奥州市・完成間近の胆沢ダムに戻る

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尿前(しとまえ)渓谷・・・

尿前と書いて「しとまえ」と読みます。胆沢ダム工事が始まるかなり以前のことですが、玄武岩の柱状節理のある渓谷を見に来た記憶があります。橋を渡る直角カーブがかなりきつかったのですが、橋の両側は切り立った渓谷と秋の紅葉の景観地でした。

ダム建設に伴い旧道は改良されましたが景観はそのままです。今回バスで通りながら「尿前渓谷です」の説明があった時、「バスを止めてください・・」とリクエストがありました。たまたま工事用車輛も通らなかったので、徐行しながら一番良い場所で停車です。今回の参加者は地元の方がほとんどですから、「見納めだね・・」と歓声を上げておられました。バスの車窓からカメラを向けましたが、雨降りですし水滴が窓に付いています。なんコマか撮影した画像から紹介します。私にとってもこれが最後の機会で、記念すべきショットになりました。


尿前・・・

胆沢川の支流の一つに「尿前川」があり、河口の玄武岩柱列の渓谷はすばらしい景観を呈し、上流には美しい滝がいくつも水煙をあげている。また、アイヌ語説では、「シュト・オマ・イ」で、「麓になっているところ」の意味があり、尿前は山から流れて到達する川の麓とも理解すれば、同じ場所になるのだろう。(※以前に頂いた石淵ダム資料より)

玄武岩の柱状節理と紅葉のバランスが何とも言われない雰囲気です。
尿前渓谷 1 尿前渓谷 2
尿前渓谷 3 尿前渓谷 4
バスの中から見た堤体内側。 尿前渓谷を見た後、バスは一旦旧道から新しい道路に戻ります。フロントガラス中央部分が、現在建設中のダム管理事務所になります。

以前はこの場所に展望台があり、堤体工事の様子を俯瞰しながら見ることが出来ました。堤体完了とともに立ち入り禁止になっています。

バスはここからR397新道に戻り、つぶ沼から旧道に入り石淵ダムを俯瞰できる場所まで移動しました。

旧道から見た石渕ダム・・・

以前は自由に通れましたので石淵ダムサイトを何度も通過していましたが、胆沢ダム堤体完成とともに新道路に切りかわりました。旧道になった従来の道路は、ガードレールや標識等が撤去されることになり通行止めになっています。
今回の見学バスも、つぶ沼付近から通行止めの旧道を下って来ました。これ以上進むと工事現場になる手前の高い場所から見下ろし説明を受けました。

旧道での説明 旧道からの俯瞰・・・

うまい具合に雨が上がりました。少々どんよりとはしていますが、ダム堰堤と猿岩方面がはっきりと見えます。

この場所でKさんから石淵ダムについて色々なお話がありました。
R397震動に架かる橋 R397新道の橋・・・

この橋からの眺めは最高で、眼下に広がる石淵ダムや猿岩方面が見えます。
石淵ダム内側からの全景。 中央に見えているのが取水塔で、潅漑用水と発電用水を取水して、トンネルで下の第一発電所まで流しています。

石淵ダムの水没により、胆沢ダムの付近でトンネルも塞ぐそうですが、水圧がかなりあるので大きな栓が必要になるとのことです。

取水塔の右に見えているのは旧排水塔です。ダムの管理上全部の水を抜くためのものですが、説明によると今まで一度も使用されてはいません。
取水塔・排水塔の拡大。 取水塔部分・・・

取水塔も残っていますが、これも頭の部分が全部無くなる予定です。

まだ残っているのは、あそこまでの重機が行ける道路がついていないことになります。

重機で土を運んでいますので、もうちょっとするとあれにも手が着きます。

左端の山沿いに旧道がありましたが、ガードレールや標識等は撤去されています。
石淵ダム南側の山麓 1・・・木が切られた場所まで水が溜まります。

石淵ダム南側の山麓ですが、ある高さから下にある木が伐採されています。これは胆沢ダムに水が溜まれば、水がここまで来る線になると言います。

12月から湛水試験が始まるので、来年4月には広大な奥州湖になります。もしかしたら、手前に見えている部分まで水没するのかも知れません。
石淵ダム南側の山麓 2・・・猿岩 猿岩を望む・・・

目の前に見えている山がご存じの猿岩です。猿岩隧道がありますが、これも沈みます。猿岩は猿岩橋と言う新しい橋が架かっており、対岸に行く林道になっています。

将来的には、皆さんも猿岩の方へも行けます。道路は大体出来ていますが、道路管理者からの許可が下りないと通ってはいけないことになっております。

今は工事用関係者だけが通っていますが、この道路もちょっと先に行きますと水が来る場所になり、一般の方は通られないことになります。
維持淵ダム湖と猿岩遠望。 広大な胆沢ダム湖面になる部分、満水時の様子を早く見たいものです。ここからは見えませんが、猿岩の右端付近に対岸に渡る橋が完成しています。

ダムが完成した時、是非とも出かけみたい場所になります。広い湖面を渡る橋でもあり、ダムの湖底から引き上げた枕石が置かれている公園があるからです。

その後、つぶ沼まで戻り管理棟で昼食です。いさわ散居ガイドの会からは、心づくしのいものこ汁をご馳走になりました。

獅子ヶ命水 1 昼食後、雨が降ったり止んだりの天候でしたが胆沢川渓谷を走り、獅子ヶ命水まで進みました。ここで紅葉をバックに記念撮影です。

この場所は紅葉の見所でもあり、何回も訪れている場所です。天気が良ければ稜線から上に焼石岳が見えるのですが、今回は雲に隠れて見ることが出来ません。
獅子ヶ命水 2 周囲の紅葉 1
周囲の紅葉 2 周囲の紅葉 3

獅子ヶ命水、今までは気がつかなかったのですが、道路脇に流れ出る場所に「獅子ヶ命水 道中安全」と刻まれた石が埋め込まれ、樋から水が流れています。何人かの方が水を飲んでいますので、私も飲んでみました。「いさわ散居ガイドの会」会長のSさんが、持ち帰るのは自己責任でお願いしますと話され、皆さんが笑っています。

その後、愛宕地区まで戻り安倍貞任伝説ゆかりの大歩屋敷を訪れました。初代当主(1069年〜)から続く、大歩阿部家当主(44代目)からお話をお聞きしました。屋敷の片隅にある樹齢数百年と推定される杉の根(株だけですが)、阿部家の歴史を物語っていました。

最後になりますが、本日のガイドをなさってくれた方々にこの場をお借りして御礼をいたします。
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