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      2012久慈市・内間木洞氷筍観察会


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ライトアップの照明により幻想的な様相を見せている氷壁

毎年のことですが、二月に入ると脳裏に浮かぶのが石鳥谷のたろし滝の成長ぶりと、久慈市山形地区の内間木洞で見られる氷筍です。たろし滝は家から近いこともあり、観察会寸前に必ずというほど訪れて撮影しています。例年になく厳しい冷え込みになった岩手ですが、今年のたろし滝は崩落することもなく成長し、6.68mの胴回りがあり豊作の確認をした様です。

久慈市山形地区にある内間木洞は、冬の時期のドライブとなるとかなり辛く2009年に訪れたのが最後になっていました。その代わりと言っては変ですが、昨年は住田町にある白蓮洞で見頃の氷筍が成長し観察会が催されました。昨年の白蓮洞氷筍観察会に参加し事もあり、内間木洞からは遠ざかっていました。白蓮銅は現在、三月十一日と四月九日の巨大地震のために閉洞されたままで、入洞はおろか氷筍の話題も聞かれません。

新聞報道で内間木洞の氷筍の素晴らしさが記事になり、3m以上に成長するだろうと言うことと、鍾乳洞の壁が氷壁になっているとのことを知り、今年は行かなくてはと言う気持ちが高まっていました。

トップの画像は、鍾乳洞の壁面が一面の氷で覆われ、ライトアップの照明により幻想的な様相を見せている氷壁と氷筍です。



午前八時家を出る・・・

東北道は交通量がそれほどは多くないものの、地吹雪や凍結路がありましたがそれほど怖くはありません。十時過ぎに九戸インターを降りナビをセットしたのですが、ナビの誘導が久慈経由になりかなりの回り道になりました。久慈渓流から山形地区に戻り、そこから小国地区を目指し午前十一時二十分頃内間木洞に到着です。しかし、狭い道路一杯にに車が置かれ上までは入られません。今回は余計な場所を走ったので、ここまで215km走ったことになりました。
県道交差点 1

小国地区から山根地区に向かう県道29号線(野田・沼宮内街道)から標識を見ながら右折します。およそ2km程雪道を走りますが、観察会のためにきれいに除雪されていました。

この場所の撮影は帰り道の時でした。急いでいたことや、風雪混じりの天気になり撮影どころでなかったからです。

幟旗のめくれようで、すごい風であることがお分かりだと思います。

県道交差点 2 交叉点手前にある「内間木洞まつり」の幟旗ですが、風で変形していました。

下の画像は13:40頃の駐車場ですが、かなり空いてきていました。風雪の中を歩いた午前中とは違い、風はかなり吹いていましたが晴れていました。

氷筍観察が終了した方は、どんどん降りてこられあれほど多く駐車していた車も少なくなっていました。
駐車場 1・・・穴っこハウスはここからさらに上に進みます。 駐車場 2

穴っこハウス 1・・・受付ヘルメットの係の方々。 11:30 受付・・・

雪もかなりあり、風も強く道路は完全に凍結しつるつるです。穴っこハウスで受付をし、NO.207の札をもらいましたが、待ち時間は三十分ほどあるとのことです。

入洞にはヘルメットの着用が義務づけられ、順番の来た人の番号が呼ばれ洞口へと向かいます。

穴っこハウス 2 穴っこハウス 3・・・ヘルメットをかぶりいざ洞穴へ。
内間木洞入り口 1 入洞まで時間があったので、しばらくぶりに訪れた内間木洞周辺を見て歩きました。

洞口だけを見るならば、今年は雪が少ないようにも思えました。以前訪れたときは、洞口に近づくにつれて両側から雪の壁が迫っていました。
内間木洞入り口 2 通路の左側には鳥居が三基あり、「内間木洞まつり」と書かれた幟が掲げられてあります。入り口を入った場所に御明神様が祀られてあります。

石碑が建っており、「岩手県指定天然記念物 内間木洞及び動物群」と書かれてあります。

また、ビジターセンター前には小国地区自治会の皆さんによる出店が設けられ、大勢の参観者で賑わっていました。
小国自治会出店 1 小国自治会出店 2

受付で頂いた資料から・・・

お知らせ・・・

・洞内見学の際は、冬眠しているコウモリに向けてフラッシュをたいて写真撮影をしたり、触らないようにして下さい。コ
 ウモリの保護にご協力下さい。
・入洞時間は30分程度ですので、ご協力をよろしくお願いします。
・参加中の万が一の事故については、「公民館総合補償制度」に範囲内で補償があります。

 主催:小国自治会、久慈市立山形公民館


内間木洞と氷筍・・・

内間木洞は、久慈市の西南部、山形町小国地区にある鍾乳洞で、洞内に棲息するコウモリなど動物群も含め、「天然記念物」に指定されており、支洞の宗円町は6,300mほどで国内有数の巨大洞窟です。

また、冬期間にたくさんの氷筍が発生することも、内間木洞特有の現象として注目を集めています。氷筍は
冬場の洞内で、天井から落ちた水滴が、地面に凍り付き、その上に連続的に滴る水滴が氷となって、だんだん上に伸び、筍(タケノコ)状に成長したものです。

発生する場所は千畳敷付近や南洞通路の一部ですが、形や大きさ等は、夏場の降水量や冬の洞内気温の影響で、毎年多少の違いが見られます。氷筍生成の気温条件に恵まれると、大きいものでは2m以上にも成長し、4月上旬まで残る場合があります。

雪深い山間で、一歩洞内に入ると林立する氷筍が目に入り電灯の光を反射し、幻想的な光景をかもしだし、見る人を魅了します。


内間木洞とコウモリ・・・

内間木洞にはコウモリや昆虫類が棲息し、洞内動物群として保護されています。コウモリは、内間木洞周辺の豊かな自然に恵まれ容易に餌が求め易く、また閉ざされた洞内を安全なすみかとしています。現在8種類のコウモリが棲息していることを確認しています。(内間木洞調査委員会調べ)

近年の森林開発に伴って、全国的に野生動物の生態環境が悪化し絶滅が心配される動物もいます。内間木洞のコウモリについても、絶滅危険度の高い種であることから、岩手県版レッドデータブックに掲載されています。

冬期間は、洞内の通路や天井のいたるところで冬眠していますが、外部からの刺激で、冬眠から覚めることがあります。冬眠から覚めたコウモリは活動をはじめますが、冬場であるため、昆虫類などの餌を取れないまま弱ることがあります。したがって、冬眠しているコウモリに向けてフラッシュ撮影や、直接さわらないようにしてください。

洞穴入り口 1・・・私も続いて入りました。 12:20 洞穴に入る

やっと順番になり、雪道から暗い洞内に入ります。入り口のは大きな看板があり、注意事項が書かれてあります。しかし、この場所の看板を読まれる方があるのかなあと思いました。

目が慣れるのに少し時間がかかりますが、すぐ目が慣れて周囲が見えてきます。
洞穴入り口 2 洞穴入り口 3・・・くぐった場所から外を見ると。ストロボ使用画像。
洞穴入り口 4・・・頑丈な鉄板の扉です。 おなじみのお明神様を拝み、鉄の扉をくぐると千畳敷ホールになります。扉をくぐった途端、前回(2009年)には見られなかった新しい設備を発見し嬉しくなりました。

ふと思ったのは千畳敷ホールへの入り口の事です。夏場は完全に閉鎖されており中へは入れませんが、冬場の氷筍成長期には洞口から入り込む外気が必要です。

頑丈な鉄板製の扉の他に、洞口に入り込む外気の通路があるのでしょうか、それとも季節限定で開けられているのでしょうか・・。
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