

「自由の塔」の先端部で、あの穴から水がしたたり落ちて石柱を造りました。 「自由の塔」の先端部です。天井の岩の隙間から生じたつらら石が垂れ下がり、下から伸びた石筍の先端部とがくつかったものです。

天井には無数のつらら石が垂れ下がり、ひだのようになったカーテンも見えています。天井の色と違い白色に近い色が印象的です。この白い結晶は奥に進むほど見られるようでした。


「自由の塔」から「きらめく星座」までの周囲をじっくり探しますと、様々な形や色の鍾乳石が見られます。ヘッドライトの光で探しストロボ撮影をするのですが、光るのは一瞬ですからじっくりと見ては居られません。

本式の撮影は、強力なライトを当てて鍾乳石を立体的に浮かばせ、三脚を利用して撮影すればポスター等に見られる魅力的な姿が得られます。しかし、一般の我々には無理なことです。平面的と言われますが、ストロボ撮影でも気に入った画像が得られます。

私の場合、鍾乳洞での撮影はカメラの上に置いたストロボからの撮影です。それと広角レンズが必要で、ISO感度は400に設定しています。

きれいなフローストーンの様子 1・・つらら石にフローストーンがついて豪華な宮殿のような光景を見せています。
きれいなフローストーンの様子 2・・巨大な石筍があちこちに見えています。中央は両方が九つかり石柱になっています。 きれいなフローストーンの様子 3・・左端に見えているのが、前回ウエディングケーキ状だと気に入ったフローストーンです。今回は残念ですが気がつきませんでした。


探検コースの終点にある「きらめく星座」です。灰色がかったフローストーンの壁ですが、ヘッドライトの光を受けてキラキラと輝きます。前回もそうでしたが、ストロボの光は強すぎて小さな光が見えません。今回は画像の明るさを意図的に暗くし、輝く光を出してみたのですが・・。

この光る物体はフローストーンの中に生じた方解石の結晶で、光を受けてあたかも夜空に輝く星のように見えます。

分岐点から左側の洞穴は、龍の背本洞と呼ばれる比較的真っ直ぐな洞穴になります。ここを300m程進むと、ガイド付き観光洞の終点「きらめく星座」になります。ここまで入り口からおよそ500m程ありますが、やっと通れる隙間や、垂直に近い岩場を登りますので油断が出来ません。身体を三点支持することを心がけないと、転落したりずり落ちたりします。Y先生のお話ですと、今までここで怪我した人は無いと言います。

私達はここから更に奥を目指しました。通路のハシゴ等が無く、今までよりもきついコースになります。一般の方は年に一回実施される冬の地底湖(更に500m程)探検時しか入ることが出来ません。今回の私のねらいも、ここから先の龍の背本洞奥と地底湖にありましたから・・。
きらめく星座のフローストーン 1 きらめく星座のフローストーン 2
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