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孵化後すぐ卵殻を食べる・・・

孵化して卵から外部に出ますが、そのまま立ち去らず白い卵殻(クロアゲハの場合)を食べ尽くします。これにはかなりの時間がかかりますが、私が観察した事例では40分ほどかかってきれいに食べてしまいました。

このことは昆虫孵化に関わらず、脱皮した自分の殻を食べたり、広くは動物の出産等で胎盤を食べると言った事にもつながり、色々な場で見られる現象のようです。

ネット資料で調べたら、次の記載があり納得です。

・・・卵から出て、一度離れてしまいましたが、戻ってきて、殻を食べ始めました。卵の殻を一所懸命食べる幼虫、蝶の多くの幼虫は、孵化した後に卵の殻を食べます。これには次の様な説があります・・・。

1.卵の殻に幼虫が最初に必要な栄養が含まれている。
2.卵の殻があると、天敵に見つかってしまうので食べてしまう。

卵の殻を食べた幼虫は食べなかった幼虫より、少し成長が早くなったなどの観察例もあります。

孵化後卵殻を食べる 1 孵化した幼虫は卵殻から離れます。直径1ミリほどの卵の中で幼虫まで成長し、タイミングを見て外に出てきました。昨年と違い今回はがっちりと撮影出来て満足です。

欲を言えばきりが無いので触れませんが、来年の目標をそれとなく決めている私です。
孵化後卵殻を食べる  やっぱりそのまま離れること無く、ぐるりと向きを変えて卵殻へと向かってきます。

この動作の撮影は40分ほどかかりましたが、幼虫に負けないファイトで連写をしていた私です。膨大なコマからそれとなく変化がはっきりするコマを選び、18コマに限定して紹介致します。

いつも思うことですが、デジタル撮影だからこそ連写が出来るのであり、この機能に感心しつつ利用しています。
孵化後卵殻を食べる 3 孵化後卵殻を食べる 4
孵化後卵殻を食べる 5 孵化後卵殻を食べる 6
孵化後卵殻を食べる 7 孵化後卵殻を食べる 8
孵化後卵殻を食べる 9 孵化後卵殻を食べる 10
孵化後卵殻を食べる 11 あれれと言うことで、隣に別の幼虫が近寄ってきました。70個ほどの卵の中で、数個が同時に同じような動きをしているので、隣で卵から出ているのもあり得ます。

側まで寄ってきた孵化した幼虫は、異常個体でした。
孵化後卵殻を食べる 12 まだ完全に卵殻から出ることが出来ずに、白い殻を引きづっていました。卵殻から出る時、最初に身体が通れるほどの穴を開けないで、無理して通り抜けたので引っかかっているのでしょう。

このままですと、やがては衰弱して死んでしまいます。
孵化後卵殻を食べる 13 見ていた私はあれれと思いましたが、これ以上は接近せず卵殻を食べることも無かったので放置しておきました。

やがてあきらめたのか、どこかに移動して行きました。よく見ると、卵の殻も原型を止めること無く食べられて形が変化していきます。
孵化後卵殻を食べる 14 孵化後卵殻を食べる 15
孵化後卵殻を食べる 16 孵化後卵殻を食べる 17
孵化後卵殻を食べる 18 40分ほどかけてほとんど食べたようです。

それにしても、5ミリほどの小さな幼虫たちです。虫たちの必死に生きている姿に気がつき、良かったなあと思いました。

孵化後の卵殻 1 孵化後の卵殻・・・

孵化したあとの抜け殻(卵殻)を集めてみました。中身が何もなくなっているので、外側の皮膜のみになり白っぽい感じがしています。

中央部にある四個の卵は、これから孵化するのか、それとも発生が止まっているのか、結果が出ないと分かりません。
孵化後の卵殻 2 私の思い込みですが、幼虫の色が黒っぽいので、卵の色合いが黒っぽくならないと孵化しないと思っていました。どうやらこれは違っており、早いものでは産卵後四日目ほどで孵化してきました。
孵化後の卵殻 3 大量に集めてみた孵化後の抜け殻です。

原則的には、孵化後は卵殻は食われるのが一般的ですが、これくらい残っていると言うことは必ず食べるものとは限らないと言うことでしょうか。

良く分からないことですが・・。


成長を始める幼虫 1 成長を始める幼虫・・・

孵化直後の幼虫は5ミリほどの大きさしかありません。今回は、多数の幼虫が皿の上に置かれてあるカラタチの葉を食べています。

まだ可愛いという表現が似合う姿です(私にとっての話しですから誤解しないで下さい)。しかし、やがて脱皮を繰り返し、小指ほどの大きさの幼虫に変身します。
成長を始める幼虫 2 そうなった時まで可愛いなと言う想いが継続するかと言えば、「やっぱり気持ちが悪い幼虫」と変身します。
成長を始める幼虫 3 黒い頭の部分をよく見ていると、黒い中に大きな目のように見える部分がある事に気がつきます。これが何なのかは分かりませんが・・。

孵化後卵殻を食べて成長を始めた幼虫。
おわりに・・・

前回の課題にしていた孵化の様子、卵殻を食べる様子を撮影することが出来ました。レモンの木に産み付けられたおよそ七十個の卵を集め小皿に入れ、その中からの変化を見ていての作業になりました。継続する気になればまだまだ可能なのですが、今年の撮影は気持ちを切り替える意味で打ち上げにしました。

小さな命の記録ですが、普段はこのような様子を知らないままに過ごしている私達です。立場を変えると、レモンの生長には有害な幼虫たちです。仕方のない事なのですが、これ以後は駆除しなければ作物は生長することが出来なくなります。また来年の機会を楽しみにしておきたいと思います。
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