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     奥州市江刺区・小田代神楽祀りの賑い


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小田代子ども神楽が演ずる「こども百姓踊り」の米出しの場面から

2月の中頃でしたが、会合があって奥州市Zホールを訪れてイベント情報を見ていたときのことでした。大型ポスターの側にA3版に書かれた手作りの案内に惹かれました。江刺区田原小田代地区で開催される、「第四回祀りの賑い」と題しての小田代神楽の案内でした。

2月27日のことですが、早速訪れた私です。家から20分ほどの場所にある小田代地区ですが、入り口を間違い少々時間がかかりました。小田代コミュニティーセンターで戴いたプログラムには、「小田代神楽・衣川大森神楽芸能交流会」、「平成22年度小田代こども神楽教室閉講式」と書かれてあり驚きました。大森神楽との交流会、こども神楽教室が行われていることを知らなかった私です。

会場で手作りの印刷になる「第四回 祀りの賑い」のプログラムを頂きました。子ども神楽三演目、小田代神楽保存会二演目、そして、交流会に参加された大森神楽が二演目ありました。それぞれの演目の詳細な解説があり、このページを編集するのに役立っています。

トップの画像は、小田代子ども神楽が演ずる「こども百姓踊り」の米出しの場面からのものです。



開会式

保存会会長挨拶・・・

本格的な春の訪れを感じさせる良い日に、私達小田代神楽保存会最後の締めくくりと言いますか、祀りの賑いを沢山の地域の方々、そして、公私ともにお忙しい中をお出で頂きましたご来賓の方々、他沢山の方々にお出で頂きまして本当に有り難うございます。

子ども神楽終了式という形では七回目でございます。この行事の規模を少し大きくし始めてから四回目になります。当初は、子ども神楽の終了式で子ども達を踊らせて、神楽に詳しい方々のご講演を頂いておりました。ところが、こんなに人を集めて、神楽一つ見せて帰すのかという声がありまして規模の拡大をやって参りました。

どこの神楽団体でも、今は非常に後継者が居なくて、どこも大変なのが現状でございます。我々の小田代神楽も、かつては後継者が居ないために本当に埋まる寸前の所迄いきましたが、みんなが頑張ってくれたため、今は何とか立ち直っております。

そんな経験から、我々はこども神楽というものを非常に重要視し、活動の中ですごい時間を割いてやって参りました。うちのこども神楽もどんどん演目を増やし技量を上げました。その内の半分ぐらいが子ども神楽の養成でして、嬉しいような悲しいような、保存会とすればそう言うところもありました。でも、子ども達は本当に頑張ってやってくれました。

今年も春になります。春になると今年一年稼がなくてはなりません。一年間元気でお過ごしいただき、また来年この場でお会いできるのが我々神楽からの願いでございます。(※小田代神楽保存会会長・庭元Oさんのお話から抜粋) 


祝辞、Nさんより・・・

小田代神楽は明治からと言われておりまして、庭元のOさんで6代目だと思います。色々変遷がありましたが、庭元としてどうしても小田代神楽をもう一度再起させたいという事で、今日お出で頂いている和田神楽さんや川内神楽さんのお世話を頂いて今日を迎えていると言うことです。

何よりも庭元のOさんが地域の皆さんと一緒に神楽を盛り上げていただいた。そしてまた、その中に子ども神楽、子ども達を入れてその振興に励んで来られたと言うことです。子ども達も部落の小田代だけでなく、広く他地域からもお出で頂いて一年間の練習を重ね、閉講式を毎年行う形で催されている。本当にすごいなと思います。

そしてまた地域、あるいは周囲の皆さんから「小田代神楽すごいな」、「あのこども神楽もすごいな」と何度となく皆さんからお話しを聞く迄に至りました。小田代神楽のおかげで、小田代と言うのが良い形で世の中に紹介されています。
(※来賓Nさんのお話から抜粋)

※開会式では来賓3名の方から祝辞を頂きましたが、ここではNさんの祝辞のみを紹介しました。また、主催者挨拶と
  来賓祝辞は会場での記録からのものであり、抜粋で紹介しております。

開会式で挨拶する保存会会長Oさん。 小田代神楽保存会長挨拶・・・

六代目庭元でもあるOさんです。主催者としての挨拶をお聞きし、子ども達に地域の伝承芸能を継承させてきた苦労話と取り組みに感動しました。

本日の次第の中に、修了証授与という項目があります。地域の小学生を対象に、こども神楽を立ち上げて指導されてきた保存会の皆さんに頭が下がりました。
22年度修了証を授与される子ども達 1 22年度修了証授与・・・

子ども達が一人ひとり呼名され、保存会会長から修了証を手渡されます。

**殿、右のものは神楽の修練に耐え平成22年度の全課程を終了したことを証します。5名の子ども達は昨年から始めた子ども達。続いて7名の子ども達、長い子どもで7年間練習し、今年中学生になる二名の女の子がありました。

最後の二人は、幼稚園の年長組の時から来ていただきました。今回で七回目ですね、今年一年間はリーダーになっていただきました。
22年度修了証を授与を待つ子ども達。 22年度修了証を授与される子ども達 2


開演に先立って・・・

神楽には順序があるのがございます。式舞を中心に活動しておりますと、式舞の順序がございます。一番最初は御神楽舞、これは卒業した子ども達が務めることに例年なっておりますので、七年のキャリヤーを持ったベテランが務めさせていただきます。そして、うちの子ども神楽の特徴は子ども達が囃して踊るというのが通例ですので、今日は全部子ども達が務めてやります。(※開会式の挨拶から抜粋)

説明をお聞きして、素晴らしいと言いますか凄いなあと思いました。今日の演目で短いので11分、長いので17分程かかります。笛・太鼓・鉦の三つが交代することなく正確に演じられますので、舞手もさることながら囃手も素晴らしいなと思いました。他の場所で観る子ども達の神楽は、囃手は地域のベテランの手による演奏がほとんどです。

本来ですと、大森神楽との交流会であり衣川からも20名ほどお出でになっておられ、演目も二つあります。大森神楽の皆さんには大変申し訳ないのですが、ここでは割愛させていただくことをご了承下さい。小田代神楽のOさんの説明にありましたが、胴取りの太鼓の技に見とれていた私でした。機会があったら、衣川地区の神楽発表会に訪れてみたいなと思います。

小田代神楽の演目に三番叟がありますが、江刺神楽大会で紹介したこともあり割愛しました。下のそれぞれのタイトルかサムネール画像をクリックしてお入り下さい。

御神楽
山之神舞
今年卒業したベテランの子ども達による御神楽。 保存会の若手メンバーによる勇壮な山之神舞。
子ども百姓踊り
三宝荒神舞
ユーモラスな仕草に惹かれる脱穀の場面。 中学生も入った子ども神楽の三宝荒神舞。