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location:uchinome.jpトップ>暮らしの表情>催しアラカルト登米市・米川の水かぶり>その2

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山門に立つ水かぶり姿モデル・・・

会場には、軽やかな登米音頭ががんがんと流れています。山門前に立ち止まったモデル役の男性は、程なくして大勢の皆さんが待ちかねる広場に入ってきます。そして、ステージ前まで進み撮影会が始まりました。

ただ今水かぶりのモデル二名がいよいよ到着でございます。どうぞ皆様記念撮影をお願いいたします。モデルさん、山門から入って頂いてステージ前を回ってもらえると良いかなあと思います。まだ参拝しておりませんので、神の化身にはなっておりません。まだわらを抜いてもだめですよ。(※会場アナウンスより)


ここで、わらを抜かないようにと注意が出ます。

山門前のモデル 1 水かぶり宿を出たモデル役の男性二人が、山門前の石段に立ちポーズをとります。格好のモデル姿でもあり、カメラを持った皆さんが集まってきます。

宿から追いかけてきた私は、最前列に場所を確保し撮影できました。

頭の先端部が広がっているものと、しっかりとくくられている違いがお分かりかと思います。

足下を見ると裸足にわらじ履きになります。今回は雪がありませんが、かなり冷たそうです。
山門前のモデル 2 山門前のモデル 3


開会行事・・・

軽やかな口調の進行係の男性から開会が告げられ、ステージ上では挨拶が始まりました。現場で記録しながら撮影しましたが、その内容を抜粋で紹介いたします。


米川水かぶり保存会会長・・・

ご来場の皆様、ようこそ米川の水かぶりにお出で下さいまして有り難うございます。昔の人達は自然の猛威に対して畏敬の念を持って神として祀りました。そして、神様が鎮まるようにお祭りや行事を行い災いが起きないように祈願してきました。米川の水かぶりの行事は、そのような行事の一つとしてこの地方に昔から伝わる火伏せの行事です。

水かぶりは、この地区の五日町の男で数え十五歳前後、元服以上の成人男性だけが水かぶり姿をすることが出来ます。町内の小学校の六年生・十二歳ですけれども参加いたします。また中学生二人ほど参加いたします。成人儀礼とか通過儀礼と言われるものになります。厄年で参加した人達は厄払いができるようになります。


五日町町内会会長・・・

本日は遠くからお越し頂きまして有り難うございます。寒い中、多くの皆様方にこのイベントにご来場頂きます事を、地元を代表いたしまして御礼申し上げます。司会よりもお話しのありましたこの水かぶり、八百年以上の伝統を持つ行事でございます。日本全国の中でも非常に珍しいお祭り、是非皆様方にも火伏せと言うことでそれぞれの家庭に戻られても気をつけて頂きたいと思います。

お願いでございます。間もなく本隊が参り秋葉権現に参拝いたしますが、その間はあくまでも見習いでございます。わらを抜いても火伏せにはなりません。是非見習いの内は黙って見て頂きます。装束をしてきた若い衆が参拝をし、初めて神様になるお許しを頂きます。そして神様になるわけですが、神様もすぐ許可を出しません。

さらに山門を出て下ったところに、諏訪山という元の大慈寺の跡があります。そこに行って初めて引導を頂くようになりますので、そこから先でわらを取って頂くと一年間のお守りになります。


登米市教育委員会教育長・・・

先ほど町に入って参りました。入り口のところに4m位の大きなわら人形がございまして、熱烈歓迎を受けたところでございます。この火伏せ・水かぶりでございますが、実は登米市の無形文化財でございます。登米市の文化財五十選という本の中に、しっかりと紹介させてもらっています。

この水かぶりは八百年の歴史がございまして、国の指定文化財、そして登米市の指定文化財でもございます。県下では貴重な登米市の文化財をしっかりと保存していくと言うことにして参りたいと思います。多くの方々に御利益がありますよう御祈念申し上げます。


教育長祝辞をお聞きしながら、町の入り口に巨大な水かぶり人形があることを知りました。岩手から来るときには見当たりませんので、帰りに回って登米市側に回り発見し撮影しました。最後のページで紹介します。

開会式 1・・・進行係 進行係男性・・・

ご来場の皆様お早うございます。ようこそ、登米市で一番寒い米川にお出で頂きました。ただ今から、平成25年度2月9日初午の日、国の重要民俗無形文化財「米川の水かぶり」の行事を始めたいと思います。
開会式 1・・・水かぶり行事実行委員長。 壇上では主催者挨拶に続き、地元町内会長挨拶、登米市教育長から祝辞がありました。
開会式 1・・・五日町町内会会長。 開会式 1・・・登米市教育長。


水かぶり男衆入場 1 水かぶり男衆入場・・・

十時半、入場開始ののろしが上がり、山門前に待機していた全身わらに覆われた男たちが二列になり参道を進んできます。

一番先頭が案内役の方であり、続いて右手に大きな「ぼんでん」を手にした男性(還暦を迎えた方)が続きます。その後から二列になり、大慈寺境内入り口の石段を登ります。この場所が撮影ポイントでもありました。

ここでは行列の様子と、わらの中から見える煤のついた表情を狙ってみました。
水かぶり男衆入場 2 水かぶり男衆入場 3
水かぶり男衆入場 4 水かぶり男衆入場 5
わらの中の表情 1 わらの中の表情 2
秋葉権現社参拝 1 大慈寺境内にある秋葉権現社にお参りし、神の化身になります。案内の方の説明では、これで神の見習いになったと言います。

行列を組んでいるときとは違い、笑顔のある表情が見られていました。
秋葉権現社参拝 2 秋葉権現社参拝 3

諏訪森へ向かう男衆 1 神の化身見習いになった水かぶり男たちは、ここから少し離れた所にある大慈寺のあった諏訪森へ向かいます。

先ほど登った石段を下りてきました。
諏訪森へ向かう男衆 2 石段で立ち止まった水かぶりの男たち、両側の幟との対比が素晴らしく、大勢の皆さんが撮影していました。

広場を通り山門前で立ち止まり、ここでも撮影ポイントになりました。
諏訪森へ向かう男衆 3 諏訪森へ向かう男衆 4
諏訪森へ向かう男衆 5 かつての大慈寺が建立されてあった場所までは、無言での行列です。ここを拝まないと神の化身にはなれないとの説明でした。

途中の家の前にある手桶の水を思いっきり振りかけていました。少々勇み足なのかなあ・・、そんな感じで見ていました。

諏訪山大慈寺跡を参拝する。 大慈寺から離れた場所に諏訪山大慈寺跡があり、杉木立の中に注連縄が張られ、小さな石碑が祀られてあります。この場で礼拝し、ここからほーっ・ほーっ」と言う元気なかけ声が出てきました。

わらの中の男たちの表情をねらってみました。しかし、見れば見るほど異様ともいえる扮装です。奇祭ともいえる国指定重要無形民俗文化財です。

ここからは、奇声を発して皆さんの待つ町中へ入り込むことになります。
神の化身になった男衆の表情 1 神の化身になった男衆の表情 2
神の化身になった男衆の表情 3 神の化身になった男衆の表情 4
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