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      大泉が池出島・池中立石修復作業


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土嚢で囲まれた出島と立石です。

出島と池中立石・・・

荒磯の風情を表現しており、飛島には約二.五メートルの立石が据えられている。池中立石は、毛越寺庭園を象徴する景趣である。(※頂いた観光パンフレットより)


この場所は何時訪れても絵になる場面であり、その都度撮影するポイントでもあります。今回何気なく見ていたら、周囲に土嚢が集まれ池の底が現れていました。修復中であることは知らなかったので、しばし見とれてしまいました。南大門跡から見たとき、岸辺の玉砂利がかなり出ています。晩秋期には水位を落とすのかな、その程度の理解しかありませんでした。

そんなこともあり、出島・立石修復場面を目の当たりにしたとき嬉しくなってしまいました。大泉が池や作庭当時のことを知る資料等がなく、ネット検索で調べてみてもはっきりとしたことが分かりません。


出島・立石修復現場 1 州浜の側にある出島と池中立石の場所です。この周辺に土嚢がびっしりと詰まれ、水が抜かれた中で測量がされています。

昨年の東日本大震災で立石が8度程傾き、ほどなく現状に戻されています。今回は修復作業と言うことで、立石と出島周辺が作業中でした。

一般の方は立ち入りが出来ませんが、関係者の方でしょうか現場の方と話されていました。
出島・立石修復現場 2・・・現場の案内板。 現場の説明板・・・

浄土庭園大泉が池の「立石」は、東日本大震災の影響で約8度傾きましたが、修復により震災前に戻りました。

引き続いて立石と出島付近の修復作業のため、池の水を取り除いたところ、普段は見えない島の斜面にもていねいに玉石が並べられていました。島の構造や岩の配置など、平安時代の作庭のようすをうかがうことができます。

ご拝観の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。

出島・立石修復現場 3 説明板と同じ場所からの撮影です。奥の方から立石、出島と続きます。ふだん見ているのは水が張られた池ですから、こんなに石がごろごろ置かれているとは想像できません。

拡大してみると、水に接している部分は白っぽくなっています。当然ですが、底の玉石や砂利等は見えません。

下の画像は、出島付近とその拡大です。
出島・立石修復現場 4 出島・立石修復現場 5
出島・立石修復現場 6 場所を移動してみた様子です。作業中の皆さんの休憩場所でしょうか、お弁当等が置かれてあります。
出島・立石修復現場 7 池中立石の部分になります。立石の周辺はびっしりと玉石が敷かれています。泥の中の池底に立てられているのみではなく、周辺ががっちりと固められています。

下の画像は、出島の部分とそれから岸辺に向かい置かれている石になります。資料によると、ここに置かれている石は「蛇紋岩」であるとのことです。

蛇紋岩は、この地から東側に位置する束稲山を構成している岩石です。作庭当時にここまで運んできたのかなと思うと、想いが束稲山に向かいます。
出島・立石修復現場 8 出島・立石修復現場 9
出島・立石修復現場 10・・・出島岸辺部分の池底。 出島岸辺部分の池底になります。この場所にもぎっしりと玉砂利が敷きつめられています。

全体的に見ると、出島・立石の基礎部分は泥の上に石が敷かれ固定されていることが分かります。今まで何気なく見ていた部分になりますが、このような基礎部分があるから景観が維持されてきたと言えます。

修復現場遠望、今に水が張られます。
この修復作業は十二月には終了し、以前に見ていた景観にもどります。私が見るのは、一月二十日の夜の行事「二十日夜祭」の時になります。今年の冬も寒気が厳しいとの予想が出されていまが、真冬の氷の中にぽつんと浮き出る出島・立石が絶妙の対比になります。