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        カタクリの花・開花ステージ


   

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長かったつぼみから花ビラが開きかけた頃の様子になります。
カタクリの花・開花ステージ・・・

実生から育ててきた我が家の野草園ですが、今年のカタクリの花が開花し始めたのが早い場所で4月3日頃のことでした。4月最初の頃は天候不順の日が多く、つぼみの期間が長かった様に思いました。せっかく開花したのにしっかりと咲き出せず、しぼんだままの時期がかなりあった様に思えます。

開花してから三週間ほど経過していますが、最後の花も花びらが枯れかかり今年のカタクリのシーズンは終わりを告げます。子どもの頃には、ごく身近な場所にもカタクリが自生していたのを覚えていますが、今ではほとんど見られなくなり自生地は限られているようです。

毎年のことですが人工授粉を施すと、実が大きくなり6月には立派な種子を得ることが出来ます。その種子を周辺にばらまくと、翌年には可愛い葉が芽生え7年後にはうまくいけば開花するからです。うまくいけばと書いたのは、ほとんどの場合野ネズミのエサに球根が狙われ、開花するのはごくわずかになってしまうからです。

最初にもふれましたが、実生から開花させるにはかなりの年月と野ネズミとの闘いがあります。冬の間ほとんど雪に埋もれ、食べる物が無くなっている野ネズミたちは地中に穴を掘りエサを求めて移動します。カタクリの美味しい球根は彼らの腹を満たし、生命を維持させます。そんなことを考えると、球根が野ネズミに見つからない様にする事と、仮に野ネズミのエサになることがあっても食われても良い様に大量に球根を育てなくてはなりません。

トップの画像は、長かったつぼみから花ビラが開きかけた頃の様子になります。この頃が一番可憐できれいだなあと思います。

                                                       2018.04.24 作成


今まで毎年と言うほど春の使者のカタクリの花を撮影してきています。毎年同じ題材になることもあり、あまり変化の無い似通った内容になっていた感じがします。今年は観点を変え、花の開花にいたる様子を編集してみました。そんなこともあり、タイトルを開花ステージと表現してみました。

花芽のつぼみが地上に出て、つぼみが膨らみ、花ビラが開きます。雄しべと柱頭が伸びだし、花びらがまくれ上がり、満開の様子になります。その後花びらが枯れ、花びらの付け根に実が作られて花の一生が終了します。

こんな感じでまとめてレイアウトしてみました。
カタクリの花 1 春先地上に花芽が現れます・・・

この時決まっていることは、地上に出る葉が必ず二枚あることで、葉の大きさには関係が無いようです。別の見方をすれば、いくら大きくて立派な葉であっても、一枚の場合は花芽が出てきません。
カタクリの花 2 カタクリの花 3

カタクリの花 4 二枚の葉の間から出た花芽・・・

間もなく花ビラが開き始まる直前の様子です。この一株のほうが先に開花します。
カタクリの花 5 たまたま側にある二株の花芽であり、つぼみの色の着き具合で成長の段階が分かります。

カタクリの花 6

花びらがまくれ開花です・・・

うまい具合に見つけました。開花は時間との勝負であり、気がつかないでいると一気に開き出します。

カタクリの花 7 別の株のローアングルによる様子です。花の奥から出てくる雄しべや雌しべがまだ伸びてきていません。

ロゴ画像にも使用しましたが、この頃が一番可憐できれいだなあと思います。

カタクリの花 8 花びらがまくれ咲き出しました・・・

六枚の花びらがまくれ上がり、別の表現をすると満開の状態になります。花の中心からは中央に雌しべの柱頭が伸びだし、その周辺に黒い花粉の袋(葯)が柱頭を取り囲む様に伸び出します。

下の二コマはローアングルでの拡大撮影になります。
カタクリの花 9 カタクリの花 10
カタクリの花 11 一番遅く咲き出した別の場所での様子です。カタクリの花と言いますと、このような形で咲き出すのが一般的です。

カタクリの花 12 開花がかなり進んだ様子・・・

開花がかなり進み、雄しべの袋から城っぽい花粉が出だしてきた様子です。カタクリの場合、自家受粉はしないのでこの場所に他の花からの花粉を運ぶ虫の存在が必要になります。

チョウとかアブなどが飛来して来ないと受粉しません。私の場合は数が少ないので、別の花の葯をピンセットでつかみ別の花のめしべの先端にくつけてやります。これが人工授粉です。間違いなく受粉し、花の中央部の子房が膨らみ立派な実になります。

今年は忘れており失敗です。自然状態でどれくらい受粉するか興味があります。

カタクリの花  花びらが枯れ出しました・・・

受粉すれば花としての使命が終了し枯れ出します。うまい具合に受粉しない場合枯れていきますが、子房が膨らまず種子が作られないことになります。これもまた自然の掟であり、子孫を残す営みは厳しいものがあります。
カタクリの花 14 別の株の場合のようです。

カタクリの花 15 実が作られています・・・

うまい具合に受粉すると子房が膨らみ大きな実になっていきます。

この三コマはうまく受粉した様で日に日に実が大きくなっていくはずです。
カタクリの花 16 カタクリの花 17


カタクリの花 18
おわりに・・・

きれいな実の付き始めです。この実ががどんどん生長し、6月には1センチ内外の大きさになりパチンとはじけて種子が飛び出し来年度へと命がつながります。

書くのは簡単ですが、思う様にならないのが自然の状態です。私の野草園には毎年種子をばらまき、来年度へ期待します。以前は山の自生地から実を採取して乾燥させ、ばらまいて発芽させていました。今では何とか野草園の種子でうまく発芽しているようです。

毎年春になると咲き出す庭先のカタクリですが、ここまで来るのに40年以上の積み上げの歴史があります。昨年きれいに咲いたので今年もと思っても、大部分は野ネズミに球根を食われ芽が出ないことが何年となく続いていたこともあります。今では間違いなくかなりの数の花が咲き出し、私の目を楽しませてくれています。
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