延年の舞 若女・・・
これは昔、鎌倉から神子が下って舞ったさまをうつしたもので、「坂東(ばんどう)舞」とも云ったといいます。後から禰宜が出てからみます。若女は金の風折に水干、扇と鈴を持ちます。禰宜は烏帽子に布衣(ほい)、下袴の支度で手に弊を持つ。
この舞を一たび見た人は、夢のような若女の舞姿に古寂びてひびく鈴の音を永く忘れることが出来ないでしょう。
(※毛越寺の延年の舞から)
しばらくぶりに見た延年の舞・若女です。今までに四回ほど見ていますが、本堂前にある舞楽殿での舞です。目の前で見ることが出来る反面、舞台の端にある柵が妨げになり足下がよく見えません。足下からしっかりと撮影するためには、観客席正面ではなく舞台端に脚立を据えて高い位置からでないと出来ません。以前は良かったのですが、多分脚立使用は許可されないと思われます。
前回の曲水の宴では、かなり離れた場所で見ていたのでほとんど撮影出来ませんでした。今回はほぼ目の前ですし、舞台を遮るものは何もありません。正式な舞の時は途中から禰宜がからんで舞いますが、この場ではありませんし舞うときに振る鈴の音は聞こえません。何しろ、六人の楽人が奏でる催馬楽の音に合わせて舞いますし、舞楽殿とは違い舞台を踏むときの音も聞こえませんでした。
時間にして7分ほどの舞です。画面では連続して鈴が振られるように見えますが、実際の動きは鈴のしゃん・しゃんと言う音に合わせて、動作もすっすっと動きます。先ほどの下見で練習していた僧侶とは思えない、本当に題名通りの若い女性の仕草でした。
面を着けての舞を見るたびに思うのですが、目の位置(瞳の部分)にある小さな穴から周囲を見て舞うのですが、視野が限られて慣れないと大変だとお聞きしたことがあります。神楽の面では目の部分に丸い穴が開いていますが、この若女の面では柔和な表情であり目が細くなっています。多分小さな穴か開いているのでしょうが、熟練しないと大変だろうなと思いました。
ここでは画像が少し多くなっていますが、横位置での拡がりと縦位置による舞そのものを表しています。縦位置では足の動きに注目してみました。白い布の上での白足袋ですから、ちょっとメリハリに欠けますがご了承下さい。
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