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                 その2>その3

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5:30 蘇民袋争奪戦・・・

資料にしている「岩手の蘇民祭」に記述されている内容とは違い、神官を抱きかかえての別当登り等については観られませんでした。現場から離れていませんので、見間違い等はないはずなのですが・・。

ここでは神社本殿からの蘇民袋出しの様子、鐘楼に登り上からソミ(コマ木)撒く様子、蘇民袋を手にした男衆が取り合う様子、そして、鐘楼下から出て境内を離れ麓の街中まで繰り出すところを紹介します。
袋だし・・・

別当登りが始まるよ・・とのことで本殿前で待っていたら、宮司さんが蘇民袋を手にして二人の男衆に手渡しています。二本の松明を手にして長老が先頭で、蘇民袋をがっちりと抱えた男衆二人が下の鐘楼へ向かいます。
合図の鐘が鳴り響きます。
袋だし 1・・・宮司さんからがっちりと受け取ります。 袋だし 2・・・汚れた軍手をしていました。
袋だし 3・・・この撮影の直後にもう一回撮って手頼まれました。 待ちかまえて撮影したら、「汚い手袋しているから、もう一回撮って・・」と頼まれてしまった。こんなことって今までないことなので、私の方が驚いてしまいました。

なんか、新聞社と間違えられたようです。「良いですよ・・」と私も合わせて笑いながらシャッターを押しました。全てこの調子で、のどかな行事なのです。

「田舎の祭りだから」と最初に話してくれた長老の言葉が思わず浮かんできました。
袋だし 4・・・記念撮影になりました。 袋だし 5・・・手袋は外しました。

争奪場所の清め・・・

蘇民袋は鐘楼へと進んで来ました。先頭を歩く松明を持った長老が、四本の柱をロープ囲んだコンクリートの上に松明を掲げ、丸く廻して炭の跡を付けて祓い清めます。

その間に、蘇民袋を持った二人の男衆は鐘楼の二階に上ります。

争奪場所の清め 1・・・松明二本を廻しながら炭の跡を付けます。
松明の炭で清めた争奪戦の場所、蘇民袋を持って階段を登る二人の男衆。この時点では、誰も下には入りません。
ほどなくして男衆がなだれ込みます。鐘楼二階の床には四角い穴が開いていて、ここから蘇民袋をちらりと見せて下で待つ男衆をじらします。

男衆は歓声を上げて早く下ろせと叫びます。 そして、蘇民袋を上げたり下げたりして駆け引きが始まります。
蘇民袋とソミ捲きのかけひき 1
蘇民袋とソミ捲きのかけひき 2 蘇民袋とソミ捲きのかけひき 3
蘇民袋とソミ捲きのかけひき 4・・・袋の下に切れ込みがありソミが見えています。 蘇民袋とソミ捲きのかけひき 5・・・袋の右にソミが見えています。
蘇民袋とソミ捲きのかけひき 6・・・何個かバラバラとソミが落ちてきました。 やがて、上からバラバラとソミ(コマ木)が落ちてきます。足元を見たら踏みつけられているので、私も本気になって拾い方をしました。本物の木の札とソミをかなり拾い集めましたが、皆さんも同様で拾っています。

なにせ、拾う方があまり居ないので楽に拾えました。カメラを持っていなければ、かなりも御札を拾えたはずです。
蘇民袋とソミ捲きのかけひき 7 蘇民袋とソミ捲きのかけひき 8
蘇民袋とソミ捲きのかけひき 9 蘇民袋とソミ捲きのかけひき 10・・・やっと捕まえました。

蘇民袋争奪戦 1・・・がっちりと掴まれた蘇民袋です。 5:40 蘇民袋争奪戦・・・

駒木を撒いた後は、天井から空の蘇民袋が下ろされてロープが張られた中でのもみ合いが始まります。四方の柱にロープが廻されていますので、なんか、ボクシングのリングのような感じもしました。

足下には御札やソミが散らばりますが、揉み合う中には入られません。合間を見計らっての御札とソミの争奪戦です。
蘇民袋争奪戦 2・・・足下にご注意、ソミが踏まれています。 蘇民袋争奪戦 3・・・あちこちに散らばるソミ。
蘇民袋争奪戦 4 蘇民袋争奪戦 5
蘇民袋争奪戦 6・・・袋の一部が見えています。 もみ合う男衆の人数が少ないこともあり、撮影している最中に引き合う蘇民袋の一部が見えてきます。

気がついたことですが、一番元気に動いていたのは柴燈木の周りを廻っていた男衆でした。あのときはかなり酔っていたなと思いましたが、表情が違っていたのには驚きました。
蘇民袋争奪戦 7・・・こっちを向いて叫んでいる男衆は鐘楼上にいた方です。 蘇民袋争奪戦 8
蘇民袋争奪戦 9 蘇民袋争奪戦 10・・・がっちりと掴んでいる男衆は一番酔っていたはずなのですが。
まだまだ争奪戦は始まったばかりです。最後まで蘇民袋の口前をしっかりと握っていなくては取り主にはなれません。
蘇民袋争奪戦 12・・・ちょっと休憩でしょうか、この方は手袋の男性です。 蘇民袋争奪戦 13

5:50 鐘楼から街中へ・・・

ほどなくしてロープの西側(正面参道側)が開けられ、もみ合いながら男衆は境内から道路に降ります。

ここからは、蘇民節を軽トラックからテープで流しながら山道を下り、4km先の街中を目指して降りて行きました。争奪戦の決着は、麓の町はずれにある「落合橋」で決するとのことでした。
鐘楼下から境内に出る 1
鐘楼下から境内に出る 2 鐘楼下から境内に出る 3
境内から道路に出る 1 境内から道路に出る 2
先導は軽トラックです。スピーカーからは蘇民節が流れています。 軽トラックの後に続く男衆、4km先の落合橋を目指します。

神社入り口で男衆を見送った私は、しばらく待機して後、麓に下りました。遙か彼方には雪の中に車と男衆の姿が見えています。行列を追い越すことなく別の通路に出て、家路につきました。ほとんど雪のない道路ですが、田んぼや山間地にはかなり積雪があります。気温はマイナス4℃ぐらいでそれほど寒くはありませんでした。

それにしても、男衆も参詣者(観客)もあまり居ないさびしい争奪戦だったと思いました。最初に古老が語られた「田舎の祭りだから・・」の意味が分かるような気がします。争奪戦と、取り主のハイライトは街中の「落合橋」だと言いますので、神社へはあまり人出が無いのだろうと勝手に思ってしまったのも事実です。

多くの参加者や参詣者が集まり賑やかな蘇民祭、昔から地域の皆さんだけが参加して継続してきた「地域に根ざした蘇民祭」、その有り様は地域によって違います。今回初めて訪れて参観し撮影しましたが、撮影している私と暖かい心の交流があったことは事実です。他所からひょっこり訪れた第三者が、あれこれと比較すべきではないと自分に言い聞かせました。

初めて訪れた深夜の興田神社です。心を惹かれた巨大なご神木、暖かくなったら神社周辺をがっちりと撮影したいと思いますし、やっぱり麓から4kmを一緒に歩いて撮影しなければ、本当の意味での蘇民祭を観て撮影したとは言えないと思いました。これは次への課題としておきます。
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