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      2014紅葉を訪ねて・矢巾町・南昌大橋


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南昌大橋渓谷・・・

雫石町からの帰り道、南昌山の下を抜けるトンネルがあることを知ってはいましたが、あまり通る機会がありませんでした。それと、雫石方面からの通り道のガイドがはっきりせず迷ったこともあります。

何年か前の秋に雫石からの帰りに通り抜けたのですが、トンネルを抜けた付近の渓谷の紅葉が素晴らしい事に気がついていました。今回盛岡に出かけた帰り道、矢巾側から南昌第二トンネルを抜けてみました。雨交じりの天候で撮影が困難でしたが、北の沢渓谷の紅葉は今が盛りであり素晴らしいの一語に尽きました。

橋には歩道がなく、交通量が大変多く三脚等の使用は出来ません。トラックが後ろを通過すると怖いくらいですし、ドライバーの立場になると邪魔な存在になります。橋の欄干基礎部分のコンクリートに上がり、一脚を使用しての撮影になりました。

予想していなかったこととして、谷底から巻き上がる風が雨粒を飛ばしレンズに付くことです。レンズに付いた小さな雨粒でも画像に大きな支障をきたし、その周辺がぼやけて使用できなくなります。レンズについた水滴を拭き取りながらの撮影でした。しかし、橋の上から見た南側の渓谷、「絶景かな・・」の言葉が思わず出てきました。

トップの画像は、南昌大橋南側の渓谷の様子です。曇り空の時、たまたまでしたが雲の切れ目から日がさしてその部分の彩りがきれいになった瞬間でした。


トンネル出口の駐車場付近 1 

第二トンネル出口の駐車場・・・

トンネル出口の左側に石碑が建立され、車が何台か置ける駐車スペースがありました。大きな石碑には、岩手県農協五連会長・岩持静麻謹書「農業用道路開通記念」と書かれてあります。

このスペースに車を止めましたが、トンネルに出入りする車が多く道路横断には気を遣いました。

石碑の右側に看板がありました。昭和56年頃設置された看板は、日陰であることや経年変化のためにかなりくたびれていました。

トンネル出口の駐車場付近 2  第二トンネル出口から見た南昌大橋です。この山の下を通るのが南昌第一トンネルになります。この山は、看板の絵地図から判断して毒ヶ森と思いました。

トンネル出口付近の紅葉もきれいであり、何コマか切り取ってみました。


看板からの引用です。

つなごう”美しく、活力ある農村”農業用道路で

以下の文章は下記に掲載。

トンネル出口の駐車場付近 3  トンネル出口の駐車場付近 4 
トンネル出口の駐車場付近 5 

この農業用道路は、昭和56年3月岩手県が策定した「盛岡地方広域営農団地整備事業計画」による農道網の一部にあたります。

盛岡市の市街地から、放射状に配置されている国道4号線、46号線、106号線等は、近年の交通量の増大により、市街地周辺で交通渋滞することが多くなり、農畜産物の円滑な集出荷のために広域農業開発事業と一体的に整備することが合理的であることから急峻部9,207mを農用地整備公団が建設したものです。

この記念碑は能郷道路の開通を記念して建立したものです。

デザイン
前方にそびえる霊峰、南昌山を形どったものであるが矢尻の形をもデザインしている、開通を機にスピーディーな末広がりの発展を表している。

原石
南昌山を模作した形の原石(約10t)を姫神山中裾野から探し出した、岩手産の白御影石である。

南昌山(848m)

南昌第一トンネルは毒ヶ森の中を通ります。



トンネル出口側 1 トンネル出口側・・・

トンネルを抜けると南昌大橋が見えてきます。歩道もなく車道のみなので、往来する車両に注意しないと迷惑行為になりますし危険です。

橋の中程からトンネル出口側を眺めました。
トンネル出口側 2 トンネル出口側 3
トンネル出口側 4 赤色が多い中に黄色が一部あり、その対比がすごく良く見とれてしまいます。

北側の渓谷の様子 1 橋の上から北側を望む・・・

渓谷の沢に土留めの場所があるように見えました。渓流の中に黒い部分があり、この部分は崖になったいるのかなあと思います。

正確にはこの場所が何なのかは不明です。
北側の渓谷の様子 2 北側の渓谷の様子 3

南側の渓谷の様子 1 橋の上から南側を望む・・・

たまたまですが、曇り空の切れ目から太陽の光が当たった周辺が際立て色合いが良くなりました。

眼下に連なる北の沢渓谷の紅葉が今が盛りであり、怖いなあと思いながら見下ろす雰囲気が何とも言われないのです。大型トラックが後ろを通過すると、引っ張られるような圧力を感じます。

南側の渓谷を俯瞰すると、延々と続く紅葉の谷が素晴らしい景観です。こんなにきれいな場所に出会ったことがありませんので、見とれてしまいました。安心して眺められれば最高なのですが・・。
南側の渓谷の様子 2 南側の渓谷の様子 3
南側の渓谷の様子 4 南側の渓谷の様子 5・・・左の画像の場所に日がさすと雰囲気ががらりと違ってきます。


太古の時代の火山の名残りであったと思えない整った形の山です。

南昌山・・・

今から57年前(昭和32年)頃のことですが、学生時代に矢巾町出身の友人と登山をしたことがあります。記憶が定かではないのですが、登山口は山の西側にあり急な斜面を登った覚えがあります。地質学に造詣が深かった友人は、南昌山の構造から中央火口丘だと思うと語ったことが忘れられません。頂上からの展望は良くなく、雑木林がじゃまになり遠望は出来ません。うん十年後の今はどうなっているのか、多分ですが以前と変化がないように思えます。

撮影した日は小雨交じりの天候であり、山頂付近はかすんでおりすっきりとはしませんでした。


南昌山とは、岩手県岩手郡雫石町と紫波郡矢巾町との境にある、標高848.0mの山岳。岩の鐘を伏せたような均整のとれた形をしている山で、坂上田村麻呂の時代から霊山として敬われたほか、宮沢賢治が何度も訪れていたことでも有名である。

南昌山は盛岡市西方に鎮座し、付近の赤林山、箱ヶ森、毒ヶ森などの山岳と連山をなしている。また、南昌山と東根山、赤林山などの山域を総称して志波三山とも呼ばれている。山麓には幣懸の滝、北ノ沢大滝、南昌大滝などの瀑布や、幣懸の滝由来の湯脈を持つラジウム系の温泉(矢巾温泉)が存在する。

南昌山は奥羽山脈に属し、かつて活動していた火山が風化浸食を受け火道が露出した岩頸と呼ばれる地形で、石英斑岩からなる。山麓には広く中新世の凝灰岩が露出するほか、中新世から更新世にかけての様々な岩相の地層が分布している。

南昌山では、宮沢賢治が親友の藤原健次郎とともに水晶や「のろぎ石」を採取していたことで有名で、南昌山の水晶は透明度が高いことが特徴として挙げられる。「のろぎ石」は、凝灰岩の熱水変質によって生成した粘土鉱物の集合体で、白色を呈するカオリナイト、セリサイト、セリサイト-モンモリロナイト混合層鉱物などの粘土鉱物からなり、粘土鉱物の含有量によって石筆に適した硬さのものから水に溶ける柔らかいものまで様々である。

                                                         ※ウイキペディアより


ウイキペディアの解説を読んでいると、南昌山は奥羽山系のこの場所に火山活動があった証拠とも言えそうです。宮沢賢治が好んで登山し、「のろぎ石」を採集していたとは知りませんでした。それにしても、賢治の地質学にかける造詣は素晴らしいのもがあります。改めてすごい人物だなあと思いました。
                                                      (2014.11.16 作成)

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