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          羽化直後のカゲロウ


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梅ノ木にぶら下がっている真横から撮影したものです。
羽化直後のカゲロウ・・・

新しいコンデジの顕微鏡モードを活用し、庭に出て草花や虫達の表情を追っていた時のことです。何気なく見た梅ノ木の枝に一匹のカゲロウを発見、早速レンズを向けてみました。よく見たら、近くに羽化した時に脱ぎ去った殻までありました。

それにしても、コンピュータに取り込んで見た画像に驚きと共に新しい発見が沢山ありました。真横から見ると、丸い大きな目が頭を形取っていますし、胸部には三対の細長い足が付いています。背中には透き通った羽根が二対、片方は極端に小さい羽根です。

羽化直後で身体を固める変化が体内で進み、触っても逃げることすら出来ない状態です。残念ですが、総称であるカゲロウとしか名前が分かりません。また、頭部の正面方向から撮影し逞しい顔つき等を眺めたかったのですが、場所の関係等で無理でした。

トップの画像は、梅ノ木にぶら下がっているカゲロウを真横から撮影したものです。

                                                        2016.04.24 作成

羽化直後のカゲロウ 1 全身像ですが、身体の色合いと梅ノ木の樹皮が同じような色合いであり判別が困難です。
羽化直後のカゲロウ 2 カメラの位置を変え、斜め上から見下ろすアングルにしました。光線状態が良くありません。

頭部には巨大な丸い目玉がつき、胸部からは足が三対、きちんと折りたたまれた羽根が見えています。

拡大画像にすると、短いのですが触角が目の下から出ているのが分かります。
羽化直後のカゲロウ 3 真横から見たほぼ全身の姿です。透き通った羽根と脚が印象的です。

細長い胴体が折れ曲がり、ぴーんとなっています。

尻からはひげのような長い物が伸びていますが、全部が入り切れていません。
羽化直後のカゲロウ 4 頭部の目玉と胸部に付く羽根が見えています。片方の羽根はかなり小さいのです。

飛ぶための羽根と言うよりは平均棍のような働きで、方向等の調整に利用されているのでしょうか。

六本の脚は身体の割には巨大であり、頑丈な感じがします。

頭部先端の触角(ひげ)は、短く小さいのが分かります。
羽化した抜け殻 1 羽化した抜け殻 1

カゲロウに限らず、虫たちが脱皮や羽化する時は、身体全体が靴下を脱ぐように置き換わります。

少しでも元の身体が残ったりすると生きてはいけません。見ていると、生命の神秘を感じます。
羽化した抜け殻 2 羽化した抜け殻 2
羽化した抜け殻 3 羽化した抜け殻 3

頭部には大きな丸い目玉がありますが、その様子が見て取れます。


カゲロウ・・・

カゲロウ(蜉蝣)とは、節足動物門・昆虫綱・カゲロウ目に属する昆虫の総称。昆虫の中で最初に翅を獲得したグループの一つであると考えられている。幼虫はすべて水生。不完全変態であるが、幼虫→亜成虫→成虫という半変態と呼ばれる特殊な変態をし、成虫は軟弱で長い尾をもち、寿命が短い。

成虫は細長い体で、弱々しい。頭には3個の単眼と、よく発達した1対の複眼が頭のかなりの部分を占める。特にオスの複眼は大きく、上下2段に分かれた複眼のうち、上の複眼が巨大な円柱型になるものもある。これはその形から「ターバン眼」と呼ばれ、カゲロウ目に特有のものである。

触角はごく短い。口の構造は退化的で、通常は摂食機能はない。


胸部は前胸・中胸・後胸の3節からなる。普通は中胸と後胸にはそれぞれ1対ずつ、計2対の翅があり、前翅が大きく後翅が小さいのが普通だが、後翅が鱗片状に縮小しているものや、フタバカゲロウ(コカゲロウ科)などのように退化消失して前翅1対のみとなっている種もある。止まるときは、ほとんどの種が翅を背中合わせに垂直に立てる。

脚はきゃしゃで細長く、特に前脚は長く発達しており、止まっている時に前脚を前方の空中に突き出すようにするものがいる。


腹部は細長く10節からなり、後方へ向かって細まる。オスの腹面第9節には、交尾の際にメスを挟む把持子(はじし)と呼ばれる生殖肢があり、メスの腹面第8節には生殖口があるが、産卵管などは持たない。腹部後端には2本または3本の繊細な長い尾(尾毛)を持っている。


オスは川面などの上空で群飛し、スーっと上昇したあとフワフワと下降するような飛翔を繰り返し、この集団中にメスが来ると、長い前脚でメスを捉え、そのまま群から離れて交尾する。成虫は餌を取らず、水中に産卵すると、ごく短い成虫期間を終える。


幼虫はすべて水中で生活し、多くは川の比較的きれいな流域に生息するが、湖沼や浅い池、水田など止水域に棲むものもある。時に汽水域でも見られることがあるが、海生種は知られていない。微生息環境としては、早瀬の石の表面、淵の枯葉などの堆積物の間隙、止水の泥底上などのほか、砂や泥に潜って生活するものなどがある。

                                                        (※ウイキペディアより)


ウイキペディアの解説を読んで疑問に思ったことがあります。カゲロウは水辺に幼虫が生活する関係から、川や湖沼付近に見られるとあります。成虫ならば飛来することが考えられますが、我が家の梅ノ木は休耕田に永久転作した場所にあります。どうやって梅ノ木に幼虫が登って羽化したのでしょうか。とてもじゃないですが考えられない事です。

可能性をあげてみました。近くには水田があり水が引かれます。この水は北上川からの揚水で、パイプラインで田んぼに入ります。大雨等で田んぼの水が転作場所に逆流した時、揚水に流れ込んでいたカゲロウの幼虫が転作場所まで入り込み、そこで羽化するのを待っていた・・・としか可能性がありません。

それにしても、弱々しい体つきからは考えられない凄まじい生への執念です。さりげないカゲロウの画像から考えさせられました。

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