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           紫波町・水分神社


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誰もいないぢぎの葉だらけの奥宮です。
紫波町・水分神社・・・

我が家には、年末近くになると「岩手県神社廳刊行 郷土暦」が配布されます。毎月のこよみ欄には、新暦と旧暦の対比とその月ごとの主な行事が紹介されています。また巻末には岩手の主な神社が画像入りで紹介され、その中には年間の祭事が記載されています。

私が必ず見るのが神社で開催される祭事の紹介で、地域の住民の信仰に根ざした伝統的な行事の資料収集には欠かせないからです。

以前から気になっていたのが水分神社でした。神社境内から湧き出した清水が、地域一千戸の上水道になっていること、そして灌漑用水に利用されていると書かれてあったからです。

画像編集しながら気がついたのは、訪れた神社は奥の宮であり里宮ではありません。ここまで来ると里宮がどこにあるのか、地図とのにらめっこで精査するしかありません。そして、やっと見つけました。十二月中旬の事でしたが盛岡からの帰り、道路脇の木製鳥居に「水分神社」と書かれてありました。


水分神社・・・

創建は平安時代、ご祭神は水波能売命(みずはのめのみこと)・・・。当社は東根山麓(天然記念物杉群・・町指定)老松・老杉の中にお社があり、背部より清水が滾々(こんこん)として湧き出し、頗る尊厳を有す。源泉、湧き出す水は上水道一千二百戸。ほかに耕地灌漑に供す。(※郷土暦の記載から)


トップの画像は、最初に訪れた時の奥宮の本殿の様子です。紅葉探訪で撮影したので十月下旬の事でした。今まで訪れた神社では、奥宮は本殿からかなり離れた所にあるのが普通です。ここ水分神社も同様であり、標高も距離もかなりあり、最初は奥宮とは気がつきませんでした。神社庁発行の紹介ページに奥宮と里宮の写真があり、気がつきました。

ここでは、里宮と奥宮の両方を訪れて撮影した画像から編集しています。撮影した時期のずれが二ヶ月ほどありますがご容赦下さい。

水分神社里宮 1 水分神社里宮・・・

里宮の場所は、水分小学校の西側の田んぼ中にありました。今にも雪が降りそうな天候で、周囲には前降った雪が残っていました。

里宮と言うからには、大きな本殿や神楽殿等があるはずだと思っていたのですが、ごく普通の神社でした。

むしろ奥宮の方が立派な感じがしたくらいです。
水分神社里宮 2 水分神社里宮 3
水分神社里宮 4 「水分神社」と揮毫された扁額だと思いますが、私には読めませんでした。

凄いなあと思ったのが本殿前の杉の木です。まだそれほど太くはないのですが、三本の木の根が接近して成長しています。

上の方の枝の張りが素晴らしく、この後うん百年したら銘木の姥杉になれそうです。
水分神社里宮 5 水分神社里宮 6
水分神社里宮 7

神社北側の道路から見た様子です。本殿前の三本の杉の木は、枝振りも良く離れてみると迫力があります。周囲の様子から見て、20m以上はありそうです。

水分神社里宮 8

神社北側の道路が山の方へと延びています。ここからかなり離れた場所に奥宮があり、例祭の時は旗を立てる石の基礎が設置されています。

水分神社里宮 9 奥宮は見えている山の麓を少し登った所(東根山)にあります。麓の沢からは上水道用水と灌漑用水がひかれています。

左側のコンクリートの建物は灌漑用水で使用される設備になります。

奥宮参道入り口 1 奥宮参道入り口・・・

水分神社奥宮を訪れたのが十月下旬の事でした。この鳥居はいつも通っているラ・フランスの北側にあります。

何気なく通っている時は鳥居があるのが分かっても、扁額の文字までは読めませんので気がつきません。

石造りの鳥居と「水分神社」と刻まれた石塔です。狭い一本道ですが、見通しが良く車が一台も見えませんので一気に上まで走りました。
奥宮参道入り口 2 奥宮参道入り口 3

参道700mを一気に進む。 参道を進む・・・

街道から距離にして800mほど、一本道はどんどん狭くなり途中に待避所がありました。杉林の中の道、何となく暗くなってきました。

車止めの左側に駐車場があり、三台ほど車が見えています。あたりを見ても、神社にお参りしている姿が見当たりません。皆さん、銘水汲みの順番待ちでした。

熊出没警戒中・・」この看板の迫力、いやあ怖いですよ。がさっと音がしたらひやっとします。
怖い標識 奥宮参道行き止まり

奥宮境内 1 奥宮境内入り口・・・

車止めの側に木製の鳥居と水分神社の石塔があり、ここからは境内になります。うっそうとした杉林、落ち葉もかなりあり薄暗い感じがします。

鳥居越しに一直線の道路見下ろすと、ほぼ直線であることが分かります。
奥宮境内 2 奥宮境内 3
奥宮境内 4 境内を進み奥宮神社まで進みますが、落ち葉(杉の葉)がかなりの量があります。祭事がない限りきれいになっていません。

奥宮の様子 1 奥宮・・・

入り口はにコンクリートの階段があり進んでみました。登り口に傾いた案内看板がありました。以下の文章は看板からの転記です。

紫波町指定 天然記念物「スギ群」 
昭和五十七年指定常緑針葉高木で樹皮は赤褐色、縦に裂け細長い薄片となってはげ落ちる。

雌雄同株で五月開花し雄花は淡黄色、雌花は緑色を呈する。県内における天然分布は、裏日本型で奥羽山脈に限られ、安代、沢内、雫石等で確認されている。
奥宮の様子 2 材は古くから建築材として愛用され、日本の代表的な建築材として広く知られている。このスギ群(十七本)は昭和五十七年に指定を受けたもので、志和稲荷のスギ群に次ぐ大樹である。

先ほどの説明で、祭事でもない限りきれいにはならないでしょうか・・と書きましたが、うっそうたる杉林ですから杉の葉が沢山落ちるのは仕方ないのです。
奥宮の様子 3・・・神楽殿。 神楽殿がありますが、かなり古くなっており、現在使用されているのかは不明です。

本殿正面には扁額があり、書体は里宮と同じです。
奥宮本殿 奥宮扁額

紫波町天然記念物指定木 1
ここからは、杉の巨木「天然記念物杉群(紫波町指定)」を紹介します。実際に太さ等は測定しませんでしたが、直径が1mほどあり、その根元には紫波町天然記念物指定木と書かれた標識柱が立っています。

しかし、設定されてから年月が経っているせいかかなり腐食している部分が見られたのが気になります。


同様に、一番くらい太い木の前には細長い木が植えられており、「今上陛下即位記念植樹」・・平成二年十一月吉日と書かれてありました。この場合も同様で、標識の根元が腐っており強風等で倒れる心配すらありました。

せっかくの記念樹ですから、大切に管理して欲しいなと思います。肝心の記念植樹された木の名前が不明です。


周囲の太い杉の根元には、塩ビパイプが埋め込まれています。かなり以前の記事を見ると、杉の木の根元に沢水が大量に流れていました。現在は暗きょ水路になっているのでしょうか、空気弁の働きをする物かなと思います。この空気弁、あちこちに見られていますが、沢の状態は見られなく表面を流れる水はありません。
紫波町天然記念物指定木 2 紫波町天然記念物指定木 3
紫波町天然記念物指定木 4 紫波町天然記念物指定木 5
上水道管理棟 奥宮本殿の後ろに回ると、遙か下を流れる谷川の水音が聞こえてきます。

今は神社周辺の沢水の流れは暗きょになっていますが、かつては水系が別にあったと思われます。その水をここで滅菌管理をし、麓の民家の簡易水道に利用していると思います。

谷川の流れは麓に下り灌漑用水に利用されています。

水分銘水 1 清水の汲み場・・・

岩手の銘水20選に選ばれている水分神社の清水です。水汲み場には屋根がかけられ、塩ビ管の取水口が四カ所ありました。

たまたまでしたが、清水汲み場所の上だけにきれいな紅葉があり光が当たっています。

水分銘水 2 取水口の塩ビ管、私が撮影しながら見ていた時は三名ほどの方ですが、汲み終わると一気に坂道を下っていきます。
水分銘水 3 ペットボトル(2リットル)に汲むと、一本の重さが2kgあります。この男性が汲んでいる水の総量、重さにしたらどの位になるのかなと思ってしまいます。
水分銘水 4
汲んでいる男性にお聞きしたら、「水の持ちが良いのですよ・・」と話してくれました。水分銘水の紹介を見ると、冷たくて癖が無いので、毎日汲みに来る方が絶えない。時には順番待ちで混み合うこともあるようです。

私の家の近くにも銘水がありますが、ほとんどの方が大量に汲むので車まで運ぶのが大変です。地元の方の好意で一輪車が何台か置かれてあります。そんなことを思い出しながら現場を見ていました。
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