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      2009岩手水沢黒石寺・蘇民祭


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手に角灯を持ち家内安全・五穀豊饒を願い、妙見堂までのお参りの様子です。

東奥の奇祭として知られる奥州市水沢区・黒石寺蘇民祭、2月1日から2日早朝にかけて古式伝統にのっとり行われました。開催日が毎年違い曜日も違います。開催日は、旧暦の正月七日〜八日にかけて執行されると言います。昨年はポスター騒動であまりにも喧伝された蘇民祭でしたが、今年は報道陣も例年並みで、厄年連中、一般祈願者の善男善女で賑わいました。

雪のほとんど無い蘇民祭になるのではと心配されたのですが、前日から降っている湿った雪がかなり積もりそうで安心しました。今回で三回目の見学と撮影になりますので、今年はどのように撮影するかを事前に考えていました。今年は午後十時からの「祈願祭での様子」、十一時半からの「ひたきのぼり」に集中して撮影してみました。夜間ですからストロボ使用は当然ですが、可能な場面では高感度機能を使用しての撮影です。

この場面は、祈願祭(別名夏参り)で瑠璃壺川で水垢離をし薬師堂を参拝した後、小高い丘の上にある妙見堂に参拝するときの様子です。角灯を手にし「ジャッソウ・ジョヤサ」と気勢を上げる裸の男衆、その後に続く一般の祈願社の行列が続きます。テレビ報道のライトが人々を照らし出しています。ストロボを使用せずに撮影した画像です。



夏参りまたは祈願祭・・・午後十時

家から黒石寺までは40分ほどかかります。道路がほとんど凍結していなかったこともあり、駐車場に入ったのが午後七時四十分頃でした。昨年は水垢離をする場所に二時間前に行きましたが、ほとんど誰も居ませんでした。場所を確保するために二時間前に沢に入りましたが、すでに先客があり絶好の場所には数人の方が座っていました。皆さんも同じ思いで早く来るのです。あちこち撮影に出かけますが、撮影場所の確保は時間との闘いになります。

これから午後十時まで、暗い沢の中で忍耐の時間になります。私の側に寄ってきた方がありました。「どちらから?」とお聞きしたら、「茨城からです。初めてなんですよ・・、天気予報を見て来ました」と笑っておられました。

午後十時、瑠璃壺川の上にある庫裏の方から「かーん・かーん」と鐘の音がし、男衆の「わーっ」と歓声が上がり、いよいよ祈願祭のが始まりました。先頭は赤手拭いの檀家長老、その後に角灯を手にした奥州市長、市議会議長、消防団が続きます。そして裸の男衆が、「ジャッソー・ジョヤサ」の掛け声を上げ、一般参加の皆さんと瑠璃壺川前に降りてきます。

最初にお断りしますが、このページの構成は祈願祭で三回巡ってくる中から編集していることをご了承下さい。

夏参り・入場 1・・・赤鉢巻きの檀家長老が先頭で、消防団、市長、市議会議長と続きます。 夏参り・入場 2・・・すぐ後ろには男衆が続きます。年配の方々とお見受けしました。
夏参り・入場 3 夏参り・入場 4・・・行列の最後の方は一般参加の皆さんです。


山内川を堰き止めた場所を瑠璃壺川と言います。手桶が四個むしろの上に置かれ、男衆の到着を待ちます。今回撮影し画像処理をしていて気がついたことですが、行列先頭の檀家長老が川の中に手を入れて水をすくい、口に含んで居る所作でした。詳しい事は分かりませんが、自分と儀式の安全を祈願してのお祓いなのかなと思います。新しい発見です。

もう一つは、檀家長老の後ろにいた男衆がただ一人水に入り、「蘇民将来・・」と叫んで手桶の水を頭からかぶります。時間にしてあれっという間ですが、皆さんしーんとなり見守っていました。今までは気がつかない事でした。

この一連の始まりの儀式が終わり、ここからは瑠璃壺川に来た順序で歓声を上げて一斉に水垢離をします。外気温はマイナス3度ぐらい、水温は1度前後と言います。ここでは水垢離をする方と、岸に立って次は自分の番だと見守る方、一人一人のアップでの表情をねらってみました。
夏参り・瑠璃壺川 1・・・水辺に手桶を四個置き、係の世話人が待っています。水垢離で出入りするところにむしろが敷かれてあります。 夏参り・瑠璃壺川 2・・・行列が水垢離場に到着しました。いつもながら市長のAさんの姿がありました。
夏参り・瑠璃壺川 3・・・先頭の檀家長老が、水垢離場の水を口に含み出しているところです。これも儀式の流れなのでしょう。 夏参り・瑠璃壺川 4・・・行列の先頭にいた男衆で、一番最初の水垢離です。大勢の方が注目しているので気合いが入ります。

夏参り・水垢離の表情 1 夏参り・水垢離の表情 2 夏参り・水垢離の表情 3
夏参り・水垢離の表情 4 夏参り・水垢離の表情 5 夏参り・水垢離の表情 6
夏参り・水垢離の表情 7 夏参り・水垢離の表情 8 夏参り・水垢離の表情 9
夏参り・水垢離の表情 10 夏参り・水垢離の表情 11 夏参り・水垢離の表情 12
夏参り・水垢離の表情 13 夏参り・水垢離の表情 14 夏参り・水垢離の表情 15
夏参り・水垢離の表情 16 夏参り・水垢離の表情 17 夏参り・水垢離の表情 18

祈願祭の行列は三回回ってきます。今回は一回目の水垢離を撮影してから、場所を別の方に譲りその場から離れました。下の画像は二回目のお参りの場面を山側から撮影してものです。

左側の画像は、堰き止めた場所の山側で撮影絶好の場所でもあり、早くから来て場所取りをしているカメラマンの皆さんです。私も毎年画面中央の水際に陣取ります。足場が悪くて崩れやすい崖ですから注意が必要です。間違ってカメラを手放すと、ごろごろボチャンと水に入ります。もちろんですが撮影する自分もです。

右側の画像は水垢離をする順番待ちの男衆です。身体がぶつかり合うほど接近し、角灯を上に持ち上げて気合いを入れて待っています。
夏参り・水垢離の表情 19・・・水辺の崖側には多くのカメラマンが構えています。ちょっと前までは私もそこで撮影していました。 夏参り・水垢離の表情 20・・・水垢離順番を待つ男衆、物凄く混み合っています。

夏参り・水垢離の表情 21・・・今回のお気に入りです。目をかーっと開け、手桶の水をかぶる姿に感動です。
手桶を手にし、下帯一つの男衆が次々と川に入り「蘇民将来・・」と叫びながら水をかぶる瞬間は、本当に待ったなしの状態になります。

私が居る場所から見て、あらゆる向きで水をかぶります。頭から水をかぶり顔の見えない方、後ろ向きの方等々で夢中になっての撮影でした。

かなりのコマから選んだお気に入りの場面がこの方です。ほとんどの方が水をかぶる瞬間は目が細くなりますが、この方は目をかーっとあけ、無心で水をかぶる姿に感動しっぱなしの私でした。


薬師堂の中に入る祈願祭の行列です。昨年は中に入り様子を撮影しましたが、今回は下の境内からストロボなしで撮影してみました。暗くてよく分からないのですが、手にした角灯には所属と氏名、蘇民祭の文字が浮かび上がってきます。

薬師堂の中を回った祈願祭参加の皆さんは、正面階段を下りて隊列を組み後ろの小高い丘にある妙見堂に向かいます。
夏参り・薬師堂 1 夏参り・薬師堂 2
夏参り・妙見堂に向かう 1・・・先頭は赤い鉢巻きの檀家衆です。 ここからの撮影は、薬師堂の周囲から見下ろした角度で撮影しました。赤い鉢巻きの檀家衆や黄色鉢巻きの世話人に続き、右手に角灯を持ち気勢を上げながら、丘の上にある妙見堂に参拝します。

角灯に書かれてある文字を見ると、25才の若い男衆の元気な姿も見られます。年配のベテラン男衆は、表情も厳しく「ジャッソー・ジョヤサ」の掛け声と共に歩いていきます。男衆に混じり、一般参加の善男善女の皆さんも多数参加していました。
夏参り・妙見堂に向かう 2 夏参り・妙見堂に向かう 3・・・25才の厄年連、49才の厄年連の姿が見えています。
夏参り・妙見堂に向かう 4・・・寒そうですが、手に片方のわらじを持っています。 夏参り・妙見堂に向かう 5・・・周囲の雪の多さがお分かりでしょうか。
夏参り・妙見堂に向かう 6・・・ストロバなしの画像です、角灯の流れがきれいでした。 ほとんど暗い場面なのですが、たまたまテレビ局の取材カメラの照明で明るくなっています。ここではストロボを使用せずに、カメラの高感度機能を使用してみました。手にした角灯がくっきりと浮かび、深夜のお参りの情景が出せたと思います。
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