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4:30過ぎ 柴燈木登り・・・

柴燈木登が始まった。皮のついた松明が燃やされ、本殿前から通路を祓いながらご神木のある石段を下りる。柴燈木のある一番下の境内まで降りて火が入れられます。火はどんどん燃え上がるが、柴燈木に登る若者が居ません。見かねた周囲の古老達が、「誰か登れー・・」と叫んでいました。

こんなことを書くと叱られそうですが、長老と若い男衆のやりとりがユーモラスなのです。古老(神社役員)が、側にいた若者に「お前登れや・・」と言ったら、「さみーからやんた・・」とすぐには登らないのです。そんな調子のやりとりがあり、周囲のみんなは「あはは」となったのです。「田舎の祭りだから・・」と話してくれた意味が分かり納得です。

本殿前で松明に火が入ります。松明は大小二本あり、小さい松明の火を大きな方へ移していました。採火はどうなっていたかはっきりしません。画像に入れませんが、点火している長老の足下には灯油のビンがありました。

小さな松明が先頭になり、柴燈木までの通路を祓いながら下に降りていきます。松明の後にはマンギャ棒(式棒)を持った男衆が続きます。
柴燈木までの道を祓う 1
柴燈木までの道を祓う 2 柴燈木までの道を祓う 3
柴燈木までの道を祓う 4 柴燈木までの道を祓う 5
二本の松明で参道を祓いながらご神木の側の石段を下りる頃、鐘楼には鐘を突く長老が登り「ゴーン、ゴーン」と鳴り響きます。

宮司さん、還暦祝いの男性が大きなマンギャ棒を担いで続きました。この男性、かなりの荒技をこれから見せてくれます。
鐘を突く神社役員の方。
柴燈木までの道を祓う 6 柴燈木までの道を祓う 7
柴燈木までの道を祓う 8 柴燈木までの道を祓う 9
柴燈木にたいまつの火を点火する。 柴燈木の下に松明が入れられ、井桁の中のたき付けに燃え広がります。最初は煙がものすごいのですが、徐々に火勢が強くなっていきます。

4:37頃・・・ 

細いマンギャ棒を手にした男衆が登りだしました。井桁に組まれた柴燈木の高さは、身長換算から2mはありそうです。

「さみーからやんた・・」と言っていた若者ですが、やがて柴燈木に登り始めました。最初の頃は煙が凄く、煙のない方に登っていた若者です。
柴燈木登り 1
柴燈木登り 2 柴燈木登り 3
柴燈木登り ・・・笹竹と御幣束を手にしました。 神前には多数の裸の男衆が居たのですが、実際に柴燈木に登ったのは三人の男衆だけでした。

しかし、手には何も持っていません。周囲から「角灯もたなのか・・」の声が出て、上の本殿まで走り二個の角灯が運ばれてきました。本当にのんびりとした雰囲気でした。
柴燈木登り ・・・角灯が手渡されます。 柴燈木登り 6
柴燈木登り 7 柴燈木登り 8・・・握手しているように見えますが違います。
柴燈木登り 9 柴燈木登り 10・・・角とを持った男衆、幸多かれと祈ります。
柴燈木登り 11・・・かなり酔っていたように思えます。 酒をかなり飲んで元気のある男衆です。蘇民節(?)を謡いながら、手にした棒と角灯を掲げ柴燈木の周りをぐるぐるまわっています。

その内に、柴燈木に登っていた男衆に、「酒飲めー」の声がかかりもっきり酒の差し入れがありました。周囲のみんなにもふるまわれたのですが、私は飲むわけにはいきませんので遠慮しました。
柴燈木登り 12 柴燈木登り 13・・・乾杯と言うことではありませんが。

5:00頃・・・

最初凄い煙が出ていた柴燈木は、どんどん火勢が強くなり煙が薄くなってきました。真っ暗な中でストロボを使用して撮影すると、全体が明るくなるので火勢がはっきりしません。

少し離れた杉の木により掛かり、ストロボを使用しないで撮影した柴燈木の様子です。この燃え方になると、上に登るのは無理と言いますか、かなり危険になります。
火勢の強くなった柴燈木 1
火勢の強くなった柴燈木 2・・・凄い火になりました。 ところが、火勢がかなり強くなった頃、一人の男衆(還暦者)が登りだしました。かなりの炎と熱気があり危ない雰囲気です。

周囲で見ている人達からも、「焼けるぞー」の声が出て驚いています。「あぶねーから降りろー」の声が上がったのですが、マンギャ棒で柴燈木の縁を叩き気勢が上がっていました。

※ここからの様子は緊迫感を出す意味で縦位置画像にし
  てあります。

還暦者の柴燈木登り 1 還暦者の柴燈木登り 2
還暦者の柴燈木登り 3・・・若者が登ってきました。 還暦者の柴燈木登り 4
還暦者の柴燈木登り 5・・・何故か手ぬぐいを頭に巻きます。 還暦者の柴燈木登り 
還暦者の柴燈木登り 7・・・2m位の高さから飛び降りです。


途中から、最初に登った男衆も並びましたが先に降りたようです。私が観て撮影した蘇民祭でも、勇壮な黒石寺での柴燈木登りや伊手熊野神社の場合は下帯だけの男衆です。燃えさかる柴燈木の上で最後まで頑張る姿には感動しますが、手にした角灯の紙がぼろぼろになりますし、かなりの火傷になっているとのことでした。

画像からは分かりませんが、風向きにより手前の方の燃えが激しいのです。全体に燃え居るならば登ることは出来ません。


今回は厚いズボンをはいていますので、直接皮膚が熱気に触れることがなかったようです。とは言え、ここまで我慢して登っていたファイトに感動です。

3分後には飛び降りました。


5:15頃・・・参道を祓う

柴燈木の火は、完全に燃やさないで崩して火勢を弱くします。神社役員の方がこんなことを話してくれました。

「この火の粉が杉の木を傷めるからね。燃やす場所も気を遣っているの・・」、そうなんだー、大切にしている杉の木をここまで思い遣り、きれいな形で保護されているとは知りませんでした。
柴燈木を崩す 1
柴燈木を崩す 2・・・大きな丸太を投げています。

崩した柴燈木の燃えさしがあちこちに散らばります。一段上の境内で見ている方々から、「マッチけろー(マッチ下さい)」の声がかかります。

崩して消し方をしている消防団の方は、大きな燃えさしを抱えて上まで投げましたが、さすがに燃えさしは届きませんでした。

小さな燃えさしは、火のついたまま上にボーンボーンと投げられます。まさかその火でタバコに火を付けるとは思えませんが、面白い表現だなあと思いました。

柴燈木を崩す 3 柴燈木を崩す 4
還暦を迎えた男性は、柴燈木の燃えさしを手にし参道を祓いながら上の境内(蘇民袋争奪戦の行われる場所)まで登ってきました。

このシーンは、黒石寺蘇民祭でも伊手熊野神社蘇民祭でもおなじみです。この方一人というのがちょっぴりさびしいのですが、それぞれの蘇民祭でのあり方の違いだと思われます。
燃えさしで道を祓う 1
燃えさしで道を祓う 2・・・後ろにいる男衆はどこにでも見えていました。 燃えさしで道を祓う 3・・・叩きつけることはありません。
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