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             ユキツバキ


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雑木に寄り添うように咲いており、愛らしい様相です。

ユキツバキ・・・

胆沢ダム上流に位置する猿岩、この周辺がユキツバキの生息地として岩手県の天然記念物指定を受けています。たまたまですが、おろせ広場付近まで通られるようになったことから天気の良い日でしたが走ってきました。家の周辺で一般的に見られるヤブツバキと違い、ユキツバキの場合、花の中央部にある雄しべの形状が筒状から糸状になっていることでした。

実際にユキツバキの雄しべを見てなるほど思いました。その他の違いとして、花の大きさも幾分小さく小型でした。また木の大きさも大木にはならず、せいぜい2メートルほどでした。雪の多いところでは冬期間雪に埋もれ、春先に雪解けの中から花が咲く事になります。

トップの画像は、たまたま現場にあった雑木に寄り添うように咲いており、愛らしいと言いますか見ていて何とも言われない雰囲気でした。ここでは、おろせ広場の前と道路切り通し斜面に自生している様子を撮影しました。樹形全体の様子、つぼみ、花の様子を紹介致します。


ユキツバキ・・・

日本に自生する椿には、里に多いヤブツバキ、北陸から東北の多雪地帯の山中に見られるユキツバキ、屋久島などに分布するヤクシマツバキの3種が知られています。

ユキツバキは、日本海側の多雪地帯に適応し、高さは1〜2メートルにしかなりません。積雪のために這うことが多い枝は、しなやかで折れにくく、地表に接した部分で根を下ろします。

ユキツバキとヤブツバキはよく似ていますが、ヤブツバキの花の雄しべが癒合して筒状になっているのに対し、ユキツバキの雄しべは筒状の部分が非常に短く、糸状であることで見分ける事が出来ます。

ユキツバキが自生する横岳・前山から東前川山一帯は「胆沢川流域ユキツバキ群落」として、県の天然記念物に指定されています。
                                                        (※現場案内看板より)

                                                        2015.05.14 作成


樹形 1 樹形・・・

おろせ広場の説明に樹高が2メートル程度と書かれてあります。

そうなるとほとんどのユキツバキは、地表から大きな木になれないで這うようにしか成長できません。

何せこの地は冬は数メートルの積雪がありますので、冬期間は雪の下になります。

フェンスダム側の斜面に地表を這う株があり、開花していました。
樹形 2 この株には花は見られませんが、先端部の様子が新芽の成長に見えます。
樹形 3 これは樹高があり、沢山の花が開花していました。
樹形 4 白く見えるのがユキツバキの幹であり、地表から上に成長しています。

この場合でも、冬期間は雪の下になります。
樹形 5 太い木は他の樹木であり、ユキツバキではありません。

ユキツバキは下の方にあり、赤い可憐な花をつけていました。

つぼみ 1 つぼみ・・・

新しく造成された道路脇の斜面で見つけたユキツバキです。

道路から少し下に降りれば、手に取る場所に花がありました。

ほとんどが開花していましたが、探すと色々な成長過程のつぼみが見つかります。

その中からきれいなつぼみを見つけ撮影しました。
つぼみ 2 これから開花する寸前のつぼみです。もっと側に寄りたかったのですが、場所的制限があり無理でした。
つぼみ 3 目の前につぼみを二個配置しました。

一つは日向で開花寸前のもの、もう一つは日陰でこれから開花するものです。
つぼみ 4 上と同じ場所のつぼみですが、光線状態を調整し何とか三個のつぼみを配置してみました。

花の様子 1 花・・・

トップの画像に使用した画像です。

大きな雑木に寄り添うように咲いており、愛らしいと言いますか、見ていて何とも言われない雰囲気になりました。
花の様子 2 かなり散りそうになっている花ですが、雄しべの状態が筒状では無く、一本一本糸状になっているのがはっきりします。
花の様子 3 たまたま花の様子をマクロ撮影していたら、レンズの中に動くものが飛び込んできました。

多分アブの仲間だと思いますが、細い雄しべに乗りかかりホバリングの状態で蜜を吸おうとしています。

口吻を花の中に付き出して蜜のあり場を探しています。何個か撮影した中から、口吻の方向とピントの合った画像を並べてみました。
花の様子 4 それにしてもこのアブ、かなり細い足です。こんなに細くては、雄しべに留まり身体を固定するのは困難です。
花の様子 5

やっと口吻が花の中心に届いているように見えます。

そうなると、羽根を高速で羽ばたかせ身体を空中にとどめるのが最良のようです。

花の雄しべは花粉を移送させて受粉しますが、このアブは体中に花粉をくつけ飛び回ります。アブの身体の下に雌しべの先端部(柱頭)があり、アブが動くことにより受粉する仕組みになっています。

おもしろいものを見つけて嬉しくなりました。

 


ユキツバキ(雪椿)・・・

ユキツバキ(雪椿)は、ツバキ科ツバキ属の常緑低木。別名、オクツバキ、サルイワツバキ、ハイツバキ。主に日本の太平洋側に分布するヤブツバキが東北地方から北陸地方の日本海側の多雪地帯に適応したものと考えられ、変種、亜種とする見解もある。新潟県の県木に指定されている。

幹の高さは1-2mほどになる。葉は枝に互生し、短い葉柄がある。葉の形は楕円形で先端は尖り、縁はヤブツバキに比べて鋸歯が鋭い。樹形は積雪の関係で地を這う形になる。

花期は4-6月で、花弁は薄く、水平に広く開く。雄蕊の花糸は合着せず、濃橙黄色から黄赤色になる。果実はまれに実り、種子は1-2個ある。

本州の東北地方から北陸地方の日本海側に分布し、ブナ帯林の林床などに自生する。エゾユズリハ、ヒメモチ、ヒメアオキ、ツルシキミ、ハイイヌガヤなどの日本海要素の常緑地這植物とともに、ブナ林やコナラ林など落葉樹林の林床にみられる。

このような地域は多雪地帯であり、冬季には三ヶ月にもわたって数メートルの雪に覆われる。その間、ユキツバキは雪に覆われて地表に押しつけられた形で過ごし、春に雪解けが始まるとその姿を現す。すると、倒れていた枝は次第に立ち上がり、花をつける。花期は地域にもよるが四月中旬から下旬。森林下の株では花数が少なく、一枝に複数個をつけることは希だが、林縁部ではより花数が多い株も見られる。
                                                        (※ウイキペディアより)



今回初めて撮影したユキツバキです。まだまだ開花が楽しめそうなので、機会を見つけて再度撮影に訪れたいと思います。

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