動物の表情に戻る

ウチノメ屋敷 レンズの目 自然の表情 暮らしの表情 ウチノメアーカイブス
岩手の鍾乳洞 ほっづぎある記 心のオアシス  

location:uchinome.jpトップ>自然の表情動物の表情八戸市・蕪島のウミネコその2>その3

 サイトマップ


蕪島の入り口参道海側に、フェンスで囲まれた駐車場があります。堤防と駐車場の間は土がむき出しになっており、ここには沢山のウミネコたちが群れています。島の一面に見られた「ノラナタネ」はここには無く、様々な姿のウミネコ親子を見ることが出来ます。何しろ生い茂った草がないので、観察には絶好の場所です。

親子一緒の姿、親がどこかに行きぽつんと立っているヒナの姿、せっせとヒナに餌を与えている姿等々、じっと見ていると退屈しません。撮影に夢中になり接近しすぎると、親鳥にとっては外敵の接近になります。かん高い声で「カオカオ・・」と鳴かれてしまいます。時には突いてくる場合もありました。

現地にあるウミネコ生態の説明によると、孵化後10日前後のヒナの様子と思われます。手を伸ばせば触れるぐらいの距離にいますが、野生の状態を壊したくないのでそれは出来ません。

可愛いヒナたち 1 可愛いヒナたち 2
可愛いヒナたち 3 可愛いヒナたち 4


はっきりと撮影できなかったのですが、親鳥がヒナに餌を与えている場面です。小魚のように見えましたが、一旦食べてから半分消化しかかった状態のものを口から出して与えていました。育雛の親鳥は大変です。蕪島全体が育雛場所ですから、近くには餌になる小魚が豊富でないと出来ないことです。

親がどのようにして餌の小魚を捕るのか・・、大変興味があります。
ヒナにエサを与える親鳥 1 ヒナにエサを与える親鳥 2
ヒナにエサを与える親鳥 3 ヒナにエサを与える親鳥 4


数多く撮影した画像の中から、ほのぼのとした様子が感じられる親子の姿を選んでみました。新聞報道等で見られる「カルガモ」の親子ではありませんが、可愛い親子だなあと見とれてしまいます。そんな平和な親子の中に、私を含めて数多くの観光客が訪れています。

入り口の看板には、「犬やネコを連れて入らないで下さい」と書かれています。ウミネコ同士ですら接近の限度があります。その限度を破るのが人間です。一定の距離を保ち、可愛いからと手を出したり餌を与えたりすることなく、そっと見守りながらの観察にしなくてはいけない。訪れるたびに心に言い聞かせて居る私です。
親子の語らい 1・・ほのぼのぼのとした様子が伝わってきます。卵がまだ一個孵化していません。 親子の語らい 2・・恐い人間が来たよ、気をつけてね。もう少し接近すると突かれそうでした。
親子の語らい 3・・親が必死になって鳴いています。きっとヒナに教えているのでしょう。 親子の語らい 4・・お腹すいたよ、何か食べたいよとでも話しているのかなあ。


海側の駐車場から見た蕪島の様子です。島の周囲にはフェンスが回され、立ち入りが禁止されています。下から見た蕪島は小高い丘になり、頂上に蕪島神社が見えています。フェンスまでは自由に立ち入ることが出来ますが、現在の様子ではとても立ち入る気になれません。あちこちにウミネコが居て、巣を作り抱卵中のもの、可愛いヒナと一緒のもの等々気配りをしなくてはならないからです。

NO.63でトップページの背景にしましたが、なにかのはずみで隠れていたウミネコ達が一斉に飛び立ちます。もの凄い数のウミネコ達が空一面に広がり、羽ばたき音を立てて海の方に飛んでいきます。思わず「わーっ」と声が上がった私ですが、めったにないこの瞬間です。ウミネコ乱舞の下にいて夢中で撮影しましたが、幸いなことに「うんこ爆弾」の攻撃には遭いませんでした。
フェンス側から見た蕪島神社 フェンス脇にある岩場・・沢山のウミネコと、糞で岩場が白くなっています。
一斉に飛び立ったウミネコ 1・・突きあたりの堤防の切れ目から海岸に出ることが出来ます。 一斉に飛び立ったウミネコ 2・・何羽のウミネコが飛んでいるのでしょうか。


蕪島に関してのテキスト文を書きながら、今から50年前のことを思い出していました。学生当時の夏休み、蕪島の植生の現地実習に行きました。引率の植物学教授と20名程の学生が、蕪島の付近の砂浜や島に生えている植物の名前と分布を調べたわけです。

今となるとどのような名前だったかは忘れましたが、アルバムに書かれている感想文に友人のK君がこんな事を書いていました。♀(メス)と♂(オス)の数の比は?。一年間の全糞尿量は?。それが「カラスナ」に及ぼす影響は?。この「カラスナ」と言うのが、全島に分布している植物だと指導の教授が教えたのです。しかしですが、「カラスナ」・・・で検索しましたが該当の植物名はありませんでした。今となれば、「ノラナタネ」の仲間なのかも不明です。

また八戸市蕪島というと、学生時代の二級先輩になるNさんを思い出します。Nさんは八戸市内で教職に就く傍ら、卒論研究でライフワークになさった「ウミネコの研究」に生涯をかけている研究家でもあります。Nさんが会長となって取り組んでいる「ウミネコ繁殖地蕪島を守る会」の記事を読んで、ウミネコの保存にかける地元の研究者のみなさんに頭の下がる思いでした。そして、ウミネコの保護と観光資源、難しい問題があると思い知らされました。

最後の画像は、丁度50年前(昭和32年)になる実習当時のネガから取り込んだものです。岩場がどの部分になるのか、歩いている場所等覚えていませんが、沢山いるウミネコにびっくりしたことを思い出していました。8月のことですから、かなりのウミネコが離島していたと思います。画像に若い頃の友人が出てきますが、なにぶん50年前のことですから笑ってお許し下さい。
昭和32年(1957)の蕪島実習 1 昭和32年(1957)の蕪島実習 2
← 前に戻る              八戸市・蕪島のウミネコに戻る →