大津波・三陸沿岸被災地 その3 復興祈願祭に戻る


      釜石復興祈念・釜石夏の港まつり


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只越虎舞による笹喰みの場面

釜石夏の港まつり・・・

7月17日に開催された釜石夏まつりは、「釜石の復興はここから」をスローガンに、尾崎町町内会の皆さんが立ち上げた釜石復興祈念・チャリティーイベント夏の港まつりです。地域を挙げてのイベントを目の当たりにして、本当の復興はここからだなあと思いました。

ネットで見たイベントチラシには、「津波にもマケズ 見せるぞ! 釜石浜の心意気」と書かれてありました。会場は東前バス駐車場特設会場となっており、尾崎神社入り口の近くにありました。

道路を隔てた会場の近くには、かつての釜石魚市場があります。この魚市場は、未だに壊滅状態であり復旧の手が入っていません。岸壁に出るために壊れた魚市場の建物を通りました。日陰になっている場所には水溜まり、そしてコケが生えてぬるぬるして滑ります。かつての威勢の良い魚市場の姿は残骸しか残っていません。漁船が接岸する岸壁はコンクリートにひび割れが入り陥没しています。その東の方には、大津波で打ち上げられた何千トンもある貨物船がそのままになっています。(※この記事は7月17日当日の記述です。すでにHPで招待しておりますが、大津波で打ち上げられた大型貨物船アジアシンフォニー号は10月20日に海に戻されています。

岩手県沿岸各地でもいち早く魚市場の復旧再建がなされ、三陸沿岸で収穫された水産物が水揚げされ賑わい始めています。釜石市はどうなっているのでしょうか・・・。当然のことですが漁業が再開され魚の水揚げがなければ、この地の活性化にはならないと思われます。(※この記事は7月17日当日の記述です。)

11月9日付けの新聞報道によると、岩手県内10月末まとめによると『秋サケ漁回復着々・・、漁獲量前年同期の64%』となるようです。釜石魚市場では10年142トンに対し11年10月末では76トンとなっています。岩手県内の秋サケの漁獲高は、過去五年の平均で23,601トンで88億3383万円。単一魚種として最も大きく、漁業者の生活の基盤となっていると言います。

トップの画像は、会場で披露された只越虎舞による笹喰みの場面です。はっきりしたことは分かりませんが虎舞にはいくつかの場面があり、「笹喰み」とは繁殖期にある虎の習性の様です。盛んに獲物を求め焦燥し、笹にかみついて歯を磨ぐなど気性が荒くなり、猟師が虎狩りするのもこの頃だという伝説によるもので、笹竹をくわえて踊る姿は虎の習性を良くあらわしている。(※釜石大槌の伝統芸能より)

※使用している画像は、7月17日現在の状態であることをご了承下さい。



9:40頃 会場周辺の家並み・・・

道路は瓦礫等が除けられていましたが、道路脇の家並みや積み上げた瓦礫等はそのままで、車の置き場所が見当たりません。

会場を造っている方にお聞きしたら、「特に決めていないので何処でも良いよ」と言われ出入りの妨げにならない場所を見つけ車を置きました。

被災地は何処でもそうですが、クギが大量に落ちているので注意が必要です。



会場周辺の家並み 1
会場周辺の家並み 2 会場周辺の家並み 3
港まつり会場・・・

もっと大がかりな舞台設営かと思ったら(失礼ですが)、町内会でのイベントであり正面の崖の上には「がんばろう釜石」の垂れ幕と大漁旗等が吊されてありました。

正面には舞台(ステージ)があり正面と向いての演舞になるとのこと。正面に三脚を据えて場所を確保しました。

夏の日射しがかなり強烈で暑いのですが、浜風がクールで汗をかくほどではありません。気温は30度ありがっちりと日焼けしましたし、直射日光での撮影はコントラストが強くどぎつくなりました。

港まつり会場 1
港まつり会場 2 港まつり会場 3
会会誌での挨拶、町内会会長さんだと思いました。 11:00 開会式・・・

開会式では、小さなハンドマイクを使っての挨拶等がありましたが、ほとんど聞き取れないのが残念でした。

さすがは市長さん、マイクの使い方が適切で大きな声で話されていました。

お祝いにかけつけた釜石市長さん 市長さんのアップです

釜石市長挨拶より・・・

皆様ご苦労様でございます。釜石市長の野田でございます。今日は地元の皆さんがなんとかしてこの街を復興のために元気を出そうと言うことで、釜石港夏祭りを開催をしたところでございます。

このように大勢の皆さんがお集まりを戴きまして、盛大に開催出来ましたことを心からお喜びを申し上げたいと存じます。今、皆さんで黙祷を捧げたわけでございますが、この3月11日の大震災におきまして大きな被害をこうむりしました。未だ行方の分からない方々も居られる状況でございます。改めてお見舞いを申し上げたいと思います。

一方ではまだまだ瓦礫の撤去も思うように進んでいないところもございます。皆さんには大変ご心配やらご迷惑をお掛けしているところでございますが、なんとか7月中には仮設の住宅も全部完成していただき、また、8月にはこの周りの瓦礫の撤去も速やかに取り組むように全力を尽くして取り組んでおります。

しかしながら、???事業の皆さんにとってはなんとかして早く再建をしたいと言う思いをお持ちの方も居られると思います。そう言った方々とよく相談をしながら早く復旧いたすように取り組みを全力を尽くしたいと思います。

7月12日、釜石市の復興計画の骨子について皆さんにご説明いたしました。釜石新聞が創刊されましたので、その新聞を通じて皆さんに情報提供をしていきたいと思います。今後とも新聞等についてはよく目をこらしてご覧になっていただきながら、一緒になってこの街の復旧活動に取り組んでいきたいと思っています。

これからが本当の復旧に向けた取り組みです。その意味では今日、こうして地域の皆さんの心の繋がり頼もしい限りでございます。どうぞこれからも、地域の皆さん心を一つにしてこの町の復興のために一緒になって努力をしていただきますことをお願いして、今日の会を盛大に開催されますことを心から御祈念申し上げましてご挨拶と致します。
(※現場での記録から)

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