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      クロアゲハ幼虫・蛹化と羽化の様子


   

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これから蛹になる準備をする幼虫の姿です。細い糸で身体を吊り下げていました。
クロアゲハ幼虫・蛹化と羽化の様子・・・

この頃アゲハの幼虫に取り付かれている居る私です。日課の一つに幼虫のエサやり管理がありますが、小さなガラス水槽に10頭ほどの幼虫を飼育していますので、食草であるカラタチの葉を補給しなくてはなりません。

卵から孵化した2ミリほどの幼虫が、カラタチの葉を食べて脱皮を繰り返して大きくなり、ガラス水槽の中で蛹になっていきます。何回も脱走され探すのが大変なこともありました。幼虫の成長過程を記録しながら、めったに見られない生態の様子が撮影出来た時は一人で嬉しくなることが何回もありました。

アゲハチョウの場合は、卵→幼虫→蛹→成虫と、その都度完全に違う形に姿を変えていきます。この変化を完全変態と言うのですが、じっと待機している間に体内でどろどろに変化した身体から、新しい別の姿が造られる神秘性に学生時代から惹かれてきていました。

今回は、脱皮の時に見せる不思議な行動と、幼虫の腹部から見た様子、蛹になっていく過程、そして羽化したアゲハチョウの様子を追いかけて見ました。

トップの画像は、これから蛹になる準備をする幼虫の姿です。細い糸で身体を吊り下げていました。

                                                       2017.09.13 作成


今までかなりの場面でアゲハの生態について紹介してきました。今回は、まだ画像化をしていなかった部分の紹介になります。最初に、五齢幼虫が脱皮をして脱ぎ捨てた自分の殻を食べるシーンです。

次の場面は自分でも初めての試みで撮影した幼虫の腹部の様子です。幼虫はガラス水槽に張り付いていますから、うまい具合に腹の部分が丸見えです。ストロボも反射せずに動作してくれました。

三番目の画像は、幼虫の姿が動かなくなりそのまま蛹に変化していく場面の様子です。肝心の変身場面は明け方になり気がついたら蛹になっていました。

そして四番目がアゲハチョウへの羽化の様子です。これも朝起きたらチョウの姿になっていたという失敗談です。
脱皮した殻を食べる 1 脱皮した殻を食べる・・・

たまたま五齢幼虫を見ていたら、脱皮が終わったばかりの状態が目に入りました。きれいな緑色の幼虫です。左側が頭の方向で、自分の身体の殻を脱ぎ去ったばかりの状態でした。
脱皮した殻を食べる 2 殻の姿をはっきりさせるために拡大してみました。殻の右側が尾部になります。頭の方向は幼虫の尾部に接しておりはっきりしません。

下の二コマの脱ぎ捨てた殻の画像は、左側が尾部であり右側が頭部になります。
脱皮した殻を食べる 3 脱皮した殻を食べる 4

脱皮した殻を食べる 5 脱皮したばかりの五齢幼虫は、一旦脱ぎ捨てた殻から離れて行きましたが、くるりと反転し接近してきました。

あれれどうするのだろうと見ていたら、頭の方から脱ぎ捨てた殻を食べ始めました。
脱皮した殻を食べる 6
ここからは食べる様子を撮影していましたので、かなりの数になりますが順序よくご覧下さい。すごい食欲でばりばりと食べていくようです。時間にして12分ほどかかっていました。

何故脱皮した殻を食べるのか、ネット資料等で調べてみたら、自分の痕跡を無くするため、そして、栄養分不足なので殻を食べて補充すると言った考えがあるようでした。

孵化したばかりの卵の殻すら食べていますから・・。
脱皮した殻を食べる 7 脱皮した殻を食べる 8
脱皮した殻を食べる 9 脱皮した殻を食べる 10
脱皮した殻を食べる 11 脱皮した殻を食べる 12
脱皮した殻を食べる 13 脱皮した殻を食べる 14
脱皮した殻を食べる 15 半分以上が食べられたようです。撮影しながらモニターで見ていると、モリモリと言いますか速いペースで食べています。

およそ10分後には、尻尾の方が少し残っているだけでした。きれいさっぱりと食べられていました。
脱皮した殻を食べる 16 脱皮した殻を食べる 17


五齢幼虫腹部の様子 1 五齢幼虫腹部の様子・・・

ガラス水槽ですから、うまい具合に腹の部分が丸見えです。ストロボも反射せずに動作していました。

緑色のきれいな背中と違い、腹部はグロテスクと言えそうな姿です。頭部、胸部(三対の脚)、吸盤脚、口部分の拡大画像です。

下の二コマの画像は、歩行する時に使われる吸盤部分の脚です。成体から判断すると腹部に位置しています。
五齢幼虫腹部の様子 2 五齢幼虫腹部の様子 3
五齢幼虫腹部の様子 4 口の部分とその周辺の様子になります。中央下のいかにも口らしい部分(噛みつき機構)と、その両側端にある四個の黒い点は単眼になるのでしょう。
五齢幼虫腹部の様子 5 噛みつき機構がみられる口の部分です。下に小さな脚のようなものが何個か見えていますが、どのような働きなのか不明です。
五齢幼虫頭部の下、昆虫の身体の造りからすると、将来頭部と胸になる部分、ここには脚が三対見えています。

口の部分を拡大して見ていたら、何と食べるために削り取ったカラタチの葉の一部が見えていました。これにはびっくりです。
五齢幼虫腹部の様子 7 五齢幼虫腹部の様子 8
五齢幼虫腹部の様子 9 撮影していたら、幼虫が首をもたげて立っている姿が目に入りました。何気なく読んでいたアゲハチョウの飼育に関わるブログに、気温が高くなると身体を立てて、光が当たる面積を狭くすると書かれてありました。

ガラス水槽の中は暑かったのでしょうか、ちょっぴり気になりました。

たまたまでしょうが、二齢程度の小さな幼虫が寄ってきていました。これから五齢幼虫になるには、沢山カラタチの葉を食べて、脱皮を繰り返さなくてはなりません。
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