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            スズランの花


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5月24日に撮影したもので、純白の可憐な花に惹かれます。

スズラン・・・

半世紀ほど前の学生時代、盛岡郊外の姫神山にハイキング登山をしました。登山道脇にはスズランの群落があり、
可憐なスズランが咲き乱れていたことを思い出します。「スズランの花の側で寝ると、毒気を吸い込んで死ぬんだって・・」、と側にいた友人が語ったことが何故か頭から離れませんでした

今から二十五年ほど前のことになりますが、庭の片隅に可憐なスズランの株を数本頂いてきて植えたことがあります。今ではかなりの株が増え、広い区画一杯(約一坪ほど)に咲き誇っているスズランです。スズランの花畑で寝転ぶ雰囲気にはなれませんが、資料を調べるとかなり毒性が強いことが書かれています。

早い株は五月中旬前から咲き出していますが、あまりにも小さい花なので普通に撮影してもうまくはいきません。マクロ撮影の分野に入り、レンズの選定と装置を吟味しなければならず手つかずの分野でした。今回可憐な花に惹かれ、マクロ撮影用具を整備してしばらくぶりの撮影を試みました。天気が良かったこともあり、ストロボを使用せず手持ち撮影のみでした。少々ピントの奥行きが不足ですが、拡大マクロの場合は仕方ありません。

撮影は三つの分野に分け、全体の様子、花だけの様子、一つの花の拡大を試みました。三脚を使用すれば良いのですが、生えている株そのものを撮影しましたのであまりにもローアングル過ぎて使用出来ません。ピントの甘いことの言い訳になりますが・・。

トップの画像は5月24日に撮影したもので、純白の可憐な花に惹かれます。


スズラン(鈴蘭)・・・

スズラン(鈴蘭)は、スズラン亜科スズラン属に属する多年草の一種。君影草(きみかげそう)、谷間の姫百合の別名もある。

毒性:
強心配糖体のコンバラトキシン、コンバラマリン、コンバロシド などを含む有毒植物。有毒物質は全草に持つが、特に花や根に多く含まれる。摂取した場合、嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重症の場合は死に至る。

北海道などで山菜として珍重されるギョウジャニンニクと外見が似ていることもあり、誤って摂取し中毒症状を起こす例が見られる。スズランを活けた水を飲んでも中毒を起こすことがあり、これらを誤飲して死亡した例もある。

種類:
スズラン属の日本在来種は、本州中部以北、東北、北海道の高地に多く自生する。北海道を代表する花として知られる。花には強い芳香がある。観賞用に栽培されているものの多くはヨーロッパ原産のドイツスズランである。日本に野生するスズランと比べると大型で、花の香りが強い。またスズランの花茎が葉より短いのに比べ、ドイツスズランは花茎が葉と同じ長さかそれ以上に伸びる。花色は白が普通だが桃、紅などもあり、葉に斑(縞)の入った品種もある。

植生:
全体は高さが約20〜35cm程と小さく、地下は根茎状になっているため、痩せた土地に自生している場合も多い。他の多くの野草と違い、葉よりも低い位置に花が咲くことを特徴としている(ドイツスズランは花が上)。葉の数は2〜3枚ほどしかなく、長い楕円形をしており、付け根は鞘状になって茎を抱き込むかのような形になっている。秋になると、赤い球形の実を付ける。

花は釣錘型をしており、その直径は一つ当たり7mm程と小さい。4〜6月ごろ、葉の外側から伸びた花茎に、白い花が10個ほどまだら状に咲く。この花は非常に香りが高い。

薬草として:
地下茎の部分を掘り出して乾燥させたものは「鈴蘭根」と呼ばれ、かつては利尿薬や強心剤として用いられていた。しかし過剰に摂取すると心不全を起こすなど、強い毒性をも持つ事が知られるようになり、そのため現在では利用されなくなっている。鈴蘭はまた地下茎以外の部分にも毒性が有るため、その扱いには十分な注意が必要である。

                                              (※ウイキペディア、にこにこ大百科より)


                                                      (2014.05.31 作成)


株全体の様子・・・

二十五年ほど前に植えた場所はかなりの密植状態(一坪ほどあります)で、カメラを持ち込んでセッティングするのが困難でした。別の場所でゆったりと生育している株を目線(レンズ目線)を同じにしての撮影です。

最初の画像は5月24日の状態であり、7ミリほどの純白の花でした。解説にあるように不規則な並びですが、10個の花が並びます。

二番目の画像(最初と同じ株)は5月28日の状態であり、少し色が黄色っぽくなりかかっています。

三番目の画像は、四本の株と密集した根の様子を比較してみました。花が咲いている株は三本であり、そのうち二本だけが10個の花を数えることが出来ます。かなり黄色っぽくなっています。
株全体の様子 1
株全体の様子 2
株全体の様子 3

花の様子・・・

ここからはマクロ撮影になります。レンズ目線は花と同じレベルにし、60ミリマクロレンズを使用しました。かなり接近して撮影することが出来ます。花のセッティングは、株全体の場合と同じになります。

最初の画像は5月24日の状態であり、7ミリほどの純白の花でした。たまたまですが、花の陰が隣の株の葉に写り何とも言われない雰囲気をかもし出しています。お気に入り画像になります。釣り鐘状と言いますか可愛い形になります。

二番目の画像(最初と同じ株)は5月28日の状態であり、少し色が黄色っぽくなりかかっています。また、雌しべの先端の柱頭部が伸び色がはっきりしてきます。

三番目の画像は5月28日の状態であり、二本の株につく10個の花を強調しました。よく見ると花の中に緑色っぽい果実が見えています。撮影は花の中を見るために、斜め下から見上げた状態になっています。
花の様子 1
花の様子 2
花の様子 3

花の拡大・・・

ここでは花を株から切り取り、花の下側を上にセットし花の中が見える角度で撮影しました。60ミリマクロレンズを使用しての拡大撮影ですが、レンズ単体では出来ませんのでオート接写リングを併用しています。レンズ先端部と花との距離が数センチぐらいになり、かなり撮影したコマから比較的ピントの良い状態の画像を選んで使用しています。

花の真下を上にし見下ろす角度で撮影すると、花の内部の造りがはっきりとします。中央部に果実が出来はじめ、丸く大きくなっています。果実の周囲には6個の雄しべの葯が見えており、果実の中心にある柱頭部も残っています。このまま大きくなった果実は秋には赤い実になり、葉っぱが枯れてこの世代が終了します。

確認はしていませんが、果実の中には種子が造られています。株の根の分けつで増える個体と、種子が散らばり翌年には新しい個体が造られ増えていきます。
花の拡大 1
花の拡大 2
花の拡大 3
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