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瀬川合流点から500m程上流・・・

この内容は、9月1日に撮影したものです。前のページにも書きましたが、合流点上流の崖から川底の泥岩層が見えています。降りる場所が見つけられず断念し、さらに上流まで川縁のやぶを歩きました。公園になっている広い区画もありますが、施設が古くなったせいかあちこちの入り口が閉鎖されています。

さらに500m程上流に向かい川底に降りる道を探していましたが、何とそこは他家の畑になり作業中の男性が居られました。ここからの様子は、自家用の船を昇降させるための船着き場から許可を得て川底に降りにおり、そこから下流に立ち入り撮影した画像です。

他家の所有地になりますので、立ち入るときには許可を得ることが必要であることを申し添えます。

猿ヶ石川合流点 猿ヶ石川合流点・・・

瀬川合流点から川縁(やぶですが)を進むと、北上川に合流する猿ヶ石川が見えてきます。静かな流れですが、かなり水深がありそうに見えます。

合流点北側のこんもりと繁る樹上には、白い点々が見えてきます。良く見たら「鷺」の群れでした。ここに巣を作っているのかなと思います。

下の画像は、上流に向かって進んでいるときに見た足元の川底です。うまい具合に水が引き、乾いている部分が白くなっていました。
猿ヶ石川合流点対岸 1 猿ヶ石川合流点対岸 2

自家用船着き場 1

自家用船着き場・・・

川縁と思い歩いていた場所は畑で、その延長には民家がありました。迷い込んだことをお詫びし、川原に降りる場所をお聞きしました。

「ここから降りて良いよ・・」と自家用の船着き場に案内されました。下まで10m位のレールが敷かれ、川船と水上バイクが二台繋がれています。

自家用船着き場 2 思わず「観光用ですか・・」とお聞きしたら、趣味でやっているとのことです。川船にはビールシートがかけられ、中には錨が積まれていました。川釣り等をやっているのかなあと思いました。
自家用船着き場 3

川底まで案内されて、「滑るから気をつけて」と注意されました。「二三日前はもっと引いていたよ。」「この場所は冬になると雪が積もり凍り、春先には溶けて流されてしまう。そのために、どんどん狭くなっている」とのことです。

やわらかい泥岩はそう言うものなのかなあと思い、毎日見ている方のお話ですから納得です。

下の画像は、船の昇降用台車とレールです。新しいゴザの敷かれていますが、帰りに撮影したときの様子です。私のためにわざわざ敷いてくれてくれたものですが、ご厚意に感謝いたします。

自家用船着き場 4 自家用船着き場 5

川底泥岩層 1 船着き場から下流の泥岩層・・・

船着き場から歩けるところまで下流に進みました。水が引いたばかりでもあり、表面に水あかが付き滑るし茶色っぽい。普段履きの靴でしたから、細心の注意を払いあちこち見ながら撮影しました。

空模様はからりと晴れ、白い雲がが浮かび水面に映る様子は最高でした。ただ、低い雲の流れがあり、その時は完全に川底が黒っぽくなってしまいます。
川底泥岩層 2 川底泥岩層 3
川底泥岩層 4 川底泥岩層 5
川底泥岩層 6 乾ききった川底泥岩層の様子です。水に漬かり水あかが付いていると茶色ですが、乾くと白っぽくなります。この川底が大きく広がれば白っぽい場所になり、賢治のイメージしたイギリス海岸と言うことになります。

水量の関係もありますが、一面の川底台地出はなく至る所に切れ込みや窪みがあります。窪みの水溜まりに映り込んだ青空と白い雲、絶景かなという雰囲気になります。
川底泥岩層 7 川底泥岩層 8
川底泥岩層 9 200m程下流に来たところで深みになり、これ以上は進めません。無理をすれば水辺ぎりぎりの場所を通過出来ますが、カメラを手にし普段履きの靴では無理でした。
川底泥岩層 10 北上川の流れ中央付近から下流を見た様子です。ワイドレンズを使用し、乾きつつある泥岩層と青空の白雲をとりこんで見ました。

川底の甌穴(おうけつ)・・・

特にも興味があったのは、川底に丸い窪みが沢山あったことです。下流で見た場所では溝状でしたが、ここは窪みがかなり多く見られます。

最初は何気なく見ていたのですが、窪みを良く見ると中には必ずという程石ころが入っています。丸い石ではなく角のあるままの石でした。思わずこれは甌穴(おうけつ)と同じだなあと思い新しい発見でした。泥岩層はやわらかいので、平らな川底に石が転がり何かのはずみでその場所に引っかかり、水流で転がりなが周囲を削り取っていきます。

一関市厳美渓で見られる甌穴は、いずれも硬い岩石同士なので周囲を削りながら自らも削られて丸くなっています。
甌穴 1 川底の窪みに気がつき調べてみました。小さいものは握り拳程度であり動かすと転がります。乾いていれば拾う気にもなったのですが、水あかだらけの汚い感じなので拾いません。
甌穴 2 甌穴 3
甌穴 4 大きな穴では30cm程の角石が入っていたものもあり、すでに流れ去って何もないものもあります。

この石を動かすとぐらぐら揺れます。

お気に入り画像 1 イギリス海岸お気に入り・・・

ここからは上流で撮影した中から、イギリス海岸と言えるお気に入り場面を紹介いたします。
お気に入り画像 2 お気に入り画像 3
お気に入り画像 4 お気に入り画像 5

お気に入り画像 6・・・流れ中央付近まで見えている泥岩層、本当はここまで入りたかったのですが・・。
おわりに・・・

自家用船着き場に戻ってきたら、案内された男性が滑りやすい斜面にゴザを敷いてくれていました。崖の上で男性が仕事をされていたので声を掛けてお礼をしました。この場をお借りして改めて感謝いたします。

今まで覚えていて訪れなかったイギリス海岸です。今回偶然の機会から三度ほど訪れましたが、水が引いている時期が最良であることは当然です。それと、太陽の高度のことでした。天気の良い日の午前十一時前、泥岩層特有の色合いを見せてくれます。

イギリス海岸について詳細を知りたくなり、ネット資料等から検索していたら面白い話題を見つけました。9月21日は宮澤賢治の命日でもあり、花巻市では「賢治祭」が開催されます。命日の21日にイギリス海岸出現を目指して、上流のダム放水の流量を調節し出現可能な水位まで下げるという試みです。

国土交通省や岩手県、電力会社の全面的な協力で、今まで五回実施されてきたと言います。例年であれば台風のシーズンにあたり、流量調節しても水位の低下が期待できないこともあり、実現したのは平成21年だけであったと言います。今年もその計画がありましたが、予想外の渇水ですでに出現しているためダム流量調整は見送りと報じられました。ちょっぴり期待もしましたが、これ以上水位が低下しても昔の風景は川の流れの変化で無理だと言われます。
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