マクロの目に戻る →


          ツユグモの捕食行動


   

location:uchinome.jpトップ>マクロの目>ツユグモの捕食行動

 サイトマップ


ツユグモに捕らわれて身動きの出来ないアブが、クモに引かれてあちこち場所を変えていきます。

ツユグモの捕食行動・・・

五月下旬の事ですが、表紙画像のウスバシロチョウを撮影していた時のことです。チョウの飛来を待つ間、何か撮影出来るものがないのかなあと視線をあちこちに巡らしていました。私の背より高いイタドリの葉の裏に、なにやらぶら下がっているものを見つけました。

1mと離れていませんので、そろりそろりと接近しじっと眺めてみました。あれれ、なんとアブ(ミツバチ)がさかさにぶらさがって居るではありませんか。しかも、微妙に動いているのです。じっくり見てアブの下に葉と同じ色のクモを発見です。身体全体が緑色のクモです。何回も見ているクモなので、ネット資料を参考にし名前の確認をしました。その結果名前は、間違いが無ければ「ツユグモ」と言う種類の様です。以下ここでの表記は、「ツユグモ」と言うことで説明したいと思います。

トップの画像は、ツユグモに捕らわれて身動きの出来ないアブが、クモに引かれてあちこち場所を変えていきます。気に入った場所で撮影出来たのでロゴ画像として使用しまそた。

                                                       2016.06.03 作成


捕食行動 1 この状態でぶら下がっているアブを発見しました。この位置では、緑色のクモは確認出来ていません。気がつかないで居れば見過ごすところでした。
捕食行動 2

居ました・居ました。緑色のクモが長い足を動かして位置を変えています。多分ですが、撮影するカメラを感じ場所の移動をしていたのかと思われます。

今回は、ウスバシロチョウを撮影していましたので、コンデジでは無く180mmの望遠マクロとD700を使用しました。

カメラを感じたのでしょうか、動きが落ち着くまでしばし時間がかかりました。やっと葉の上に移動してきましたので撮影条件は最良でした。

捕食行動 3 捕食行動 4

捕食行動 5 二枚の画像は、ほとんど動きが無かったこともあり同じような姿勢を保っていました。葉の上にでて光線をたっぷり浴びていますのでクモの細かい動きが見えていました。
捕食行動 6 ほとんど同じ動きでしたが、下の状態がクモの身体にピントががっちりと合っていました。

アブは、腹部の先端に牙を刺されて毒液(消化液)を体内に注入されて居るのか動けません。

クモの頭胸部にはずらりと並んだ目(単眼)が光っています。八個並んだ目、怖いですよ・・。

捕食行動 7 カメラの目線が気になったのでしょうか、またまた移動です。しかし、がっちりと牙を刺した状態は変わらずアブを自在に動かしての移動です。

このクモは捕食行動に巣糸を張らず葉の色と同化し、ひたすら獲物が接近してくるのを待ち続けています。実際に見ては居ませんが、素早く大きく長い足を使い捕食行動に移ります。
捕食行動 8 捕食行動 9

捕食行動 10 今度は完全に葉の裏に移動してしまいました。逆光に輝く葉脈がすごくきれいでした。
捕食行動 11 安定した姿にはならず、すぐ形が変化してしまいます。一番安定した姿で居たところを変えられているので、悪いのはカメラを手にした私です・・。

それにしても落ち着き無く、あちこち動き回っていました。最後まで下腹部に差し込んだ牙は抜き取りません。
捕食行動 12 捕食行動 13

捕食行動 14 やっと葉の裏から出てきました。この時は、多分逃げられるだろうと覚悟しましたが、枝の上に乗り、私に見せびらかすごとくに最高の配置になりました。
捕食行動 15 ここからの二枚の画像で、クモとアブの位置関係はほとんど同じに見えていますが、微妙なところで違ってきていました。細い枝に置いたアブの足の支えが、これ以上クモに接近しない様にされた様に見えてきます。
捕食行動 16 クモにしては最高のご馳走(捕食したエサ)ですから、めったなことでは離さないと思われます。自分の身体より大きなエサの場合、どの様にして消化するのか興味があります。

この場合は、体液を吸収されての消化だと思われます。何日か後には、体内の消化可能な部分が吸収され、ミイラの殻の様になって捨てられるのでしょう。

動物の世界は、大なり小なり食うか食われるかの世界です。生きて行くと言うことは、他の生物を食べなくてはなりません。その裏には、生存競争と言う凄まじい現象が繰り返されています。クモの生き様を見て、しばらくぶりにそんなことを思ってしまいました。
                     ページの最初に戻る →