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          クロアゲハの卵孵化


   

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孵化直後の卵の殻と外に出た幼虫の姿

クロアゲハの卵孵化・・・

6月6日のお昼過ぎのことでした。何気なく外に出て庭のカラタチの木を見ていたら、一頭のクロアゲハが飛来して葉の表面に掴まり産卵行動を始めていました。見慣れた光景なので特にも気にはしていませんでしたが、ひょいと思いついたのが産卵直後の卵の様子をマクロ撮影してみようと言う気持ちになりました。

手軽にマクロ撮影が出来るオリンパスのTG−4は、産卵された卵に1センチほど接近が可能であり、ほとんど手持ちで撮影出来るのには驚きました。理想的には三脚の使用が望ましいのですが、卵があまりにも小さいことから三脚利用は場面が限られてしまいます。

ここでは、産卵後の卵をつけた葉を切り出して部屋に持ち込み、可能な限り卵表面の色の変化に注目し撮影を続けることにしました。過去に同じような撮影をしていなかったこともあり、産卵後の孵化の進み具合のデータを持っていません。従って、時間の経過と併せて卵表面の色の変化に注目していました。

産卵が6月6日お昼頃で、孵化が11日の午後三時頃でした。およそ五日間の観察の結果を紹介したいと思います。卵の大きさが1ミリほどですから、画像切り出しの大きさや色調調整の違いが見られます。孵化直後の幼虫(毛虫)は2ミリほどですからあまり嫌悪感が無いと思われます。幼虫はどんどん脱皮をして成長していきます。時間の経過と共に毛虫特有の様子を見せてきますので、ここでは追跡紹介はしませんでした。

ロゴ画像は、孵化直後の卵の殻と外に出た幼虫の姿です。まだ卵の色が黒いから孵化はしていないと油断したため、気がついた時には殻を食い破り外に出てしまった直後でした。猛烈に悔しいのですが、油断した私のミスですから仕方ありません。次の機会には殻から出てくる瞬間を撮影したいものです。

                                                       2016.06.19 作成



6月6日 卵産卵・・・

クロアゲハチョウの産卵はメスチョウの特異な行動によりすぐ分かります。産卵はどこでも良いのでは無く、孵化後の幼虫の食べやすい葉を選んでいるようにも思えます。ねらった葉の周囲を羽ばたきながら葉の表面に掴まり、尻の先端を曲げて葉の裏にぽつんと一個だけ産卵し、次の場所へと移動します。生みつける瞬間は一瞬の動作であり、何とかその瞬間を記録するべくねらってもうまくはいきません。
6月6日の様子 1 6月6日 12:19・・・

メスアゲハチョウは葉の表に掴まり、腹部の先端を葉の裏側に曲げてくつける瞬間に一個だけ産み付けます。

今までは産卵する様子を見ていても、葉の裏についている卵を確認するだけで、カメラを持ち出して撮影することはありませんでした。

産卵直後の色合いは薄黄色であり、何とも言われない色合いでした。
6月6日の様子 2 少し接近して拡大撮影をしてみました。光の状態で葉の色が違ってきますが、立体感のある卵の様子はそのままです。

この時の大きさは、直径が約1ミリ前後あるようでした。葉の裏にのり付けされたようにくっついています。


6月8日の様子 1 6月8日 17:25・・・

翌日は変化がありませんでしたが、二日後あたりから濃い黄色になり、茶色の斑点があちこちに拡がってきます。
6月8日の様子 2 6月8日の様子 3


6月9日の様子 1 6月9日 15:37・・・

三日後もそれ程変化がありませんでしたが、何となく全体が黒っぽくなり斑点も多くなってきた感じがしました。
6月9日の様子 2 6月9日の様子 3


6月11日の様子 1 6月11日 07:44・・・

6月10日の様子は都合で観察が出来ませんでした。多分ですが、11日朝の様子から予想するに、全体が黒っぽく変化してきていると思いました。

卵の中をよく見ると、単なる点状の様子から大きく拡がってきているように思います。

撮影場所の変化により、点状の部分が凹んできている感じすら見られました。この部分がポイントだなあと、思わず見とれていました。
6月11日の様子 2 6月11日の様子 3
6月11日の様子 4

内部の変化を知りたくて、卵をぐるりと回して見たらありました・・。身体のように細長い部分と脚でしょうか、細長い部分が見えていました。

6月11日の変化は劇的な変化が見られ、張り切っていたのですがちょっとした場面の見逃しで見事に失敗という悔しい場面がありました。

6月6日に産卵し、五日後の6月11日には卵の殻を食い破り出てくるという孵化の現象が見られました。


6月11日の様子 5 08:46・・・

およそ一時間後ですが、全体が黒くなり初め明らかに何かが変化していると思いました。

位置設定がかなり大変ですが、真横から見たら上から見たのとは違う変化がありました。適切な表現が出来ないのですが、卵内部全体に拡がってきているのが分かります。
6月11日の様子 6 6月11日の様子 7
6月11日の様子 8 真下からの様子になります。黒い物が見え、周囲に脚のような突起が見えてきました。孵化の様子が見られるのもそろそろなのかなあと思います。

それにしても、こんな悪条件の元でもきちんと撮影出来るのですから素晴らしいなと思います。
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