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           アサリの水吐き


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トップの画像は、水の中で長い管(水管と言います)を出して居るアサリの様子です。

アサリの水吐き・・・

我が家の今晩のみそ汁は、私の大好物のアサリ汁です。ご存じの通り、アサリを調理するためには、砂出しと称して体内に取り込まれている砂などの異物を出させてから調理をしなくてはなりません。これを忘れていてそのまま調理すると、食べた時にガリッと砂を咬むことがあり驚いてしまいます。もちろんスーパーなどの売り場では、砂出しを済ませてありますと書かれたシールが貼られている場合があります。

夕方何気なく台所の流しを見ていたら、何か手にピュッと水をかけられました。あれっ何だろうと良く見たら、流しのボールの中にアサリが入っており、中には大きな鉄玉が置かれてありました。あー・・、アサリかぁと良く見たら、長い管を出して水を吹きだしていました。自分で調理をせず、食べさせて頂く立場の私です。このアサリの水かけに気がつかなかった私でした。

みそ汁でご馳走になる前(調理される)、水の中からべろべろと長い管(水管と言います)を出して居るアサリを見ていたら、マクロ撮影の試みをした私でした。水の中と外との両方の画像になるので、ストロボの光具合が違いますが、何とか使えそうな画像を選んでみました。

今晩のアサリ汁、いつもよりうまかったというか悪いなあと、そんな感じが少しありました。トップの画像は、水の中で長い管(水管と言います)を出して居るアサリの様子です。

                                                       2019.05.17 作成



ここでは、水中でアサリの出して居る長い管について、次のように分類してページを作成してあります。アサリの入っている容器の上の方から眺めた場合の違いから分けて見ました。

・一本に見えている場合、
・二本に見えている場合、
・二個以上のアサリが入り交じっている場合の三通りに分けて見ました。


アサリの目(水管)とは・・・

潮干狩りでアサリを探すときによく 「アサリの目を探せ」 と言われます。この場合の目とは、我々の物体を見る目ではなく、アサリの水管の事であることは潮干狩りをやった事がある方なら御存知かと思います。

アサリは海中で入水管と出水管の2本を砂の上に出して、海水を循環させエサをこしとって栄養にしています。でも最盛期の休日しか潮干狩りに出かけられない人にとっては人の足跡ばかりで、アサリの目なんてどこにあるのやらかも知れません。バタバタやったり砂が海中を舞ったりすると、アサリはすぐに目を引っ込めてしまいます。

目が見つかればその下にはアサリが100%いるわけですから、目がどんなものかを知っておくだけでも潮干狩りの助けになるかもしれません。大きいほうが入水管で、小さいほうが出水管です。水管の股を広げて穴の間隔があるアサリと2つの水管がくっついているアサリなど、アサリにもそれぞれ個性があります。でも必ず水管は2本がセットで一つのアサリ。入水管の方には触手が沢山付いていて、吸うものを選り分けているみたいです。

あさりは海で砂に潜っている時、水を殻の中に吸い込んで吐き出すことで、酸素や餌を取り込んでいます。呼吸する際に、砂も殻の中に吸ったり吐いたりしています。(貝が開いたり閉じたりする際にも砂が入ります)。家庭では海水の環境の近い状態(塩水、暗さ)にして、その呼吸を利用して砂抜きをするのが一般的です。砂のない塩水を吸わせるので、砂は吐き出す一方になるので砂抜きができるというわけです。

あさりの砂抜きを早くしたいときに、「鉄包丁や古くぎ」など金属を入れておくといいと聞いたことはありませんか?。鉄分が出て水が海水の成分に近づく可能性はありますが、実はこの方法、科学的根拠はなく、ほとんど効果がないそうです。
                                                        (※ウイキペディアより)

水管一本の様子 1 水管一本の様子・・・

水管の太い方で入水管と呼ばれるものです。この管に吸い入れる水と一緒に、呼吸に必要な水中酸素や栄養分が吸い込まれます。

水管の出口を拡大すると、触手のような突起状の物が無数に着いています。これを動かすことで水流が生ずるのかも知れません。たまたまですが、一本の水管だけがはっきりと見えていました。
水管一本の様子 2 水管一本の様子 3

二本の水管の様子 1 二本の水管の様子・・・

うまい具合に二本の水管が出ている様子が撮影出来ました。並べてみると、確かに片方が太くなっており、太い方が入水管という事になります。

二本の違いを比較すると、出水管の方は先が細くなり、弁のような働きをするのかなあと思えます。ここら辺の仕組みは良く分かりません。
二本の水管の様子 2 二本の水管の様子 3
二本の水管の様子 4 たまたまですが、うまい具合にほぼ真上からの様子が撮影出来ていました。出水管の方は、先が細くなりすぼまっている様子が分かります。

二本の水管は、状況によってするすると伸びたり縮んだりしています。下の画像から分かることは、伸縮する水管の様子はてんでんばらばらに伸び縮みするのでは無く、一定の間隔を保ちながら伸縮しているようです。
二本の水管の様子 5 二本の水管の様子 6
二本の水管の様子 7 左側の出水管と右側の入水管が、ある距離を隔てたあたりでぴたりとくつかります。その下の方で二本の管が一緒にくつかっています。上の方の間隔が一定のまま、べろべろと長く伸びるようです。ここら辺はうまく出来ています。
二本の水管の様子 8 二本ともかなり長く伸びていますが、くつかっています。

入り交じった様子 1 入り交じった様子から・・・

アサリ貝がゴチャゴチャと入り交じっています。それぞれがてんでに水管を出しています。水面間近に口が開いているのが入水管で、何故か出水管は出口が下を向き、先端部がすぼまっているようです。
入り交じった様子 2 入り交じった様子 3

おわりに・・・

まさか好物のアサリ汁に惹かれて、アサリの生き様を撮影するとは思ってもみませんでした。アサリの水管については学生時代から知ってはいましたが、マクロ撮影をした事で、その詳細な水管先端の造りを撮影出来たことは驚きの発見でした。

考えてみると、アサリに限らず二枚貝の貝類は大きさ等の違いがあるにせよ、必ず二本の水管(管状のもの)の働きで栄養分と酸素を取り入れ、不要になった廃棄物が出される仕組みになっています。考えれば考えるほど、生物の身体の仕組み、調べれば調べるほど深みにはまります。

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