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         アサリに寄生するカニ


 

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アサリ汁の中から出てきたカニ

アサリに寄生するカニ・・・

私の大好物の食べ物にアサリのみそ汁があります。今まであまり気にも留めていなかったのですが、先頃アサリ汁を食べていたら1センチ足らずのカニが見つかりました。あれれこれなんだろうと、好奇心丸出しののマクロ撮影をしてみました。

がっちりと煮出されているので、身体が硬くなり白い身体の一部が赤く彩られています。甲羅の表面長径(横の長さ)で9ミリほどの小さなカニです。もちろんですが、小さいとは言え身体の造りは普通のカニと違いがありません。アサリ汁を食べる時に必ず見つかるわけでは無いのですが、そう言えば今までも見たことがあるなあ、このカニはどこから来たのだろう、そう思いながらネット検索で調べてみました。

トップの画像は、アサリ汁の中から出てきたカニをきれいに洗い、あたかも生きている様に身体を揃えて撮影したものです。ちなみにこのカニは、アサリに寄生するカニの一種で名前は・・・ピンノ・・・といいます。

                                                        2019.03.11 作成



ここでは、二種類の画像で・・・ピンノ・・・の様子を紹介致します。

一番目の画像は、貝殻の中に棲んでいる想定での画像です。アサリ貝の大きさは長径で3センチほどの小さめのアサリです。みそ汁の中で煮込まれているのでカニの身体は固い殻になり、中央部が赤い色をしていました。小さいながらハサミや脚もしっかりとし、目もぽつんと赤色になっていました。一生アサリの貝殻の中で過ごしますので、退化して目の痕跡だけになっているのかも知れません。


二番目の画像は、片方の貝殻を取り去りそこにカニを置いての撮影です。
貝殻の中に棲んでいる想定での画像 1

二枚貝の中にカニを置いてみました。貝殻全体の中にアサリの筋肉の部分がありますので、その中央部にでーんと居座り入ってくるエサを横取りして生きています。

考えようによっては寄生しているのですから、ギブアンドテイクの部分があると思われます。具体的には分かりません。

貝殻の中に棲んでいる想定での画像 2 貝殻を縦にして置いてみました。
貝殻の中に棲んでいる想定での画像 3 アップにして少し拡大してみました。

ここまでの三コマは全て裏側(腹側)から見た様子になります。
貝殻の中に棲んでいる想定での画像 4 ここではカニを裏返しにして背中が見えるように置いてみました。

赤い模様が腹側とは違ってきます。ハサミの付け根にぽつんと赤い点の目が見えています。

陸上や水中に棲むカニがエサを探す時、目がちょこんと立ち上がります。何も見えないピンノ場合は必要がありませんので、どうなるのでしょうか興味があります。

貝から出した様子 1 ここからは貝殻を意識せず、正面から見た様子になります。目の周辺に切れ込みがあり、どうやら動きそうです。

目の下は口になりますが、実際の所はどのように動くのでしょうか。
貝から出した様子 2

背中の正面真上から見た様子になります。脚が両方とも4本あり完全な形になります。

下の画像二コマは腹側からの様子であり、細長い赤い部分はぱかんと開くのかも知れません。

※確認のため腹の部分を開いてみました、何と何とカニ
  の褌の部分が全体に開きました。知りませんでした。

貝から出した様子 3 貝から出した様子 4
貝から出した様子 5 正面からの拡大です。二本のハサミ、その間には赤い点の目が見えています。
貝から出した様子 6 目の部分の拡大です。間にも何か開きそうな造りがあります。ここら辺は壊れそうで良く分かりません。


正面からの拡大です。カニの顔をしている様子が見えてきます。
おわりに・・・

初めてアサリに寄生するカニの詳細を撮影し、何とかまとめてみました。ネット資料には色々なことが書かれてあり、ほとんど初めて知った内容になりました。

私の素朴な疑問は、寄生するカニはどこで生まれて、宿主のアサリを探知するのでしょうか。一旦アサリに寄生すると死ぬまでアサリから出ることがありません。そのため、寄生されたアサリは実が細くなり・・・実入りの悪いアサリ・・・嫌われるそうです。おもしろい話題は、東京以南のアサリに多く見られると言いますので、暖かい海に棲息するのかなと思いました。

もう一つの関心事は、アサリの中で生きているカニを引き出すには、塩分を濃くすると出てくる率が大きくなるとありました。やってみたいなあと思う反面、アサリ代が大変な事になりそうです。何とかやってみたいのですが・・。


アサリに入っている小蟹・・・

アサリの味噌汁や和え物などを食べていると、貝の中に小蟹が入っていることがあります。この小蟹はアサリなどの二枚貝に寄生する蟹で、名前はピンノといいます。ピンノの種類にはオオシロピンノ、クロピンノ、カギツメピンノなどたくさんあり、二枚貝の他に巻き貝に寄生する種類もあり、日本ではカクレガニと呼ばれます。

アサリ、ハマグリ、バカガイ、マガキ、ムラサキガイなどに寄生し、甲羅の幅は1cm未満という小蟹ですが、オスとメスで形態が違います。オスは甲羅が丸く額が少し突出した栗のような形で色は褐色、メスも甲羅は丸いですが、額の突出はなく、白っぽい色をしています。

ピンノは二枚貝の外套膜の辺りに入り込んで寄生しているので、野外で二枚貝を開く機会がないため、姿を見ることはなかなかありませんが、標本にしたり、加熱してお味噌汁の具にしたりすると見つかることが多いです。

アサリの塩抜きをしている時に、生きた状態で貝から出てくることもあり、かなり高い確率で見つけることができます。寄生しても宿主を食べてしまうことはありませんが、狭い貝殻の空間を占領するので貝の肉は小さくなり、身入りが悪くなります。ピンノは一旦貝の中に入ると、そこで一生を過ごし、貝の中でしか生きてゆけないようになります。
 
                                                            ※ネット資料から

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