花巻市・イギリス海岸に戻る

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瀬川・北上川合流点・・・

朝日橋上流には、北上川に注ぐ支流が二つあります。最初に訪れた場所は後川合流点であり、この場所には水も多かったこともあり何も見られません。ここから500m程上流に瀬川の合流点があります。案内図によると、瀬川合流点を中心にして川底に泥岩層が認められます。平常の流量水位では川底になり、白っぽい泥岩層(乾燥した場合)は認められません。

9月1日の新聞を見てびっくりです。何とイギリス海岸出現の記事がでていました。報道記事によると、記録的猛暑による渇水で水不足が心配される中、日頃見ることが出来ない川底が出現した。瀬川との合流点を中心にし、かなりの範囲で見られている・・・。五日ほど前に何気なく訪れた場所ですが、報道記事を見た私は早速現場まで走りました。

報道記事のこともあり、先頃はがら空き状他であった駐車場も車で一杯です。川辺の散策路も行列と言うほどではありませんが、かなりの人出でした。

8月27日の合流点 1 8月27日の様子・・・

合流点中州には島のような岩が出ています。瀬川の北側の浸食された岩石は白っぽい地層です。良く見ると地層の重なりが色違いで区別できます。

下流側は堤防を兼ねた階段状のコンクリートであり、川原には砂利が大量に見られます。
8月27日の合流点 2 8月27日の合流点 3
8月27日の合流点 4 川辺から見た中州の島、水位が上昇しても上の方は常時見えていると思われます。下流の方向に細長くなっていますが、この時は水が流れ落ちていました。
8月27日の合流点 5 中州の拡大です。日陰になっておりコントラストが強いのですが、ここにも層状構造が確認できます。太古の時代にはこの付近は同じ地層であったと思います。

上の方が乾燥しているので、部分ですがイギリス海岸の様相を見せていました。

9月1日の合流点 1 9月1日の様子・・・

合流点は先頃とは違い、かなり水位が下がり中州の白い岩も大きくなり広がっていました。

瀬川の上流には飛び石が置かれ、対岸への橋になっています。前回よりも川原が露出し、水遊びをしている家族連れの姿も見られていました。

今回は飛び石を渡り対岸に出てみました。本来ですと展望台まで行けるのですが、危険ですからの理由で立ち入りが禁止されています。
9月1日の合流点 2 9月1日の合流点 3・・・飛び石を渡ると対岸に出られます。
9月1日の合流点 4 中州の岩と対岸の間は水位がかなり減り、川底が見えるほどです。画面中央の黒い部分は、今回現れた泥岩層になります。この場所に降りたかったのですが、いくら探しても降り口が見つからずあきらめました。

前回は水面に突き出た岩の様に見えていたのですが、今回は水位の低下により細長い岩盤になっています。もっと水量が減れば、流れ落ちている部分も岩盤になるはずです。
9月1日の合流点 5 9月1日の合流点 6


9月11日の様子・・・

瀬川合流点の様子を撮影するために、 下流と上流に移動してみました。
9月11日の合流点 1 合流点の様子・・・

モニュメントの画像と文字の詳細を撮影するため、十時頃合流点に入りました。快晴ではありませんが、順光線になり影の部分がありません。

さすがに普通日ですから観光客は見えませんでした。
9月11日の合流点 2 9月11日の合流点 3
9月11日の合流点 4 泥岩層が割れています。常時流れている部分は削られているものと予想されます。

9月11日の合流点下流 1 合流点下流の様子・・・

合流点から下流に出てみました。水量は前回と同じかなと思います。乾いてくると白い岩に見え、イギリス海岸のイメージになります。
9月11日の合流点下流 2 中央の部分に丸い穴(甌穴と同じ構造)が見えています。水辺の川底には溝状の泥岩層が浮き出ていますし、場所によっては砂利の場所もあります。
9月11日の合流点下流 3 9月11日の合流点下流 4
9月11日の合流点下流 5 下流の様子です。画面上には散策路の手すりが見えていますし、遙か遠方にはトラス状の朝日橋が見えます。
9月11日の合流点下流 6 川底の砂利部分を進むと、この場所で行き止まりになります。水際を良く見ると、泥岩層と思えるひび割れた岩盤が分かります。

合流点上流の様子・・・

前回は川底に降りられる場所を見つけられませんが、今回は合流点の上流に降りるため崖の様子を見ながら移動しました。じっくりと見て歩いたら、川底に降りられる道(100m程上流)を発見しそのまま降りてみました。この通路は常に誰かが歩いているようで、草木もなく安全に歩いて降りられる場所です。
9月11日の合流点上流、崖の上から 1 たまたまでしたが、役所関係の方と思える男性二人が上から川底の泥岩層を眺めていました。
9月11日の合流点上流、崖の上から 2 V字形に切れ込んだ部分を崖の上から眺めた様子。かなり広い泥岩層岩盤で流れの中程まで伸びています。

賢治が見た頃の様子ですと、川の中程まで川底が見えていたことになります。今では予想も出来ませんが・・。
9月11日の合流点上流泥岩層 1 画面中央上から川底に降りました。乾いたばかりの斜面でもあり、滑る危険がありますので気をつけてに川底まで進みます。

この時は、鍾乳洞などに入る時に使用した長靴を履き、滑らないように細心の注意を払いました。
9月11日の合流点上流泥岩層 2 9月11日の合流点上流泥岩層 3
9月11日の合流点上流泥岩層 4 それほど広い場所ではないのですが、水が完全に引いてはおらず水あかで滑ります。完全に乾いていれば川の中程まで行けますが、この状態では危険であり崖の側を歩きました。
9月11日の合流点上流泥岩層 5 一番怖かった場所です。崖の方向にV字型に食い込み、よどんだ流れと泡がたまっています。この場所の水深は分かりませんが、滑り落ちないように細心の注意を払いました。

下の画像は、通り過ぎた危険な場所と川の中まで続く川底の泥岩層です。水位が減っているので、水が流れ落ちていました。
9月11日の合流点上流泥岩層 6 9月11日の合流点上流泥岩層 7
崖の泥岩層(3m程の高さ)にある埋もれ木 1 崖の泥岩層(3m程の高さ)に、ぼつぼつと穴が開き埋もれ木があります。完全に炭化して居らず、泥岩層に取りこまれたものと判断しました。

この場所を精査すれば化石等が見つかりそうですが、埋もれ木を見つけて終わりにしました。案内板によると、この場所での化石採取は禁止されています。
崖の泥岩層(3m程の高さ)にある埋もれ木 2 崖の泥岩層(3m程の高さ)にある埋もれ木 3
9月11日の合流点上流泥岩層 8 行き止まりの崖を見ると、元来の川底から3mほどありそうです。地層が造られたのは第三紀と言いますから、およそ500万年以上も前のことになります。

北上川が流れ出したのは、第四紀(100万年ほど前)とでも言えそうです。

※年代判定は、目で見る日本列島の生い立ち「古地理図
  鑑」参照です。思い込み等があり定かでないことをお断
  りします。
9月11日の合流点上流泥岩層 9 ここから先へは進めません。3m程の垂直な崖になっています。崖の延長に、合流点にある中州が見えています。よどんでいますので、水深がありそうです。
9月11日の合流点上流泥岩層 10 崖の拡大です。この場所だけでも三層の堆積が分かります。右下から折れ曲がった褶曲部分、その上の大部分を占める白い部分、一番上の色違いの部分との区別です。

当時は浅い海の底と想定されるこの場所では、堆積・隆起・浸食・沈降・堆積のサイクルが長い年月の間にくり返されていることが分かります。

太古の昔に想いをはせると、賢治ではありませんが悠久の時の流れを感じる場所と言えます。
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