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       2010花巻市・早池峯神社蘇民祭

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早池峯神社境内からもみ合いながら石段を降りる男達です。
今年最後になる岩手の蘇民祭が、3月17日に花巻市大迫町・岳集落に鎮座する早池峯神社で行われました。前回紹介した二つの蘇民祭・・鎮守府八幡宮加勢蘇民祭、長徳寺不動尊蘇民祭・・、そして、今回紹介する早池峯神社蘇民祭は日中の午前10時から行われるものです。また、早池峯神社は有名になった早池峰神楽・岳神楽が奉納される神社としても知られております。


早池峰神社の由来・・・

早池峯神社は大同2年(807年)、田中兵部(たなかひょうぶ)・始閣藤蔵(しかくとうぞう)の両名が、山頂に姫大神を祀ったことに始まる。正安2年(1300年)、越後の住人阿闍梨円性(あじゃりえんせい)が天下の霊地あると此の地に止まり、一宇を建立「早池峯大権現」と崇め奉った。慶長13年(1609年)、南部利直公巡視の際参拝し、社領百五十石を与え領内海陸総鎮守府として帰依が厚かった。(※現地の案内板から)


早池峯神社蘇民祭について・・・

岩手県文化財秋穂後教会編による「岩手の蘇民祭」の記述によると、・・新暦3月17日午前十時から十二時、この日は燈じゃの春祭りの日であり、五穀豊穣の祈願に合せて蘇民祭を行っている。実施場所は岳地内の早池峯神社境内並びに門前で行われる。・・と書かれてありました。



蘇民祭の撮影をするようになってから、早池峯神社蘇民祭があることは知っていましたが、具体的なこと等が分からず訪れてはいませんでした。前回の藤沢町長徳寺・不動尊蘇民祭が開催されることを知った頃、今年最後の蘇民祭になることを知り最優先で訪れてきました。

早池峯神社は早池峰神楽・岳神楽のメッカ(発祥地)でもあり、今まで四季を問わず何回も訪れています。七時半頃家を出ました。前日までは雪が無く良い天気でしたが、外は雪降りで一面真っ白になっています。東和町、大迫町と経由して早池峰ダムまで走ります。ダムまでの道路は部分的に凍結していたのですが、ここから岳集落までは圧雪道路で滑ります。駐車場にはそれほどの車は来ていませんでした。気温はマイナス2度ぐらいありました。

しばらくして、石鳥谷の五大尊蘇民祭の半纏を着た人達がやって来ました。お酒等を持って上がっていきましたので、神社に奉納するのだろうと思います。たまたまでしたが、隣の車から蘇民祭の半纏を着た方が色々と準備をしていました。少しお話をお聞きしましたが、「十一時から争奪戦があるが、その前に神社でご祈祷があります。中には一般の人は入られないよ・・」とのことでした。

早池峯神社参道・・・

車から降りて、参道入り口の鳥居(一の鳥居)から神社まで参道を上りました。参道の石段の雪がほうきできれいに除けられており、特にも石段の所は丁寧に除けられていたのには驚きました。

それでなくても歩きにくい石段です。争奪戦でもみ合いながら降りてくる石段ですから、地域の方々が総出できれいにしたと思われます。

一の鳥居をくぐると、山門までの参道入り口に鳥居(二の鳥居?)があります。
神社参道 1・・・道路から入る一の鳥居でここから上ります。
神社参道 2・・・二の鳥居が見えてきました。 神社参道 3・・・二の鳥居を正面から見る。この奥は真っ直ぐな参道になります。
そのまま雪の参道を進み、山門をくぐり本殿下の境内に出て見ました。一面の雪で人出もありませんし、蘇民祭おなじみの焚き火すらありません。

入り口になる一の鳥居の石段もそうでしたが、本殿に上がる石段もきれいに雪が除けられてありました。
神社参道 4・・・真っ直ぐの参道100m位あるでしょうか・・。
神社参道 5・・・おなじみの山門ですが、中の社務所は閉まっていました。 境内から見上げた本殿
本殿正面を左側から見る。右下は屋根から落ちた雪です。 神殿前の様子は屋根から落ちた雪ががっちり積もり、いつもより歩ける場所がありません。

正面にはお賽銭箱があり、いくばくかのお賽銭を入れて拝みました。
本殿から見下ろした境内・・・ほとんど人出がありません。 待機している人達も、「焚き火ぐらいあればいいよなあ」とぼやいておりました。たまたま何本かの薪が地面に組まれてあるのを見て、杉に葉などのたき付けを集めて火をつけた方が居りました。


10:00 御祈祷・・・

神殿から太鼓の音が聞こえ、中で御祈祷が始まったようです。賽銭箱のガラス戸越しに中を見ましたが、はっきりとは見えないし良くは聞き取れません。


10:20 餅捲き・・・

正面の戸が開けられ、賽銭箱の上に板が敷かれその上から餅巻きが始まりました。側にいたのでカメラが邪魔だったが、足下に落ちた餅を二個拾うことが出来ました。
賽銭箱に板が敷かれ、この上から餅捲きをしました。顧問と書かれた襷を掛けている方です。
石段から下に向かって餅がまかれます。拾う方があまりいません。 その後、石段から下に向かって餅がまかれましたが、それほど多くは用意していないようですぐ終わりました。もちろん、人出も少ないなと思いました。
10:23頃 選手集合・・・

神殿正面に上半身裸の年配の男性が立ち、「選手達が来ない・・」と叫んでいます。間もなくして、参道から上半身裸の男達が数人神殿前に集まってきました。

ここでの男達は下帯姿ではなく、上半身は裸ですがズボンをはき長靴を履いています。長靴は滑りますので、藁を巻き付けて滑り止めにしていました。

この滑り止めは、懐かしい子どもの頃の想い出でした。子どもの頃は雪道でよく縄を巻いていましたからね・・。
赤い襷は顧問の方、右端の青い襷は審判係です。
選手の男達が参道を走って上がってきました。 長靴に縄を巻き滑り止めにします。
準備の整った男達は本殿前に駆け上がります。 長靴の滑り止めに縄を巻き、さらしを巻いた男達が駆け足で上ってきました。蘇民袋争奪戦は、神殿前から始まります。


10:25 本殿前蘇民袋争奪戦・・・

審判長から注意と指示があり、その場で蘇民袋が男達の中に入れられました。屋根からの落雪があり狭い所でもあり、この場所でのもみ合いはちょっと怖い感じです。

身体の置き場所がなかったのですが、何とか撮影することが出来ました。しばらくもみ合った後、注意しながら石段を下りて境内に男達が降りて行きました。

※日中ストロボを使用した関係で、近くにいた男性の背中
  のハイライトが飛び気味ですがご容赦を・・。
本殿前での蘇民袋争奪戦 1・・・真ん中に蘇民袋が入りました。
本殿前での蘇民袋争奪戦 2 本殿前での蘇民袋争奪戦 3
本殿前での蘇民袋争奪戦 4・・・石段を注してもみ合いながら降ります。見ている方がはらはらします。 本殿前での蘇民袋争奪戦 5
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