栗駒焼石ほっとライン散策ツアーに戻る


        散策ツアー・骨寺村荘園跡


ウチノメ屋敷 レンズの目 自然の表情 暮らしの表情 ウチノメアーカイブス
岩手の鍾乳洞 岩手の蘇民祭 ほっづぎある記 心のオアシス
ドキュメント マクロの目  

location:uchinome.jpトップ>暮らしの表情>催しアラカルト栗駒焼石ほっとライン散策ツアー>骨寺村荘園遺跡

 サイトマップ


不定形で曲がりくねった畦畔です。田圃の大きさもそれぞれです。木立の中には若神子神社があります。
骨寺村荘園遺跡・・・

奥州市のお隣に位置する一関市本寺地区へは、あまり訪れることがありませんでした。かなり以前にブルーベリー農園に来たこと、厳美渓や栗駒山への通過地点として訪れたのみです。ですから、あまり詳しい地図が頭に中に入っていないのが現実でした。

骨寺村荘園交流館で昼食をとり、シアターで歴史的背景等のビデオを鑑賞してから、バスで荘園遺跡をぐるりと回りました。学芸員の方がバスに同乗され、車窓から見える景観と歴史的関わりの視点で説明されていました。ここでも天気が良かったこともあり、バスの窓ガラス越しに撮影された画像はすごくきれいでした。説明コースは、バス等車両の乗り入れは禁止となっていました。学芸員の方が乗車されている事から、特別許可で中型バスの乗り入れでした。

トップの画像は、圃場整備等が一切行われていない中世当時の田んぼの姿と若神子社の様子です。

学芸員の説明から・・・

ここでは、バスに同乗した学芸員の方から、中尊寺に保存されてある荘園当時の絵図と対比させた現在の景観等の特徴等について説明を受けました。少し長文になりますが、レコーダーの記録をテキスト化し編集してあります。うまく聞き取れない部分や、記録の不適切な部分もありますがお許しください。


絵図の風景が広がっております。絵図では檜山川とありますが今の本寺川です。本寺は寒い西風が吹いておりますので、必ず屋敷の西側にいぐねが設けられてあります。散居と言うことで胆沢の散居も有名ですが、本寺でもわずかですがこう言う風景がご覧頂けます。

田んぼは西から東にかけて、小さな棚田がでこぼこして階段状に落ちていく様子もご覧頂けると思います。北側の山のわき水を高い田んぼに落として、一旦ぬるくしてから階段状に落としていく「田越しの灌漑」と言う原始的な方法が・・・、圃場整備が一切行われないで来てしまった田んぼなのです。

この風景を守らなければいけないと言うことで・・・見て下さい。あぜ道がでこぼこで、そのまま農業を続けているという・・・これが中世から一切変わっていない田んぼです。

重要文化的景観というのは、空間と言うものを一つの宝物としてとらえようと言う概念です。今日本では、どんどん原風景が消えて行ってるんですね。それを国でも守ろうと言うことで、骨寺跡遺跡は全国で二番目に設定されました。一番目は滋賀県の近江八幡という所です。岩手県にはもう一つあります。遠野の荒川高原と言う所で、あそこが国の重要文化的景観となっております。

皆さん右側をご覧下さい。ここは・・・の里と言いまして、ゲンジボタルの群生地でゲンジボタルが見られる場所です。来年是非来て見て下さい。本寺は土のままの天然の水路がある所なのです。総延長23キロの八割が土の水路なのです。ホタルは、特にゲンジボタルは環境の・・・生きられないと言うことで、カワニナと言う貝を食べます。カワニナは水がきれいで無いと生きられないと言うことで、溜まってないで流れていないといけない。

ホタルというのは蛹になる時は一旦土に潜るので、コンクリートにしてしまうと固くて潜れない。必ず土の環境が無いとホタルは生きられない。カワニナがいて、土の水路でこの条件が全部整っている所で、六月中旬にゲンジボタルの群舞が見られます。間もなくするとヘイケボタル、ヘイケボタルは水がちょっと汚くても大丈夫。ちょっと小さくて川の下流の方で見られます。

六月下旬は源平合戦が見られます。両方みたい方は六月下旬、是非見に来て下さい。本寺でもゲンジボタルが飛んでいますので、こう言う環境が保たれているということで、重要文化的景観に指定された一つの理由と言うことにもなります。

この様に、本寺は自然環境が整って、絵図の風景が残っているという・・田んぼは小さいし、ひどろ田(泥田のこと)・・・荘園米コーナー、ブルーベリー、南部・・カボチャ、米作りだけでなく村を起こしていこうという取り組みをやっております・・・・。


骨寺村荘園跡 1 曲がりくねった畦畔・・・

この景観は、本寺村(かつての骨寺村荘園跡)を紹介する時に必ずと言うほど出てくる場所です。曲がりくねった道路と畦畔(あぜ道)、今では日本各地で圃場整備が進み、大型化している田圃が各地で見られます。

ここでは、不便なことは事実ですが、昔から伝わる自然の様子を保存しようという取り組みが実施されています。
骨寺村荘園跡  骨寺村荘園跡 
骨寺村荘園跡  不定形で曲がりくねった畦畔です。田圃の大きさもそれぞれであり、畦畔の中に狭い水路も見えています。

バスの車窓からの俯瞰撮影ですが、何となく遠くの方が低いようにも見えてきます。
骨寺村荘園跡  上と同じ場所から少し右にカメラを振ると、林の中に小さな神社が見えてきました。案内図を見ると、中世からあった若神子社と言うそうです。

この場所は、車に乗って見て回るのではなく、徒歩でゆっくりと散策しなくては肝心の所が見えてきません。この神社は後日歩いてみたいなと思いました。
骨寺村荘園跡  このコースで見る限り、田んぼの中には人家等は無く、山の麓に集中していました。

家の前の田圃も形がまちまちで、小さいのが見えていました。
骨寺村荘園跡  畦畔を崩せばいくらかでも広くなり、耕作する機械等が作業しやすくなりますが、保存という立場になりますので現状維持になります。

周囲を見渡しても、同じように狭い田圃や畦畔が曲がっている田圃も見られました。
骨寺村荘園跡  骨寺村荘園跡 
骨寺村荘園跡 10 かつての田圃ですが、減反政策のために田圃では無くなっています。この様子からは、作物等が植えられている様子は見られませんでした。
骨寺村荘園跡  田圃と道路の間に狭い水路がありました。学芸員の方の説明ですと、このような水路でも水が流れている限り生物が生きていける環境にあり、特にも、ゲンジボタルの幼虫がエサとする「カワニナ」が生息している場所なのかもしれません。
骨寺村荘園跡 12 狭い田圃の中の道路走行が終了し、県道栗駒・衣川線に出ました。

前の方にも書きましたが、四季折々の姿を見せてくれる骨寺村荘園跡遺跡です。家からそんに遠くはありませんので、徒歩による見学コースが三ヵ所あり、時間も一時間以内ですので心に留めておきます。

私達散居ツアー一行は、少し戻った所にある駒形根神社を参拝した後、この道路を北上し家路につきました。
                     ページの最初に戻る →